闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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苦手なもの怖いもの

 どんな関係かは知らないけど、私が彼とつき合ったらあのチビ絶対に今後一切近づけないから!
 そうしたらアイツどんな顔するかな…ふふっ。

 自分に絶対的な自信がある。
 だから今まで男子に対して常に優位に立っていたので、緊張する事もなかった。
 けれど、男の側に近づくにつれて心臓がおかしなほどに高鳴り顔が紅潮していく。
 ほどよい緊張と興奮。

 この人が自分の彼氏になったら…!!

 想像するだけで楽しい。

 笑瑠は「疲れたぁ…」と呟きながら、九条の座る隣に並べられているベンチへゆっくりと腰掛けた。



 
その頃の祐羽は、笑瑠が見当たらない事にホッとしていた。

 今日初めて顔を合わせたばかりの女の子から何故か敵意を向けられて困惑しかなく。
 言い返そうとしてもあの圧力と、学校で受けてきたトラウマは祐羽の勇気をへし折ってしまうのだ。
 
 それならば自分が傷つかず争わなくていい方法は、ひとつしかない。

 そして仕方なく身を隠していたが、ビクビク隠れながら相手の動きを気にしていたら結局お土産も満足に見られない。
 でも有り難い事に相手は直ぐに居なくなってくれて、安堵の表情と共に陰から出てきたのだ。

「良かった~。あの人、本当に怖かった…」

 祐羽は再度周囲を確認すると、今度こそ堂々とお菓子コーナーに戻った。
情けないが苦手なものは苦手だし、怖いものは怖いのだから仕方ない。

  そして気を取り直すと、さっそくお土産を物色しはじめた。

「ん…と、どれにしよう?数が多いから組員さん達にはこっちにしようかな」

 組員という単語に、隣で同じように物色していた家族連れの母親がギョッとして自分を見た事に祐羽は全く気づかない。

「数、足りるかな?ん~、あとで九条さんに聞いてみよ」

 そして呑気にクッキーの箱を手に取ると、今度は別のお菓子を求めて別の棚へと視線を向けた。
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