闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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  自分との縁を切れば危険が及ぶことは無いだろう。
   九条はひとつの答えに辿り着くと大きく溜め息を吐き、組んだ手の甲に額を押しつけ目を閉じ俯く。
「………」
  それから暫くし髪をかき上げながら顔を上げた。

  祐羽の為には…。

  九条は何かを吹っ切る様に静かに前を見たのだった。



  翌、早朝。
  悩む事は無くなった九条の表情は眠れなかったとは思えない程いつも通りで、眞山がそんな自分を安心した顔で見たのが分かった。
  昨日は取り乱してしまったが、今日はもう大丈夫だ。
  さっそくホテルの一室で情報収集された物を分析する。
  昨夜動きがあったのは、中村一家の幹部・木村の側近を務める舎弟頭の前田で、組長が一堂に会した酒席に同行していたにも関わらず途中抜けて戻って来なかったらしい。
  拉致された事実を知って作戦決行に時間が掛かり後手に回っていたが、それを会場に居た懇意の別の所の組員から聞き出せたのが大きかった。
「情報を受けた後、中村一家の滞在先のホテルに張っている組員からによると、真夜中過ぎに前田がタクシーで戻って来たらしいです」
  眞山の話に耳を傾けながら九条が黙って頷く。
  こんな一大事にタクシーを使って情報漏洩は有り得ないので、レンタカーを途中使い拉致監禁場所へ向かったに違いない。
  各方面に人配しておいたが、組関係者の車を見ていないのはその為だろう。
   夜で視界も悪く、フロントガラス越しに運転手の顔も確認出来なかったことが場所特定に繋がらなかった原因だ。
  とにかく、組長や幹部に着いて行っておきながら夜中まで姿を眩ますのは、まず無いことだ。
  それは上からの指示があった行動だと考えて間違いない。
「これでコイツが黒なのは確かだな」
「はい。他の動きも引き続き探っています」
  九条の言葉に眞山が大きく頷き同意した。
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