闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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並んで歩いて

 展示コーナーは暗いが、それぞれの水槽が魚に合わせて色を変えてある。
 
「綺麗ですね」

「そうだな…」

 九条は祐羽の隣にピッタリ寄り添って、横の小魚の泳ぐ水槽を見ている。
 両手をポケットに突っ込み直立不動だが、じっと見ているその様子から、やっぱり魚が好きなのかな?と誘って良かったと安堵する。
 再びふたり並んで歩きながら他の魚も見ていく。

 水族館久し振りに来たけど夜は初めてだし、なんか違う雰囲気で面白いなぁ。

「あっ、可愛い…」

 すると展示ホールが変わると同時に先程とはうって変わって、薄い橙の比較的明るい空間になっていた。
 どうやら亜熱帯がテーマの様だ。
 色とりどりの小さな熱帯魚が自由に泳ぎ回っている円柱の水槽が目の前に現れた。
 尾鰭がカラフルで、とても綺麗だ。
 祐羽が近づくと餌を貰えると勘違いでもしたのか、何匹か近寄ってきた。

「あっ、近寄ってきた!」

 嬉しくて指を差し出すと魚達がツンツンと水槽越しにつついてくる。

「ゴメンね。餌はないんだよ~」

 それから壁沿いに歩くと今度は少し大きな魚が現れた。
 とても面白い顔をしている。

「わぁっ、大きい…あっ、見てください九条さん!面白い顔してますよ!!」

 元々生き物好きで、魚を見ているうちに緊張も忘れていた祐羽は九条へと自然と声をかけた。

「…そうだな」

「でも泳ぎ方は可愛いですよね。ほらっ見てください!」

 返事を貰って嬉しくなり隣をチラッと見上げると、そこには相変わらずポケットに両手を突っ込んでいるものの視線は自分を見ている九条が居た。
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