闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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まるで中毒

 そうしてふたりで眺めている水槽にはたくさんの種類の魚が泳いでいる。
 その群れた魚に混じって、少し大きめの魚やサメも泳いでいて「九条さんっ、サメが居ますよ!!」とつい興奮してしまう。

「あ!あの魚、さっき向こうで見た魚じゃないですか?」

「あぁ、そうだな」

 祐羽が嬉しくて声をかけると、九条がフッと口元を緩めこちらへ視線を向けてくれる。
 魚を見てほしいと思いながらも、九条が自分を見て返事をしてくれる…という事がなんだか嬉しくて、ついつい口数も増えていた。

まるで中毒になった様に話し掛けては九条の顔を見てしまう。
 それだけ今の時間が楽しかった。

あっ!そういえば写真!!

 ここにきて漸く写真を撮ってバスケ部のメンバーに見せる約束をしていた事を思い出す。
 九条のお陰でハラハラドキドキしてすっかりと忘れていたので、慌ててスマホを取り出した。
 水槽に泳ぐ魚を数種類撮ったものの自分も一緒に撮らなくてはならない。
 インカメラに変えて写す自分を九条が黙って見てくるのが、なんとも言えない。

「す、すみません。え~っとチケット譲って貰った先輩や友達に写真撮ってくる様に言われたのと、楽しかったって伝えたくて…。ちょっと待って貰ってもいいですか?」

 そう断りを入れて写真を撮るが、自分の短い腕を使っての自撮りは思うようにいかない。
 魚を撮ろうとしても相手は動いているし、そちらへ合わせると今度は自分が切れてしまう。
 どうしたものかと四苦八苦していると、手にしていたスマホを大きな手に取り上げられた。
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