闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
336 / 1,010

いただきます

 正直こんな店で豪華な食事などしたことのない祐羽は、不躾なまでに一品一品をじっくり見ていった。
刺身に天婦羅、それ以外にも小鉢などがズラリと並び、お碗等も所狭しと並べられている。

「それでは何かありましたらお申し付け下さい。では、ごゆっくりと…失礼致します」

 そう言って従業員と女将が部屋を後にすると、室内には祐羽と九条、そして祐羽側の斜め後ろに中瀬が付き、九条側に眞山が付いた。
 さっき女将の退室の際にチラリと見えたが、何度か見た事のある九条の部下が二人ほど廊下に控えていた。

 そうか…九条さんヤクザの組長だし護衛みたいな人が必要なんだよね。
 でも日本は平和な方だし、大丈夫だよね。

 そんな心配が頭を過る頃、九条が「おいっ」と祐羽の物思いを遮断した。

「飯食うぞ」

「あっ、はい!」

 返事をして居ずまいを正した祐羽は、ふと気がついた。

 眞山さん達はご飯食べないのかな?
 九条さんは別にしても僕も一緒にひとり先に食べるのって、悪い気がするんだけど…。

 そう思ってチラッと眞山と中瀬を見ると(前向け)と中瀬から視線と口パクで注意を受けてしまう。

「二人の事は気にするな」

 すると、九条がそう言うと眞山も頷いた。

「私達は先程の休憩時間に晩御飯を頂きましたので。他の組員も同様、ご心配なく」

 眞山に優しく言われてホッと安堵する。

「あっ、そうなんですか」

「はい。ですから私達の事はお気になさらず」

 眞山がその精悍な顔に笑みを湛えて頷いた。

 もちろんそれは嘘で、眞山始め同行している組員達は簡単な軽食を口にした程度だ。
 しかし今、祐羽に伝える事ではない。

「じゃぁ、すみません…。いただきます」

 話が終わったと見て九条が料理に手を出したので、それを合図に祐羽も手を合わせ食前の挨拶をした。
感想 162

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。