闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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九条と交わしたのは軽いキス。

それで十分だった。
思いがお互いに行き交うのを感じる。

祐羽は九条の綺麗な色をした瞳を見つめた。

九条が大好きで、抱き合えたことに喜びが溢れて今すぐギュッと抱きつきたいけれど、もうそんな体力は残っていない。

「祐羽……」

九条が汗で額に張り付いた祐羽の髪を優しく掻き分けて、それから軽いキスを落とす。

嬉しい…。

祐羽は幸せだなぁと目を閉じた。

頭に大きな手の平の感触がしたかと思うと、優しく撫でてくれる。

九条さんの手…大きくて、大好きなんだよね…気持ちいい。

祐羽は頭を撫でる優しい感覚に安堵して、ゆっくりゆっくりと意識を手放していく。

嬉しくて無意識に口元が緩んでしまう。

そのまま何も考えずに眠りに落ちた。



九条が小さく笑う気配がした…。




・・・・・



ゆっくりと意識が浮上して、瞼が震える。。

僕…。

瞼を半分閉じたままの、ぼんやりとする意識のなかで九条に抱かれたことを思い出した。

そうだ…。

「…九条さん」

目の前には想いを確かめ合った相手が、静かに寝息をたてている。
眠っていても美貌は損なわれていない。
作り物かと思う程の造りをしている。
だが九条は確かに存在していて、自分を愛しく思いながら抱いてくれたのだ。

初めて抱かれたあの日は絶望しか無かった。
翌日、目覚めると1人ベッドへ置き去りにされ…。

それが愛し合って、今日はこうして一緒のベッドで寝ている。

幸せな朝。

祐羽はもう少しこのままで居たいと思った。

モゾモゾと動くと九条の逞しい胸元へと丸まり寄り添う。
それだけでホッとする。

祐羽は心地の良い場所で瞼を閉じ、夢の世界の住人となった。



「…」

入れ替わる様にして、九条は目を開いた。

胸元で、すぅすぅと眠りについた愛しい恋人の顔を見つめる。

それから頭を優しく撫でて抱えると、九条も再び幸せな心地のよい眠りについた。






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