闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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ここでもカッコいい

 どうやら気のせいだったのか、気づかれない程度にもう一度眞山を見るが、精悍な顔は冷静だ。
 今まで何回か会ったが、眞山が笑った所は見たことがない。
 それをいうなら目の前で優雅にカトラリーを操る男もだろう。
 九条が何となく笑ったかな?という雰囲気は感じるが、明らかに笑う事はない。
 鼻で笑われた経験はあるが…。
 
そもそも、この人表情崩して笑ったりするのかな?

 口へ料理を運びながら九条の様子を観察する。
 こんなにも美味しい料理だというのに、味覚が無いのかと疑わしくなる無表情で食事を進めている。

 もう少し分かりやすいといいんだけどなぁ…。

 祐羽がモグモグしながら眉間に皺を寄せながら思い悩んでいると、次の料理が運ばれてきた。
 綺麗な彩りのオードブルは、天井からの灯りでキラキラと輝いており、これも食べるのが勿体ない位だ。
 パンも用意されて、益々食欲を刺激された。
 
 九条との高級店個室での食事に尻込みしていたが、そんな事は頭から抜けていた。
 意識はすっかり目の前の皿に乗せられている料理だ。
 肉と野菜が綺麗に盛られているそれに、さっそくナイフとフォークを添えたが、思いの外上手く切り分けられない。
 ミルフィーユ状になっていた為、一気に崩れしてまい見た目無惨極まりない。

 あぁっ、ぐちゃぐちゃになっちゃったよ~。

 一方の九条は上手くカトラリーを駆使して、易々と口へと運んでいて皿の上は綺麗なままだ。
経験の差が浮き出ている。

 九条さん凄いな…、こういう時もカッコいいんだもん。

 怖いけれどカッコいいのは事実で、つい九条の所作を見つめてしまう。
 見つめすぎたのだろうか?
 気がついた九条に「見てないで食え」と注意されてしまった。

 そうだよね、見られながら食べるのって嫌だよね。
 
 祐羽は反省しながら視線を外し皿の方へと意識を戻した。
 そんな祐羽を九条が静かに見つめていた。
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