闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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    「じゃぁ、席を確保しておきます」と組員がふたり用意されたテーブル席へと向かう。
    どこも埋まっていたが、見つけた一席にドッカリ座ると強面の顔と雰囲気でテーブル席が早々に空いた。
    取り敢えず祐羽と外崎、そして中瀬が座れれば問題ないので席を確保出来た。
    組員の様子を見ていた柳は、今度こそ祐羽の護衛に集中することにした。

    大勢の客の間を縫って、祐羽はお目当ての有名プリンの列に加わっていた。
「テレビで見て食べてみたいなって思ってたんです」
「私もです。でも地方なのでなかなか…東京なら近くていいんじゃないですか?」
「僕はあんまり積極的じゃないのでお店とか買いに行かないんです。だから今日は良かったです」
    祐羽が笑うと外崎もにっこり笑った。

    外崎さん、優しくて話やすくて好きだな。
    お兄ちゃん…というか美人だし、お姉ちゃんが出来たみたい。
    中瀬さんはお兄ちゃん!て感じ。

    ムフフと含み笑いをしながらふたりをチラッと交互に見れば「何だぁ?」と中瀬に言われる。
    それには「何でもないです」と応えていれば、あっという間に順番が回って来てプリンを手に入れることが出来た。
    席に戻って写メを撮って九条達に送ってはモグモグ食べて次のデザートへ向かうの繰り返し。
    バラバラになれば早いのだが、一緒に並んで話をしながら待つのが楽しい祐羽と外崎に護衛の中瀬がくっつく。
    すると自然と全員が集まる形になっていた。
    五つ目のデザートを食べ終わった頃、外崎はスマホを確認しながら少し寂しそうに言った。
「既読つきませんね。…やっぱり隆成さん忙しくされてるんだな」
    みんなで食べたスイーツ写メをその都度送ったが反応無し。
「仕方ないですよね、お仕事ですもん」
    それぞれがある人を思い浮かべながら溜め息をそっと吐いた。
    自分が楽しいことは共有したいものだから。

     九条さん、今どうしてるのかなぁ…。

    祐羽は二度目の溜め息を圧し殺して、ジュースをチューッと飲んだ。

    それから美味しいスイーツに満足した祐羽達は、腹ごなしを兼ねて比較的近いこともあり歩いてホテルに向かうことにした。
    夏の空はまだ明るいとはいえ遠くの方から少しずつ夜の帳が落ちて来ていた。
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