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策に溺れる
しおりを挟む思えば昔から、グループ単位で動くような事が嫌いだった。
教室に居る時だって、固定のグループというものには入っていなかった。
友達がいなかったわけじゃない。
特段大人数が嫌いな訳でもない。
数人は話す人がいる だが グループにはならない
そのような塩梅の中で過ごしていた。
そんな中途半端な孤独を好む私だが、
恋というものをしてみたいと思った。
小学校、中学校と、恋といった恋をしたことがなかった。
今迄私は、太陽のような人間がいるからには相反して存在する、所謂陰と為る側の人間だった。
恋をすることなど、おこがましく、身分を考えろ。
といった考え方をしていた自尊心の低い卑屈な人だった。
高校に入ったら、それなりに恋をしてみたい。中学校の間、私はそう考えていた。
しかしそれはあっさりと打ち砕かれることになる。
大村 環那は中学の間、吹奏楽部に入っていた。
所謂強豪という高川中学校出身で、
中学二年の春頃から、彼女は赤みの強い銅が多く含まれている、柔らかい色のホルンを自分の楽器として購入し使っていた。
周りの先輩たちは、普通の黄色い楽器を選ばない彼女を
下手の横好きのくせして、違う色の楽器を使うなんて目立ちがりやなんじゃないのか。と陰で話していた。
言われるとおり、一年生の時の彼女は金管の中でワーストに入るほど楽器が下手だった。
一年生の時、アンサンブルで金管8重奏を組んだ時、下手を理由に仲間と認められず、陰惨な出来事にあった。
それから彼女はアンサンブルというグループに拒絶反応を示すようになった。
縛られず自由に生きたい。
人には向き不向きがあると悟った私は
ソロコンテストという存在を知り、
そこから春と冬のコンテスト夫々合計3度程のソロコンテストに躍起になって取り組んでいた。
練習が幸を成して、
春のコンテストでは2度 独奏で県のコンクールで金賞を受賞。
又執念からか、冬のコンテストでは支部大会にまで進むことができた。
しかし相も変わらず一年生のアンサンブルの頃から私に対する偏見の目は無くならなかった。
高校では息もしづらいこんな所から抜け出したい。と願っていた。
しかし楽器を買ったが最後。
彼女は進学先でも吹奏楽を続けねばならないことに気づいた時、深い後悔に苛まれた。
最後の手段で、彼女は同級生が決して入らないだろう。
という隣町の無名の高校に入って平凡に3年間を過ごそう。と考えていた。
しかし彼女は気づけなかった。
強豪出身の人間が入った時点で、諸々を任し倒され平凡になど程遠い部活生活しかないことに。
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