闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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抱っこされて

 夢かな?

 抱き抱えられていた様な…フワフワと心地よい…。

 そこで意識が覚醒した。
 瞼をゆっくり押し上げるが、やっぱり眠くて閉じてしまう。

 昨日は部活の後に九条が迎えに来て、それから一緒に夕飯を食べに行ったのだ。
 それから九条に訊きたい事を…。

って、何にも訊いてない!!

 祐羽は今度こそ完璧に目覚めてベッドから起き上がった。

「え、ここ家?!いつの間にか帰って来てる!!」

 しかも着ているのは、買って貰ったシャツにベルトは外されているがスラックスだ。
 壁にはジャケットも制服と一緒にハンガーへ掛けられていた。

 夢ではなく、やっぱり現実で間違いない。

 祐羽は時計を確認する。
 まだいつもより少しだけ早いが、母・香織はもう既に起きているだろう。
 取り敢えず昨夜の事を確認しようと、慌ててダイニングへ向かった。
 
「お母さん!!」

「ゆうくん、おはよう」

「おはようっ!ねぇっ訊くんだけど、」

 そこには既に父・亮介の姿は無い。

「ん?お父さんなら、ほら。忙しくなってるから早目に会社へ行くって、もう出たわよ」

 そんな事よりも、だ。

「そうなんだ。あのさ訊くんだけど昨日、」

「ゆうくんってば、九条さんにお礼ちゃーぁ~んと言いなさいよ?」

 九条さん!!?

「お母さん、九条さんと会ったの?!!」

 てっきり中瀬と堺辺りだと思っていたのが、まさかの九条と顔を合わせていた事実に驚きに祐羽は口を間抜けに開けてしまった。

「九条さんが眠ったゆうくんを抱っこして連れて来てくださったのよ~」

 まさかのセリフに一瞬声が出なかった。

「えっ、抱っこ!?」

 驚いて問い返すと、香織は呆れた顔と共に頷いた。
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