闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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※ 重なり、そして…8

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 クチュクチュと舌の絡まる音が耳に入る。
九条のキスは祐羽が呼吸する事さえ許してくれない。

「ぁっ、…んっ、…っ、ふっ、…ぅ」

「祐羽…っ」

途中、キスの合間に九条が自分の名前を呼んでいたが、その事にも気づけない程に祐羽はいっぱいいっぱいで、飲み込めない二人の混ざりあった唾液を口の端から垂らしていた。
溺れるという思いが頭を掠めた頃、漸く祐羽はキスから解放され、ハァハァと酸素を求めて胸を喘がせた。

風呂に続いて、キスですっかり力が入らない祐羽が目を閉じて息を整えている間にも九条によってバスローブが脱がされていく。
胸元を開かれ肩から落とされると、邪魔だとばかりに軽く持ち上げられた背中から完全に取り払われベッドの下へと落とされた。

「あ…」

抵抗できない間にも全裸にされて、九条の前に未熟な肌を晒していた。

そして九条がこれから行う事を漸く祐羽は回り始めた脳で把握すると、恥ずかしくなり慌てて両手で下半身を隠そうと手を伸ばした。
けれど力の抜けた手は思うように動いてくれず、目的の場所へ辿り着く前にのし掛かってきた九条のせいで叶わなかった。

は、恥ずかしい…!

心臓がさっきとは比べ物にならない程にドキドキと鼓動を刻む。

こんな貧相な体を抱いて楽しいはずがない。
今までにも恋人がいただろう。
その恋人も九条に釣り合った綺麗でスタイルのいい女性だろうことは、想像に難くない。

けれど胸もない抱いても気持ちよくないだろうと思う男の自分を九条が求めてくれている。
それだけで祐羽は、恥ずかしくて今にも穴に入ってしまいたい気持ちより、九条に求められる嬉しさの方が勝っていた。

「祐羽…」

「あっ、…んっ」

首筋に吸い付かれ鎖骨の弱いところを刺激されれば、もうそこにしか意識が働かない。

ど、どうしよう…っ。

さっきよりも祐羽の中心が熱を持っていくのを感じた。
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