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・・・・・市内某所。
「おう、どうした!不機嫌面で」
「…」
からかい口調で言われた九条がムッと明らかに眉間の皺を深めた。
それを見て、これは相当な事があったに違いないと紫藤は思った。
他の人間は既に会場になる部屋で、早々に歓談を始めているようだが、九条は廊下に立っていた。
入れ替わりに最側近の眞山が向こうへと消えていく。
「お得意の鉄面皮が崩れとるぞ」
九条とのつき合いはそれこそ子どもの頃からだが、高校生の時にはかなり無表情が板についていた。
それがこんなに分かりやすいのだから、面白くて仕方ない。
とはいえ、他の人間にはなかなか気づかれない程度ではあるが。
「まぁ分かる。せっかくの夜にこうして集まりがあるんじゃけぇ、面倒よな」
探りを入れようとしたが、眞山が戻って来た直後に他の組長連中が集まりだしたので断念する。
今日はほんの内々の集まりで、特に気負う必要はない。
とはいえ、若輩者としてはある程度の気遣いは必要だが。
「おいっ、こんな所で何しとる?!早く部屋に入れ!」
向かい合っていた紫藤と九条の背中に野太い声が掛けられた。
振り向けば親戚にあたる、よく知る親分が来い来いとふたりを手招いた。
それに逆らう必要はなく、紫藤は足を向けた。
後ろから九条が黙って着いて来た。
「おー、お前たち元気にしとったか?!」
「はい、お久し振りです」
紫藤が頭を下げると、九条も続いて頭を下げた。
「期待の若いモンふたりがそんな隅にいてどうする!こっちへ来い!!」
「おうおう、久し振りだな!さっさと座れ!!」
一般人が見れば怖くて動けなくなりそうな親分衆の間をふたりは進み、コの字の上辺りへ座らされた。
本来なら下座だが、実力を認められているふたりは自信に満ち溢れ、その整った顔と恵まれた体格も相まって、威風堂々としていた。
そんな主人を誇らしく思いながら、ふたりの背後につく眞山と外崎だった。
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