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その頃、九条を乗せた車はホテルを出て会場となる系列の組へと着いていた。
和風の建物が見えてくると、その長く高い塀にはこれでもかという位に防犯カメラが取り付けられており、警戒の大きさを物語る。
広島では紫藤組に次いでの大きな組織の一大事なだけに、たくさんの車が吸い込まれる様にして入っていく。
黒スーツ姿の組員が道に立ち、その案内に従い門を潜るとスーツ姿の組員が左右に立ち頭を下げて九条達を迎える。
他にも新任式の警戒にあたる警視庁からの見知った顔と地元警察官の姿も多く見られ、九条は胸ポケットからサングラスを取り出し掛けた。
九条が旭狼会の会長という事実は警察トップには知られているが、その他の下っ端警察官は知らない為、わざわざ教えてやる義理はない。
いくらでも握り潰すことが出来るとはいえ、面倒なうえに顔が知られれば表家業に支障が出るのは当たり前だ。
正面に車が着くと外からすかさずドアが開けられ、九条は一瞬ネクタイを正すと長い足を地に着け降り立った。
それと同時に周囲が一斉に取り囲み、警察官や取材のカメラから九条の姿を上手く隠す。
入り口で迎えた組長や幹部も頭を深々下げると、随分と年下の九条を熱烈に歓迎した。
儀式が始まる迄、暫く時間に余裕のあった九条はスマホで愛しい恋人へとメッセージを入れようとしたのだが、そこへ紫藤が現れた。
「よう、元気か?」
「…会ったばかりだろうが、うるせぇな」
「おいおい、言葉遣い。まぁいい。ところで祐羽くんから連絡来たか?」
紫藤の口から祐羽の名前が出て、思わず眉間に皺を寄せた。
「あ?」
「さっき俺んところに律から連絡来て…ほれ、コレ」
そう言って紫藤が見せたのは平和記念公園の簡単な感想と今、お昼にお好み焼きを食べに来た報告と組員に撮って貰ったのかお好み焼きを食べている律、祐羽、中瀬のスリーショットだった。
律は遠慮がちに微笑み、中瀬はピース、祐羽はお好み焼きをちょうど口へ入れたところで視線を向けていた。
その顔は恥ずかしそうだ。
「なんか俺たちと違うよな~羨ましい気楽なもんだ。つーか、律も中瀬も学生で十分通るな」
ワハハッと笑う紫藤を無視して自分のスマホを確認する。
これで何も無かったら…という心配は無用だった様だ。
「お前のと俺のヤツ、違うな。おいっ。画像交換しようぜ」
祐羽からもキチンとメッセージと共に写真が届いていた。
「チッ」
舌打ちしつつ紫藤と交換に応じる。
そんな九条の何処かご機嫌な様子に、眞山はホッとして見守るのだった。
和風の建物が見えてくると、その長く高い塀にはこれでもかという位に防犯カメラが取り付けられており、警戒の大きさを物語る。
広島では紫藤組に次いでの大きな組織の一大事なだけに、たくさんの車が吸い込まれる様にして入っていく。
黒スーツ姿の組員が道に立ち、その案内に従い門を潜るとスーツ姿の組員が左右に立ち頭を下げて九条達を迎える。
他にも新任式の警戒にあたる警視庁からの見知った顔と地元警察官の姿も多く見られ、九条は胸ポケットからサングラスを取り出し掛けた。
九条が旭狼会の会長という事実は警察トップには知られているが、その他の下っ端警察官は知らない為、わざわざ教えてやる義理はない。
いくらでも握り潰すことが出来るとはいえ、面倒なうえに顔が知られれば表家業に支障が出るのは当たり前だ。
正面に車が着くと外からすかさずドアが開けられ、九条は一瞬ネクタイを正すと長い足を地に着け降り立った。
それと同時に周囲が一斉に取り囲み、警察官や取材のカメラから九条の姿を上手く隠す。
入り口で迎えた組長や幹部も頭を深々下げると、随分と年下の九条を熱烈に歓迎した。
儀式が始まる迄、暫く時間に余裕のあった九条はスマホで愛しい恋人へとメッセージを入れようとしたのだが、そこへ紫藤が現れた。
「よう、元気か?」
「…会ったばかりだろうが、うるせぇな」
「おいおい、言葉遣い。まぁいい。ところで祐羽くんから連絡来たか?」
紫藤の口から祐羽の名前が出て、思わず眉間に皺を寄せた。
「あ?」
「さっき俺んところに律から連絡来て…ほれ、コレ」
そう言って紫藤が見せたのは平和記念公園の簡単な感想と今、お昼にお好み焼きを食べに来た報告と組員に撮って貰ったのかお好み焼きを食べている律、祐羽、中瀬のスリーショットだった。
律は遠慮がちに微笑み、中瀬はピース、祐羽はお好み焼きをちょうど口へ入れたところで視線を向けていた。
その顔は恥ずかしそうだ。
「なんか俺たちと違うよな~羨ましい気楽なもんだ。つーか、律も中瀬も学生で十分通るな」
ワハハッと笑う紫藤を無視して自分のスマホを確認する。
これで何も無かったら…という心配は無用だった様だ。
「お前のと俺のヤツ、違うな。おいっ。画像交換しようぜ」
祐羽からもキチンとメッセージと共に写真が届いていた。
「チッ」
舌打ちしつつ紫藤と交換に応じる。
そんな九条の何処かご機嫌な様子に、眞山はホッとして見守るのだった。
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