闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
400 / 1,010

や、やっぱりバレてたんじゃ…。

俺がそう心配しながら少年くんを見ると…カッコいい…なんて思っているのだろう表情で、スマホの画像を指先で触れているではないか。
 完璧に心ここにあらず、だ。

つーか、イケメン。
お前、わざと撮らせたんだろ…なんてヤツだ。
あ~なんか見てる俺が恥ずかしい!

「…おい。写真はもういいのか?」

「ッ!!」

 カッコイイなぁ(ハート)エヘヘ…みたいに思ってるだろうそんな物思いに耽っている少年くんに男が声を掛けた。
 少年くんはドキッとした顔を見せると、隠すように慌ててスマホを仕舞い込んだ。

気づかれてないとか思ってるなら、それは無理だぞ。
もう全部、それも初めからバレてるからな少年。

「どうした?時間が無くなるぞ」

 男のその様子に、きっとバレてないと思ったのだろう。
ホッと胸を撫で下ろすと、少年くんは大慌てで男の元へと駆け寄って行った。

「すみませんでしたっ、お待たせして」

 肩を縮こませて謝る少年くん。
可愛いから許してやれよ、と俺は思ったが心配は無用だったようだ。
男は「待ってない。行くぞ」と返した。

でも何だかその不遜な態度から絶対に亭主関白で最低な男とみた。

あ~今は流行らないぞ、そういうの!

 それに素直に頷いた少年くんがしずしずと後に続くその姿は大和撫子を彷彿とさせる。

え?今、昭和初期?

とにもかくにも、なんとか隠れきれて良かった~。
なんかあのペア不思議な感じだったから、正直ふたりと同じ空間に存在するとか気まずいこと極まりない。
それにあの男、迫力あって怖かったんだよな~関わりたくない。

「!!」

なんて思った瞬間、ギロッと男がこちらに視線を向けてきたからギクッと肩が揺れた。

フッと鼻で笑ったと同時に男は俺の存在を無かった事にした様で、直ぐに少年くんをエスコートして向こう側へと消えて行った。

…何。
俺が隠れてたのも初めからバレてたってわけ?
息を殺して潜んでいた俺は一体。
そして、なんだこの敗北感は…。



その後。
無駄な時間と変な姿勢で俺の体は筋肉が悲鳴をあげていた。
オマケに暫くの間、あのイケメンのことで飼育員の話題は持ちきりになるのであった。

居なくなっても存在感がハンパないとか…。

俺もイケメンに生まれたかった。

「それにしても、あの二人…」

兄弟?親戚?友達?…うーん。
どれもしっくりこない。

こいび…いや男同士だし、やっぱり俺の考えすぎだよな。

「結局、どういう関係だったんだろ?」


そんな謎だけが残った。
感想 162

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。