9 / 12
番外編
とおる、養子になる(R18)
しおりを挟む
弁護士だと紹介されたその人は、眼鏡をかけた五十代くらいの神経質そうな男性だった。
会社の専属だそうだ。
書類を広げ、サインをすべき箇所を示していく。
私はできるだけ丁寧に名前を書いた。
「翁……。
彼女は何者なんですか。
本当にこれで構わないのですか」
「なんかあったらお前が動くだろ」
「遺産に関しては遺言状作成してくださいね。
家にはおかず私が管理しますからね」
弁護士は渋面になった。
そういう話、本人の目の前でしていいのかなぁ。
せめて影でこそこそしてほしい。
「とおる」
「はい」
「お父さんて呼びなさい」
「えっ」
「お父さんだよ」
まさかそんな恥ずかしいことまでセットになっているとは思わなかった。
父と呼べる立場の人を失って長い。
糸目から圧を感じ、気圧されながらもなんとか口を開く。
「お、おとおと」
糸目がそっと開かれた。
そこからビームとか出ませんよね。
「お父さんっ」
そして私は津田山とおるになった。
いえ、職場では名前変えませんけどね。
説明するのすごく大変そう。
もう働く必要はないのだからと退職届まで書かされそうな勢いだったが、それは固辞した。
借用書は本当に破ってしまった。
だからといって、万が一、津田山と、もとい、お父さんと他人になったときに、仕事がないと大変なことになる。
自立は尊い。
親子なんだからお風呂一緒に入ろうと津田山がふざけた。
成人した子供にそれを云うのはおかしいと異を唱えると、わかりやすくしょぼんとされた。
Tシャツと短パンで背中を流す、という妥協案で落ち着き、今は風呂を沸かしている。
徳嶋が以前話していたことを思い出したこともある。
タイルで作った風呂をこの屋敷で初めて見た。
徳嶋が手入れしているのか、年季を感じさせない。
手触りがよくて、ずっと撫でていたくなる。
浴槽に湯を溜めていると、津田山が入ってきた。
裸である。
「気が早いですね、お父さん」
「いい響きだ……。
もっかい呼んで」
まだ浴室は温まっていない。
津田山の肩にタオルをかけ、湯温を確認する。
こういう邸宅だと桧のお風呂だと思っていたのだが、好みでタイルにしたらしい。
「なあ、鷲尾ともうやったのか」
「何をですかしてませんよ」
下世話な話に陥りがちなのは鷲尾の影響なのだろうか。
元からの資質なのか。
豪邸の主なのだから、王様のように構えてほしい。
腰くらいまでお湯が入ったので、私は立ち上がる。
一度体を温めた方がいいと思ったのだ。
「お父さん、浴槽に入れますよ」
「おう」
津田山は立ち上がった。
少しふらついたのでその体躯を支える。
そういえば、津田山の健康状態を知らない。
高齢者にはまだ遠いはずだが、持病がないとは限らない。
「持病は特にない、といいたいとこだが痛風気味でね。
美食は鬼門だ」
「そうでしたか」
私は津田山の寛いでいる浴槽に片足を入れた。
津田山はその脚に凭れる。
そうそう沈むような体格でもないが、職業病というやつだ。
足を踏ん張っていた方がいざというときに助けやすい。
あ、年寄り扱いすぎかな。
津田山は私の太腿にすりすりと頬擦りした。
髭の剃り痕がちくちく痛い。
そんな触れ合いに、本当に父娘であるような錯覚をする。
「はあ、すべすべ。
気持ちいい」
「父親の威厳がべろべろ剥がれていますが」
「そんな役に立たないもんは馬にでも喰わせておけ」
津田山は頬擦りしている太腿に手を伸ばす。
短パンの裾の奥に入ろうとしている。
「お父さん」
「まあまあ、ちょっとだけちょっとだけ」
晩酌をしながら、津田山と鷲尾が尻派か胸派か熱く議論をしていたことがあった。
津田山は尻派だそうだ。
側で話を聞いていてもさっぱり理解できなかった。
家族だし、減るもんでもないか、と津田山の好きにさせていた。
「丸い尻になって本当によかった。
一時はどうなることかと」
言葉通り丸い形を確かめるように津田山の手は動く。
確かに一時は鶏ガラだったわけだし、否定できない。
「お父さんに肉付きの心配までされる娘はそうそういないでしょうね」
家畜を育てている牧場主のような津田山の発言に、ため息も出ない。
津田山の手が脚の間に移った。
「えっ」
「そうか、鷲尾はまだ味わっていないのか」
津田山は浴槽の中で向きを変えた。
掌で脚の間をゆっくり擦る。
私は脚を閉じようとするが、挟み込む形になってしまった。
布越しの刺激でも充分強烈だ。
私は女体を知り尽くしている男の指に翻弄されていた。
「お、お父さん」
お父さん、なんだよね?
「とおる、ずいぶん可愛くなったな」
津田山は耳に吐息と言葉を流し込む。
短パンと下着をずらされ、中に手が侵入する。
すうっとなぞるように幾度も撫でられ、電気が走ったようにびくりと身体が跳ねた。
壁に凭れるようにして、私の身体は津田山の指を受け入れた。
「こっ、子供相手に、っ勃たな……って……」
「だから三ヶ月かけて女の身体にしたんだろ」
片手で胸を、片手で下の口をそれぞれ愛でられ、久しぶりの快楽に溺れそうになる。
津田山は器用に私の衣服を少しずつずらし、肌を露出させる。
裸にはしない。
直接触れられると声が出てしまう
津田山は私の唇をゆっくり味わった。
「さすがにここではせんよ。
私も自分が心配だ」
私は幾度か軽く絶頂し、ぼうっとしていた。
浴室の湿度に責任を押し付けたい。
津田山は楽しそうに嗤った。
会社の専属だそうだ。
書類を広げ、サインをすべき箇所を示していく。
私はできるだけ丁寧に名前を書いた。
「翁……。
彼女は何者なんですか。
本当にこれで構わないのですか」
「なんかあったらお前が動くだろ」
「遺産に関しては遺言状作成してくださいね。
家にはおかず私が管理しますからね」
弁護士は渋面になった。
そういう話、本人の目の前でしていいのかなぁ。
せめて影でこそこそしてほしい。
「とおる」
「はい」
「お父さんて呼びなさい」
「えっ」
「お父さんだよ」
まさかそんな恥ずかしいことまでセットになっているとは思わなかった。
父と呼べる立場の人を失って長い。
糸目から圧を感じ、気圧されながらもなんとか口を開く。
「お、おとおと」
糸目がそっと開かれた。
そこからビームとか出ませんよね。
「お父さんっ」
そして私は津田山とおるになった。
いえ、職場では名前変えませんけどね。
説明するのすごく大変そう。
もう働く必要はないのだからと退職届まで書かされそうな勢いだったが、それは固辞した。
借用書は本当に破ってしまった。
だからといって、万が一、津田山と、もとい、お父さんと他人になったときに、仕事がないと大変なことになる。
自立は尊い。
親子なんだからお風呂一緒に入ろうと津田山がふざけた。
成人した子供にそれを云うのはおかしいと異を唱えると、わかりやすくしょぼんとされた。
Tシャツと短パンで背中を流す、という妥協案で落ち着き、今は風呂を沸かしている。
徳嶋が以前話していたことを思い出したこともある。
タイルで作った風呂をこの屋敷で初めて見た。
徳嶋が手入れしているのか、年季を感じさせない。
手触りがよくて、ずっと撫でていたくなる。
浴槽に湯を溜めていると、津田山が入ってきた。
裸である。
「気が早いですね、お父さん」
「いい響きだ……。
もっかい呼んで」
まだ浴室は温まっていない。
津田山の肩にタオルをかけ、湯温を確認する。
こういう邸宅だと桧のお風呂だと思っていたのだが、好みでタイルにしたらしい。
「なあ、鷲尾ともうやったのか」
「何をですかしてませんよ」
下世話な話に陥りがちなのは鷲尾の影響なのだろうか。
元からの資質なのか。
豪邸の主なのだから、王様のように構えてほしい。
腰くらいまでお湯が入ったので、私は立ち上がる。
一度体を温めた方がいいと思ったのだ。
「お父さん、浴槽に入れますよ」
「おう」
津田山は立ち上がった。
少しふらついたのでその体躯を支える。
そういえば、津田山の健康状態を知らない。
高齢者にはまだ遠いはずだが、持病がないとは限らない。
「持病は特にない、といいたいとこだが痛風気味でね。
美食は鬼門だ」
「そうでしたか」
私は津田山の寛いでいる浴槽に片足を入れた。
津田山はその脚に凭れる。
そうそう沈むような体格でもないが、職業病というやつだ。
足を踏ん張っていた方がいざというときに助けやすい。
あ、年寄り扱いすぎかな。
津田山は私の太腿にすりすりと頬擦りした。
髭の剃り痕がちくちく痛い。
そんな触れ合いに、本当に父娘であるような錯覚をする。
「はあ、すべすべ。
気持ちいい」
「父親の威厳がべろべろ剥がれていますが」
「そんな役に立たないもんは馬にでも喰わせておけ」
津田山は頬擦りしている太腿に手を伸ばす。
短パンの裾の奥に入ろうとしている。
「お父さん」
「まあまあ、ちょっとだけちょっとだけ」
晩酌をしながら、津田山と鷲尾が尻派か胸派か熱く議論をしていたことがあった。
津田山は尻派だそうだ。
側で話を聞いていてもさっぱり理解できなかった。
家族だし、減るもんでもないか、と津田山の好きにさせていた。
「丸い尻になって本当によかった。
一時はどうなることかと」
言葉通り丸い形を確かめるように津田山の手は動く。
確かに一時は鶏ガラだったわけだし、否定できない。
「お父さんに肉付きの心配までされる娘はそうそういないでしょうね」
家畜を育てている牧場主のような津田山の発言に、ため息も出ない。
津田山の手が脚の間に移った。
「えっ」
「そうか、鷲尾はまだ味わっていないのか」
津田山は浴槽の中で向きを変えた。
掌で脚の間をゆっくり擦る。
私は脚を閉じようとするが、挟み込む形になってしまった。
布越しの刺激でも充分強烈だ。
私は女体を知り尽くしている男の指に翻弄されていた。
「お、お父さん」
お父さん、なんだよね?
「とおる、ずいぶん可愛くなったな」
津田山は耳に吐息と言葉を流し込む。
短パンと下着をずらされ、中に手が侵入する。
すうっとなぞるように幾度も撫でられ、電気が走ったようにびくりと身体が跳ねた。
壁に凭れるようにして、私の身体は津田山の指を受け入れた。
「こっ、子供相手に、っ勃たな……って……」
「だから三ヶ月かけて女の身体にしたんだろ」
片手で胸を、片手で下の口をそれぞれ愛でられ、久しぶりの快楽に溺れそうになる。
津田山は器用に私の衣服を少しずつずらし、肌を露出させる。
裸にはしない。
直接触れられると声が出てしまう
津田山は私の唇をゆっくり味わった。
「さすがにここではせんよ。
私も自分が心配だ」
私は幾度か軽く絶頂し、ぼうっとしていた。
浴室の湿度に責任を押し付けたい。
津田山は楽しそうに嗤った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
最強魔術師の歪んだ初恋
黒瀬るい
恋愛
伯爵家の養子であるアリスは親戚のおじさまが大好きだ。
けれどアリスに妹が産まれ、アリスは虐げれるようになる。そのまま成長したアリスは、男爵家のおじさんの元に嫁ぐことになるが、初夜で破瓜の血が流れず……?
淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★
不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
翼 うみ
恋愛
父の会社を立て直す交換条件のため、ほぼ家族に身売りされた形で関東最大級の極道・桜花組の次期組長に嫁入りしたジェシカ。しかし母を亡くして以降、義母と義妹に虐げられていたジェシカは実家を出られるなら、と前向きだった。夫となる和仁には「君を愛することはない」と冷たく突き放される。それでもジェシカは傷つくことはなく、自分にできることを探して楽しんでいた。
和仁には辛い過去がありそれ故に誰のことも愛さないと決めていたが、純真で健気なジェシカに段々と惹かれてゆき――。
政略結婚から始まる溺愛シンデレラストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる