139 / 1,010
文字通りの男
「さっきも言っただろう?逆らうなっつーか、あの人には誰も逆らえねぇんだよ。それこそ日本の国家権力でもな!!」
「え…?」
どういうことだろうか…まさか、そんな…と祐羽が混乱に表情を曇らせる。
「文字通りなの~お偉いさんにも秘密のひとつやふたつはあるでしょうよ?まぁ、全員とは言わなくとも…」
「おい。中瀬」
それまで黙っていた運転席の近藤が短く名前を呼ぶと、中瀬が(しまった)と苦笑いをする。
「ヤベッ。話しすぎた~まぁ事実だし、いっか~」
反省の様子も見せずテヘッと軽い感じにニャハハッと笑う。
その間にも祐羽は、あまりの話の内容に益々恐ろしさを募らせていた。
自分を九条の部屋まで行かせる為の嘘だと思うが、それを嘘だと言い切れないものがある。
絶対的な権力者しか住めないこの地区に、若くして居を構える男。
あの圧倒的な逆らえないオーラ。
まさかと思っていると、コンコンと窓を叩く音がする。
ハッとして視線を投げると、そこには堺が立っていた。
「あ、迎え来た」
「のんびり話なんてしてるからだバカ」
運転席の加藤から軽く叱責され中瀬が唇を尖らせた。
中瀬が先に降りるのを見ていると、いつの間にか反対側に回っていた堺が、祐羽の座っている座席側のドアを開けた。
「降りろ。社長がお待ちだ」
そう言われて「はい分かりました」とすんなり降りる決意は出来ていない。
戸惑う祐羽は堺の太い手に掴まれると、意図も容易く外へと出されてしまった。
こうして改めて見上げると、堺は怖い顔をしている。
一度会っただけの録に会話もしてない相手、それもヤクザと分かっているのに緊張するなというのが無理だ。
「お~い月ヶ瀬くん。早くしないと時間オーバーヤバい!」
それとは対照的に、まるで何年も先輩後輩をしていたような口振りで呼ばれて、祐羽はげんなりとした。
こちらはヤクザには思えない分助かるが、実際はヤクザなのだ。
そしてもうひとり…。
「月ヶ瀬くん、待っていましたよ。さぁ早くしてください。時間の無駄ですから」
駐車場から直通のエレベーターのあるホールに、眞山が直立不動で立っていた。
「え…?」
どういうことだろうか…まさか、そんな…と祐羽が混乱に表情を曇らせる。
「文字通りなの~お偉いさんにも秘密のひとつやふたつはあるでしょうよ?まぁ、全員とは言わなくとも…」
「おい。中瀬」
それまで黙っていた運転席の近藤が短く名前を呼ぶと、中瀬が(しまった)と苦笑いをする。
「ヤベッ。話しすぎた~まぁ事実だし、いっか~」
反省の様子も見せずテヘッと軽い感じにニャハハッと笑う。
その間にも祐羽は、あまりの話の内容に益々恐ろしさを募らせていた。
自分を九条の部屋まで行かせる為の嘘だと思うが、それを嘘だと言い切れないものがある。
絶対的な権力者しか住めないこの地区に、若くして居を構える男。
あの圧倒的な逆らえないオーラ。
まさかと思っていると、コンコンと窓を叩く音がする。
ハッとして視線を投げると、そこには堺が立っていた。
「あ、迎え来た」
「のんびり話なんてしてるからだバカ」
運転席の加藤から軽く叱責され中瀬が唇を尖らせた。
中瀬が先に降りるのを見ていると、いつの間にか反対側に回っていた堺が、祐羽の座っている座席側のドアを開けた。
「降りろ。社長がお待ちだ」
そう言われて「はい分かりました」とすんなり降りる決意は出来ていない。
戸惑う祐羽は堺の太い手に掴まれると、意図も容易く外へと出されてしまった。
こうして改めて見上げると、堺は怖い顔をしている。
一度会っただけの録に会話もしてない相手、それもヤクザと分かっているのに緊張するなというのが無理だ。
「お~い月ヶ瀬くん。早くしないと時間オーバーヤバい!」
それとは対照的に、まるで何年も先輩後輩をしていたような口振りで呼ばれて、祐羽はげんなりとした。
こちらはヤクザには思えない分助かるが、実際はヤクザなのだ。
そしてもうひとり…。
「月ヶ瀬くん、待っていましたよ。さぁ早くしてください。時間の無駄ですから」
駐車場から直通のエレベーターのあるホールに、眞山が直立不動で立っていた。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
人気俳優に拾われてペットにされた件
米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。
そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。
「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。
「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。
これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…