闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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モヤモヤした気持ち

 この感じは何だろうか?

 祐羽は一瞬締め付けられた不思議な感覚に、眉根を寄せた。

 同時にあの時の情景がうっすら目の前に浮かんでくる。

あの大きな手の平で撫でられて、本当に驚いた。
 それからゆっくりと手を滑らせて、自分の頬を包み込んできて…まさかの瞼にキスされて…それから…。

 そうだったキスされて、その後…。

 その時の九条の表情は、どうだっただろうか?
 整った顔が傾けられて近づいてきて…そこまで思い出して、祐羽は恥ずかしさに頬を熱くさせる。
 
「…何で…。う~っ、もう考えない考えない!!」

 自分の呑気な性格を一喝する。
 少し優しくされるとつい絆されてしまう。

 優しい顔を見せてくれたが、それは今日だけの事かもしれない。
 考えれば自分は本当に取り返しのつかない酷いことをされたのだ。

初めてだったのに…。

 何も知らなかった自分を無理矢理犯してきた相手を少し優しくされたからと許すなんて、駄目だ。
これから先も同じ事を繰り返す可能性は捨てきれない。

「そうだよ。訳もなく酷いことされたんだから…」

 ヤクザなんて録でもない人物の集合体であるからには、一般人とは考え方も何もかもが違うのだから。

「相手はヤクザだもん。気を抜いちゃダメだ」

 そう言い聞かせながら、自室のクローゼットへ荷物を置き制服を脱いで部屋着へと着替える。
 着替え終えるとスマホをポケットへ入れて、両親の待つリビングへと向かった。

 訳のわからないモヤモヤした気持ちを抱えながら。
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