闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
814 / 1,008

7

しおりを挟む
「俺は仕事だが、お前はこっちでコイツと遊べばいいと思って連れて来てやっただけだ」
「え…でも、お手伝いが、」
「いらん。今回お前の領分はねぇよ。必要があれば呼ぶ」
  そこまで言われて外崎は息を詰めた。
  唇を噛み締め、それから紫藤に「ありがとうございます」と涙で礼を言い頭を下げた。
「感謝しろよ?」
  その言葉にコクコクと頷く。
「やっぱり泣き虫じゃなぁ、お前は…」
「だって…」
  外崎は再び紫藤の胸元に顔を埋めると、泣きながらも笑顔で笑った。


  そんな訳で今、祐羽は外崎と中瀬と一緒に九条の家のリビングで顔を合わせていた。
「いや、本当にビックリしました」
  中瀬が外崎との再会の時を振り返った。
  急遽呼ばれ、慌ててマンションまで来てみれば眞山どころか、身内以外の組員も半数近く揃っており、本当に驚いたのだ。
  訳も分からずだったが、祐羽の護衛兼お遊び係で呼ばれたのだろうと部屋に入ってみれば、まさかの外崎が居たのだから。
「ゴメンね」
「そんな謝らなくてもいいですよ。だって俺、嬉しいですもん!こうやって、また直ぐに会えて」
「三人で会えて本当に良かったですね」
  祐羽の言葉にみんなで視線を合わせてふふふと笑いあった。
  ここには、祐羽、中瀬、外崎以外は誰も居ない。
  玄関の外、エレベーターホール、駐車場には組員が待機していて、安全策は文句なく。
  対策をして安心した九条と紫藤は、裏の仕事へと出掛けて行った。
  てっきり九条は休みだと思っていたが、どうやら紫藤と合流してからやることがあったらしい。
  少し大がかりなのか、夜遅くなる可能性を伝えられ、護衛の組員を置くと振り返る事なく足早に出掛けて行った。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界迷宮のスナイパー《転生弓士》アルファ版

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:584

天国か地獄

BL / 連載中 24h.ポイント:347pt お気に入り:359

気付くのが遅すぎた

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:951pt お気に入り:5,496

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,583pt お気に入り:91

異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:6,540pt お気に入り:218

鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,052pt お気に入り:160

処理中です...