闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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九条にふさわしい人間に成長する誓いを立てた側からさっそく逸脱している事に気づかず、お菓子をポリポリ。
他の組員へも配る為、中瀬にたくさん入っている大袋を渡す。

そして九条と並んでお菓子を食べながら、ほっこりする祐羽。


そんな祐羽を乗せた新幹線は、無事定刻に広島駅へと着いたのだった。




「はぁっ、漸く着いた…」

新幹線を降りた祐羽は思わず伸びをした。
長時間殆ど同じ姿勢で居たのはさすがに足腰にきた。

「はぁ~…空気美味しい」

乗り物に弱い祐羽は、外の新鮮な空気と安定した足元に感謝をしながら深呼吸をした。

しかし次には帽子を深めに被って小さく目立たない様に気をつけた。
降り立った九条一行はやはりここでも注目の的だったからだ。

少数精鋭とはいえ、スーツ姿の男達がこんなにも集えば…それも玄人と一目で分かる雰囲気に周囲も一定以上離れてチラチラと見ている。
観光客も多い土地柄なせいか、外国人観光客も何だ何だと興味津々で見たりスマホのカメラを向けていた。
そのカメラから九条と祐羽を守るようにして、一行はホームを歩いて構内へと入る。

白が眩しい綺麗な駅構内で黒服メインの集団は異様と言えた。
そんな一行に駅員が複数やって来て、乗降客を纏めて誘導している。
トラブルは御免ということで、懸命に動き回っていた。

そんな中を速足で出口へと向かう。
しかしそれでも自分の歩幅に配慮して歩いてくれる九条を祐羽は嬉しく、改めて素敵な人だな…と思うのだった。



「今日は野球の試合があるんですね」

先程から駅構内ではユニフォーム姿の客が多い。
白い駅構内と九条一行の黒服と赤いユニフォームで賑やかだ。

「僕も観に行ってみたいなぁ…」

「今日は予定が詰まっているから無理だが、そのうち連れて行ってやる」

ボソッと小声で言ったにも関わらず聞こえていたらしい九条が前を見据えたままポツリと返す。
そんな九条に気持ちに感謝を述べた。
それから祐羽は赤いユニフォームを横目に、皆の迷惑にならないよう速足で歩いた。
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