闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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一般客も居る駅、それも首都の駅構内となると人の数も半端ない。
各路線が入り乱れ、地方やその他の場所から人が集まる中心駅なのだから朝早いとはいえ賑やかだ。

そんな中を長身の男前がふたりと、それを取り囲む様にスーツ姿の男達が大勢歩けば大いに目立った。
世間と祐羽を慮ってのことか、スーツ姿の男達があまり厳つくない普通のサラリーマン風なのがせめてもの救いだろうか。
とはいえ、目立たない訳がなかった。
おまけに九条はサングラス着用なので、余計に注目を浴び質が悪い。

九条さん何でサングラスしてるんだろう?

そして祐羽も頭にキャップを乗せられ、顔をなるべく下に向けておけという指示により移動していた。

そんな異質な集団に駅員も駆けつけたが、どうやら前以て連絡していたのと、九条とは何やら繋がりがあるのか逆に上役らしい男が他に指示を出して交通整理的にあたってくれる。
お陰でスムーズに新幹線へと乗り込めた。

新幹線の1番いい席に九条、祐羽、それから眞山と中瀬ともう他に2人で貸し切り状態。
他の組員は隣の車両とデッキに数名が待機している状態で新幹線は走り出した。

九条と隣同士に座り、車窓から景色を暫し楽しんだ祐羽はふと疑問を口にした。

「僕、てっきりいつもの車か飛行機で行くと思ってました」

祐羽が訊ねると九条ではなく眞山が通路を挟んだ隣の席から答えてくれた。

「今回は広島までの長距離ですから、車ではさすがに辛いでしょう?それに事故に見せかけて殺さ、、、体が大変ですし。飛行機だと検査があって銃、…何でもありません。月ヶ瀬くんが乗り物酔いする、飛行機は苦手と以前言っていたのを社長が心配されて新幹線にしたんですよ」

眞山が珍しく爽やかに微笑んだ。
その横で隣の中瀬がひきつった笑顔を見せ頷いている。

「そうだったんですか~。僕のせいで…ごめんなさい。でも、ありがとうございます!」

祐羽が九条の顔を見上げながら礼を述べる。
すると九条は優しく頭を撫でて、それから「飯食うか?」と提案してくれた。
ご飯に反応したらしいお腹がタイミングよくグーッと鳴ったので、恥ずかしく思いながら祐羽は首肯いた。

そして九条の指示に買っておいたお気に入りの店のパンやサンドイッチが用意されていく。
目を輝かせる祐羽はもうパンにしか意識は無い。

「殺される」「銃」というワードに全く気づかないそんな祐羽に(鈍くて助かった)と組員全員が思うのであった。
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