606 / 1,010
13
「こちらでございます」
そうして案内された部屋はホテルの中でも最上級の物に違いなかった。
ドアの向こうには広々とした空間が広がっており、高価な調度品で整えられていた。
ソファだけでも前方と後方に違うタイプが備え付けてあり、その奥にもまたヨーロッパ調のダイニングセットが見えた。
この部屋だけでも十分広いというのに、奥にも別の部屋があることが分かり祐羽はキョロキョロを解禁していた。
これってスイートルームかな?
きっとそうだ。
広いし、なんか普通の部屋と違って凄いもんね。
祐羽が側に飾ってある置き物に目をやる。
九条の家の方が広いし、家具もそれなりに高いことは分かっていても、今では安心感から普通に触ったり使っている。
しかし外出先となれば話は別で、こうも見た目がキラキラした物だと壊したらどうしよう…という思いが先に来てしまう。
これは絶対に触らないでおこうと、祐羽は少し距離を取った。
「それでは社長。1時間後にまたお伺いさせて頂きます」
九条が使い方の案内を断り、部下に2時間後の出発を言い渡すと、頭を下げて皆は出ていった。
荷物は中瀬達が運び入れてくれ、荷解きしてくれたので正直やることは部屋探検しかない。
「九条さん!街がよく見えますよ」
さっそく大きく開放的な窓から外を眺める。
すると隣に九条が立ち一緒に外を見る。
正直、九条の家から見たきらびやかな夜景には敵わないが、ここから見る青い空と緑に普段見ることの無い景色はまた違った感動を与えてくれる。
それが恋人との初めての旅行となると、感慨深い物があった。
「おい」
「はい?」
街並みを眺めていると、九条に呼び掛けられて返事をする。
見上げると九条がこちらに視線を向けていた。
「疲れてるだろう。1時間したら飯食いに出る。それまで休め」
気遣う言葉に嬉しさから頬が緩んだ。
「ありがとうございます!」
へへっと笑いながら伝えると、九条に頭をワシワシと撫でられる。
これ、やっぱり好き。
頭を撫でられながら慈しむ様に見つめられるこの時が心底好きで、祐羽はもっとして欲しいという思いを込めて自分から頭を傾けた。
そうして案内された部屋はホテルの中でも最上級の物に違いなかった。
ドアの向こうには広々とした空間が広がっており、高価な調度品で整えられていた。
ソファだけでも前方と後方に違うタイプが備え付けてあり、その奥にもまたヨーロッパ調のダイニングセットが見えた。
この部屋だけでも十分広いというのに、奥にも別の部屋があることが分かり祐羽はキョロキョロを解禁していた。
これってスイートルームかな?
きっとそうだ。
広いし、なんか普通の部屋と違って凄いもんね。
祐羽が側に飾ってある置き物に目をやる。
九条の家の方が広いし、家具もそれなりに高いことは分かっていても、今では安心感から普通に触ったり使っている。
しかし外出先となれば話は別で、こうも見た目がキラキラした物だと壊したらどうしよう…という思いが先に来てしまう。
これは絶対に触らないでおこうと、祐羽は少し距離を取った。
「それでは社長。1時間後にまたお伺いさせて頂きます」
九条が使い方の案内を断り、部下に2時間後の出発を言い渡すと、頭を下げて皆は出ていった。
荷物は中瀬達が運び入れてくれ、荷解きしてくれたので正直やることは部屋探検しかない。
「九条さん!街がよく見えますよ」
さっそく大きく開放的な窓から外を眺める。
すると隣に九条が立ち一緒に外を見る。
正直、九条の家から見たきらびやかな夜景には敵わないが、ここから見る青い空と緑に普段見ることの無い景色はまた違った感動を与えてくれる。
それが恋人との初めての旅行となると、感慨深い物があった。
「おい」
「はい?」
街並みを眺めていると、九条に呼び掛けられて返事をする。
見上げると九条がこちらに視線を向けていた。
「疲れてるだろう。1時間したら飯食いに出る。それまで休め」
気遣う言葉に嬉しさから頬が緩んだ。
「ありがとうございます!」
へへっと笑いながら伝えると、九条に頭をワシワシと撫でられる。
これ、やっぱり好き。
頭を撫でられながら慈しむ様に見つめられるこの時が心底好きで、祐羽はもっとして欲しいという思いを込めて自分から頭を傾けた。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
Rは書こうか悩み中です。本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
人気俳優に拾われてペットにされた件
米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。
そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。
「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。
「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。
これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…