闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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別世界ではなく現実

 ヤクザといっても様々だ。
 この小さな町に事務所を置いている下っ端がいれば、大きな邸宅や事務所を構えている大元がいる。
 テレビのニュースで極偶に見かける暴力団組員逮捕や事務所への家宅捜索では、どこか別の世界の様に見ていた。

 自分に関係ないと思っていたが、九条の力の強大さは自分の思っていたよりも大きく、まさかこんな日常にまで及ぶとは思いもしていなかった。

 脅された時も頭の何処か奥の片隅で(そんなことは無理だ)と決めつけていた自分がいた。

 決めつけるべきではなかった。

 現に自分は別世界の関わりないと思っていたヤクザと結びつきが出来てしまっているのだから。

 本当に九条は何を思って一般人で高校生、しかも何の変哲もないお金持ちでもない自分を構うのだろうか?

 エッチな事をされたけれど、あの後は何もされなかったし、強いて言えば今回の無茶な九条宅訪問の約束だ。
 行って何をするのか皆目検討もつかない。
 謎だ。

 本当に九条さんは何を考えてボクを…?

「とにかく夜、お父さんが帰ってきたらに話してみよう」


 いつもより早目に帰宅した祐羽に香織は理由を聞くことはなかった。
 代わりにお茶とお菓子を用意すると、一緒におやつタイムを楽しんだ。
 
 昔からこうだ。
 のんびりおおらかなタイプで、祐羽の変化には気づいていても見守る教育方針。
 父である亮介が過保護すぎる為に、その反動もあるかもしれない。
 そんな母も本当に困ったときには親身になってくれるし、頼りになる。
 とはいえ、今回の案件は予想外だろう。

 そうこうしているうちに夕飯の時間が迫り、晩ご飯の手伝いをしていると亮介が帰ってきた。

 直ぐにでも相談したかったものの流石に帰宅早々こんなことは、話づらい。
 祐羽は晩ご飯の後に、両親がソファでゆっくりする時間に相談をすることに決めた。

 そんな祐羽の出鼻を挫く話が、亮介の口から飛び出した。
 それは、家族揃って晩ご飯を食べ初めて直ぐの事だった。


※お正月企画の小説お送りさせて頂きました。
当方の確認不足でまだ届いていない方がいらっしゃいましたら、DMにてお声掛りください。
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