闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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その手には名刺が一枚。

新倉の馴染みの店の女ホステスの物だ。
店名と店の番号、それから名前の他にプライベートナンバーが記載されている。

余計なお世話な事に、こうして若くてよさそうな女がいると九条に紹介してくる。
そこが新倉と会う時の面倒な一面であった。

九条が結婚していないせいで、自分の娘や相手を見繕っては「結婚しろ」と口出ししてくる親分衆等よりは余程マシではあるが…。

断るのも新倉の親切を無下にすることになる。
それに仕事で忙しく、最近女を抱いていない。
丁度発散したいと思っていたところだった。

こうして都合が合えば九条は女を抱くようにしていた。
新倉の紹介してくる女は、美人しかいない。
こちらとの関係を理解しており無理を言わない。
体も申し分なく、肉体的にも大抵満足出来る相手が殆んどである。
そして、ほぼ外れる事はない。

九条はそこまで乗り気では無かったが、今夜は流れに身を任せることにした。



とあるマンションの一室。

女の家のベッドで九条は体から熱を放出すると、息を吐いた。
九条の下で散々喘がされた女は、余りの激しい快楽に息も絶え絶えに横たわっていた。
その表情は幸せな女の顔だった。

九条は一度吐き出すと、直ぐに体を起こした。
スーツは着たままだったので、ゴムを捨て下半身を拭うだけで身支度を済ませた。

「えっ、もう帰るの?イヤだ帰らないで!お願い…!」

慌ててすがり付いてくる女に、九条は目を細めた。

「今度はいつ会えるの?私…九条さんの事…好きになっちゃった…!ね?もう1度、」

そこまで言うと、九条が女の手を無視して踵を返した。

そして部屋を出て行こうとする。

「えっ、ちょ…、」

今までこんな仕打ちを受けたことの無い女は、驚きに目を見開いた。
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