闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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まず手水舎で手と口を清める。
九条はさすがにしないかと思ったが、意外にもきちんと行ったので予想外で驚いた。
それと同時に、九条のそういうところが益々祐羽の中での好感をアップさせていく。

そして、漸くふたり並んで社殿の前に立つ。
朱色の建物の入り口が、まるで自分を手招いているかの様だ。

凄い…。

わぁ~…と感動に包まれる前に大勢の観光客の圧力に押されて、祐羽はさっそく入った。
回廊を進むが観光客の多さにゆっくり出来ない。

「凄い人ですね」

はぐれないように九条の横にピッタリとくっついて前進する。

「平安時代に平清盛が今の神社を造営したって本に書いてありました。千年も前にこんなに綺麗な建物を作ったって、びっくりです。本当に凄いですね…」

「そうだな」

周囲はたくさんの人の声で溢れ返り普通なら聞き取れないだろう声も九条の低くはっきりとした低音はすんなりと祐羽の耳へ届く。
九条を見ると僅かに視線を投げて、建物を見物している。

自分が行きたいと言って無理につきあって貰っていたら申し訳なさすぎだが、こうして九条も楽しんでいる(と思う)のを見るとホッとした。

祓いをしたり客神社には5柱の神様が祀られてるパワースポットと眞山から教わり、とにかく元気で皆が幸せでありますように…とお祈りしておいた。
祐羽の毎回している願い事だ。

それから他の観光客に押されながら前へと進む。
とはいえ、押し潰される心配はなかった。
体格の良い九条にガードして貰っており、その九条と自分を眞山や中瀬、いつの間にか側に来ていた組員が守ってくれていたのだ。

お陰で祐羽は潰されることなく、なんとか回廊を進めた。
そうして辿り着いたのが厳島神社本殿だった。
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