闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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  けれど、まさかの列が形成されていた。
(わあっ!人が並んでる)
  前回は平日の隙間時間だったのでスムーズだったが、今日は休日の朝。
  時間に余裕がある人が多く、列が出来るのも仕方がない。
  祐羽は慌てて列の後ろに並んだ。
(とりあえずお店についたけど、時間何時だろう?)
  スマホを忘れたせいで時間の確認が出来ず、九条が起きて来る時間ではないかと心配になる。
  できたら「おはよう」の挨拶で迎えて、手作りの朝ごはんを食べて貰いたい。
  もう時間が経ってしまい出来立てとはいかないが、温めればいいし、この美味しいパンを出してあげられれば問題ない。
  時間は気にはなったが、気にしても直ぐに帰れるわけではないのだからと諦めた。
  それにもう店には着いているのだから、あとは買って帰るだけ。
(九条さん、美味しいパンをゲットしますから、待っててください!)
  祐羽はそう心で言いながら、鞄の紐をぎゅっと握った。
  列が進む度にソワソワする祐羽の耳に「ありがとうございました!」という店員の声が聞こえる。
  その後、パンの入った袋を持って客が出てきては、祐羽の横を通りすぎて行った。
  焼きたてパンのにおいが漂い、祐羽はクンクンと鼻を鳴らした。
「はぁっ」と、パンのにおいに顔を幸せな気持ちで綻ばせる。
(あと少しだ)と、以前食べたあのパンを思い浮かべつつ、食パンを購入して帰って行く人達を見送り順番を待った。
(お腹空いてきたなぁ…でも、あと三人!)
  そうして祐羽が店舗入り口に着いた時だった。
   店員のひとりが出てきて、列へ向かって衝撃の事実を知らせてきた。
「雲のようなパン、本日分は売り切れました!ご購入希望されていたお客様、申し訳ございません!」
  その瞬間、周囲から盛大な溜め息が漏れた。
  祐羽も思わず「え…」と、その場でガッカリと肩を落とした。
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