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うんちMAN 異世界転移する!!
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「な・・・なんじゃこりゃ~~!!」
「な・・・なんで・・・うんちの姿をしているんだ~~!!」
近くの水たまりにうつる俺の姿をみた。その姿はうんちそのものだった。手と足がうんちから生えていた。しかも、サングラスをかけている。
「い・・・一体何が起こっているんだ!! それにこの薄暗い森はどこなんだ!! ついさっきまで、俺は都会にいたんだぞ!!」
そう、俺はつい先ほどまで気を失っていた。気を失う前は都会を歩いていた。なぜ都会を歩いていた俺が知らない森にいるんだ。しかも、うんちの姿で・・・
俺は何がどうなっているのか訳が分からなくノイローゼになりそうだった。だが、じっとしててもいけないと思い、この森をまずは脱出するため、探索を始めた。
しかし、歩き回っても出口などは見つからなかった。
「Gattem!! 出口が全然見つからねえ!! 一体どうすりゃいいんだ~~!!」
俺は慌てていた。このまま迷子になり、やがて空腹で死に至るのではないかと・・・
少しの間、頭に手を抱えて自分の周りをまわっていた。気が動転していて正常ではなかった。
だが、しばらく回っていると、落ち着いてきた。冷静になった俺は、気を失う前のことを思い出そうとしていた。
気を失う前俺は、都会を歩いていた。いつも通り出勤のため速足で会社に向かっていた。何気ないいつも通りの街並で、そこを大勢の人が行き来していた。
俺は仕事の内容で、どうしても解決しないといけない問題のことについて夢中で考えながら速足で歩いていた。
その時だった。歩道に車が突っ込んできたのだ!!
俺は夢中で考え事をしていたから目の前が見えていなかった。そこにちょうど車が突っ込んできたため、俺は回避行動がとれず車に直撃して、引かれた・・・その後は記憶がない・・・
もしかして・・・俺は車にひかれて死んでしまったのか・・・だが、それならなぜ俺は今生きて森を歩いているんだ!? それになんで俺はうんちの姿をしている!? 訳が分からない!!
でも・・・そういえば、こういうのをアニメとかでよく見たことがある。死んだあとに転移して顔や体が全く違う姿に変わるのを・・・
俺は異世界に転移したのか!? でも、それならなんでうんちなんだ。どうせならイケメン貴族に転移したかったぞ。なんで、よりによって・・・うんちなんだ・・・
「Holy Sit!!」
俺は自分の現状に思わずつぶやいた。
その時だった。突然女性の悲鳴が聞こえてきた。
「キャー!!」
「うんっ・・・今、女性の悲鳴が聞こえたような・・・」
一度しかきいていなかったので、女性の悲鳴は空耳かなと思った。
「キャー!! ど・・・どなたか、助けて~~!!」
間違いない女性の悲鳴だった。
「こ・・・こっちの方角から女性の悲鳴が聞こえてきた。こっちにとりあえず向かおう!!」
俺は悲鳴のあったほうに向かった。少し向かっていると、悲鳴をあげていた女性の元にたどり着いた。
だが、俺は女性の元にたどりついて後悔した・・・
なんと、女性は大きな猪に襲われそうになっていた。とても大きく人の高さの二人分あるほどの高さだった。
「Gattem!! 来るんじゃなかった!!」
その時、俺の声にきずいた女性が自分の方を見てきた。その女性は上品な見出しなみをしていた。西洋、中世貴族の令嬢のような恰好をしていたのだ。
「助けにきてくれ・・・あ・・・あなたは・・・魔物!! しかもなんでしゃべれるの!?」
女性は助けに来てくれたと思った俺の姿がうんちだったため、うんちの魔物が現れたと思ったようだ。
「それは俺がまものじゃあないからだ!! 俺は人間さ!!」
「人間なわけないでしょう!! 人間だったらなんでうんちの姿をしているのよ!!」
「そ・・・それは・・・なんとも・・・」
その時だった。大きな猪が俺達に突っ込んできた。俺を見ていた令嬢はそのことに気づいていなかった。
「答えられないならやはり怪しいわ。あなたはやっぱり・・・」
「う・・・後ろ!!」
「えっ・・・後ろが何ですって!!」
令嬢は後ろに振り向いた。すると、猪が俺達の方に突っ込んできていた。
「キャー!! もう駄目だわ~~!!」
令嬢はしりもちをついた。もうだめかと令嬢は思っていた。そこに猪が突っ込んできた。令嬢は目をつぶり覚悟した。
だが、次の瞬間、驚くべきことが起こった。
なんと、猪が突っ込んでくる直線上から令嬢は離れたのだ。何故離れたのか、令嬢は目を開けた瞬間にその理由に気づいた。
魔物だと思ったうんち型の何かが令嬢を突き飛ばしていたのだ。
「なにあきらめているんだ・・・諦めたら終わりだ~~!!」
うんちになった俺はかっこよいセリフを言いながら、令嬢を安全圏に突き飛ばした。
ふっ!! 決まったぜ!!
かっこよく決めポーズをしていたが、そこに猪が突っ込んできた。俺は猪に吹き飛ばされた。
「Holy Sit!! せっかく決めポーズをしたに~~!!」
俺は吹き飛ばされ、そのまま木にぶつかった。
「ぐへ~~~~~~~~!!」
俺は、気にぶつかりサングラスから目が飛び出るほどの衝撃を受けながら驚いた。痛みも尋常じゃねえ。 Holy Sit!!
「目の前気をつけて~~!!」
令嬢が叫んでいたので、前の方を見た。猪がこっちにつっこんできてやがる!! Holy Sit!! まだ、あいつ俺に向かって突っ込んできてやがる。
こうなったら・・・俺はぶつかった木の枝をとり、とがっている方を猪に向けた。
「そうだ~~!! そのまま突っ込め。そうすればてめえはこの木の枝に突き刺さるぜ~~!!」
「でも、そんなことしたらあなたまで猪にぶつかるわよ!!」
あ・・・そうだった・・・そう思った時にはすでに遅く、猪が俺に突っ込んだのであった。
猪は枝もろとも俺に突っ込んだ。枝は猪の眼に刺さり、流血した。俺は猪に突っ込まれ気にぶつかりはさみこまれた。
「ぐぎゃあああああ~~~!!」
俺はあまりの痛みに目を飛び出し、痛烈なさけびごえをあげた。
「きゃああああああ~~!!」
なぜか令嬢も悲鳴をあげていた。
「ぶほおおおおお~~~!!」
猪も眼に枝が刺さり、痛みのため叫んでいた。二人と一匹の叫び声がこだましていた。
猪の方は突き刺さった目にさらに俺のうんちの一部が入りこんでしみたのか、叫びごえをあげながらその場を去っていった。
猪が去ったことで挟み込まれていた俺は解放された。ただ、俺の身体は変形し、ひん曲がっていた。
俺はここで死ぬのかと思っていた。その時令嬢が近くにきてこんなことを言ってきた。
「ごめんなさい。私を守るためにかばってくれて・・・うんちで汚い魔物だけど感謝するわ!!」
ひどい言い草だ。かばったやつに向かって、汚い魔物何て・・・まあ、うんちの姿しているから否定できないんだけど・・・
令嬢は顔を伏せていた。俺はここで死ぬのかと思った。俺は目をつぶった。
「女性を助けれて、ヒーローになれたぜ、我ながらかっこいい最後だったぜ・・・」
俺は息を引き取ると令嬢も思っていた。ところが、ある程度時間が経っても、俺は意識を失うことはなかった。それどころか痛みが引いていた。
「あれ死なない!! どうなってんだ!!」
俺は目を開けて、念のために状態を起こしてみた。すると、全く痛みがなかった。俺はとぼけた顔で令嬢の方を見た。
「どうやら俺の身体は丈夫なようだ!! 死ななかったわ。ァハハハハハ!!」
しかし、その姿を見た令嬢は何やらぶつぶつ言いながら身体を震わせていた。
「あ・・・あの・・・どうして、そんなに震えているんですか・・・」
「それはね、あんたが死んだふりしてピンピンしているからよ!! よくもだましたわね!!」
怒りながら発言してきた。さらに令嬢は近くにあった太い幹を持った。
「これでもく・ら・い・な・さ・い」
令嬢は太い幹で俺を強く叩いてきた。叩かれた俺は、目が飛び出て、舌を出し痛い表情をしていた。
「ふべし!!」
俺はあまりの痛みに大きく叫んだ。
「はあ・・・はあ・・・これぐらいで許してあげるわ!!」
そういって、令嬢は太い幹を手放した。
「全く私を一度助けなかったらもっとひどい目にあわしていたわ!! 私はなんせ死んだと思って悲しい表情までしたんですから!!」
令嬢は怒っていたが、俺は叩かれて衝撃を受けていた。しかし、ある程度時間が経って思考が戻ってきた。
「Holy Sit!! 俺じゃなかったら死んでいたぞ!! 俺が死んだらあんた殺人鬼になっていたぞ!!」
「いえ、殺人鬼にはなりませんわ。あなたは、うんち型の魔物なんだから!!」
くそ、この令嬢言いたいことずけずけと言いやがって!!
「でも、そんな強気な態度とってていいんですか。」
「どういうこと?」
「あなたは今、森の中にいるんですよ。また再びさっきのような猪に襲われるかもしれない。俺がいなくなってもよろしいんですか!?」
「ぐう・・・」
「なにも言えないということは俺の言うことの意味が理解できたようですね!! だったら、そんなひどい事いうのはやめていただこうか!!」
「くう・・・でも、あなたはうんち型の魔物よ!! うんち型の魔物に何て言おうが私の自由だわ!! それに、あなたはこの森を抜けた後どうするつもりなの!!」
俺は令嬢に言われてはっとした。
「さっきあなた、俺は人間だって発言していたわね。呪いにでもかかったのか知らないけど、その姿を見たら、人間ではなく魔物だと誰でも思うわよ。私がいなくなればあなたはこのまま魔物として生活しないといけないわ。私の言っている意味わかるわよね!!」
「く・・・Holy Sit!!」
「ふっ、なんとでも言いなさい。あなたは私が居なければ人間らしい生活はできないのだからね!!
だったら、どうすべきかわかるわよね!!」
「Gattem!!」
俺は発言した後、少し沈黙したが令嬢に近づいて詫びの気持で発言した。
「俺が調子に乗ってました・・・どうか人間に戻れるよう協力してください!!」
「よろしい、だったら協力してあげる。その代わり近くにある散らばった荷物を拾って運んで頂戴!!」
「はい、分かりました!!」
俺は素直に従って、散らばっていた荷物を集めた。そして奇跡的に無事だった荷台に荷物を載せてそれを俺は押していった。
「よかったわ!! 力仕事ができる人手が見つかって!! 私はつい先ほど猪に襲われて、馬や馬車を扱う人が逃げ出して、どうしようか迷っていたの!! これも神様に感謝だわ!!」
そういって令嬢は拝んで見せた。
「しかし、なんで令嬢がこんな森にいるんですか!?」
俺は荷台を押しながら、共に歩いている令嬢に質問した。
「この森を通っていたのは、婚約者が用意した馬車に乗せられて、実家に帰らされるために、近道を通ったからなの!!」
「なぜ、実家に帰らされていたのですか!!」
「もう・・・この際だから言うわ!! 実家に帰らされていた理由は、婚約を破棄されたため。そして婚約破棄された私は屋敷にはおいてはおけないと言われ、実家に帰されることになったの!!」
「そうだったんですね・・・それはつらい思いをしましたね!!」
「ええ、まさか、好きな人がいるから婚約破棄してくれなんて失礼なこと言われるとは思ってもいなかったわ!!」
そうか・・・この気性の強さだ。婚約者はそれに嫌気がさして、恋人つくっちゃたのかな!!
「なんか、いま、何か私に対して悪いこと考えなかった!!」
「い・・・いえ、何も悪いこと考えていないです!!」
その後、俺は令嬢の婚約者に対する悪口をさんざん聞かされたのだ。
「まあ・・・とにかくそういうわけで、私は実家に帰るために、あなたの力がいるわ。もちろんその見返りとして人間らしい生活をある程度保障してあげる。だから、今後も私のボディーガードにならない」
俺は本当は断りたかったが・・・他の人たちは俺のこと、魔物と判断する可能性がある。人間らしい生活を手に入れるには、この令嬢と協力するしかない・・・Holy Sit!! ここは令嬢に協力していくしかない。
「はい、これからも協力しながらやっていきたいです。ボディーガードもやります。」
「そう。それじゃあ契約成立ね。良かったわ。」
「でも・・・そういえば、まだ名乗ってはいなかったわね。私は、オリバ・アースラよ。あなたの名前は?」
「俺の名前は、すずきとしろうです。」
「すずきとしろう、少し変な名前ね。・・・そうだ、私があなたに合う名前を付けてあげる。」
アースラは少し悩んだ後に、俺の名前を思いついた。
「そうだ!! うんちMAN!! なんてどう!?」
「うんちMAN・・・ひどいネーミングじゃないか!?」
「でも、いいじゃない呼びやすいわ。これからはうんちMANと名乗りなさい!!」
Gattem!! 俺の言い分を聞き入れてもらえね~~!! どうやら、俺の通り名は、うんちMANで決まってしまった!! ひどい!!
「じゃあ!! いくわよ、うんちMAN!!」
俺はこの通り名を受け入れるしかなかった・・・そしてアースラとの契約も完了したのであった。
こうして、俺と婚約破棄された令嬢との物語が始めるのであった。ーOh, my Godー
「な・・・なんで・・・うんちの姿をしているんだ~~!!」
近くの水たまりにうつる俺の姿をみた。その姿はうんちそのものだった。手と足がうんちから生えていた。しかも、サングラスをかけている。
「い・・・一体何が起こっているんだ!! それにこの薄暗い森はどこなんだ!! ついさっきまで、俺は都会にいたんだぞ!!」
そう、俺はつい先ほどまで気を失っていた。気を失う前は都会を歩いていた。なぜ都会を歩いていた俺が知らない森にいるんだ。しかも、うんちの姿で・・・
俺は何がどうなっているのか訳が分からなくノイローゼになりそうだった。だが、じっとしててもいけないと思い、この森をまずは脱出するため、探索を始めた。
しかし、歩き回っても出口などは見つからなかった。
「Gattem!! 出口が全然見つからねえ!! 一体どうすりゃいいんだ~~!!」
俺は慌てていた。このまま迷子になり、やがて空腹で死に至るのではないかと・・・
少しの間、頭に手を抱えて自分の周りをまわっていた。気が動転していて正常ではなかった。
だが、しばらく回っていると、落ち着いてきた。冷静になった俺は、気を失う前のことを思い出そうとしていた。
気を失う前俺は、都会を歩いていた。いつも通り出勤のため速足で会社に向かっていた。何気ないいつも通りの街並で、そこを大勢の人が行き来していた。
俺は仕事の内容で、どうしても解決しないといけない問題のことについて夢中で考えながら速足で歩いていた。
その時だった。歩道に車が突っ込んできたのだ!!
俺は夢中で考え事をしていたから目の前が見えていなかった。そこにちょうど車が突っ込んできたため、俺は回避行動がとれず車に直撃して、引かれた・・・その後は記憶がない・・・
もしかして・・・俺は車にひかれて死んでしまったのか・・・だが、それならなぜ俺は今生きて森を歩いているんだ!? それになんで俺はうんちの姿をしている!? 訳が分からない!!
でも・・・そういえば、こういうのをアニメとかでよく見たことがある。死んだあとに転移して顔や体が全く違う姿に変わるのを・・・
俺は異世界に転移したのか!? でも、それならなんでうんちなんだ。どうせならイケメン貴族に転移したかったぞ。なんで、よりによって・・・うんちなんだ・・・
「Holy Sit!!」
俺は自分の現状に思わずつぶやいた。
その時だった。突然女性の悲鳴が聞こえてきた。
「キャー!!」
「うんっ・・・今、女性の悲鳴が聞こえたような・・・」
一度しかきいていなかったので、女性の悲鳴は空耳かなと思った。
「キャー!! ど・・・どなたか、助けて~~!!」
間違いない女性の悲鳴だった。
「こ・・・こっちの方角から女性の悲鳴が聞こえてきた。こっちにとりあえず向かおう!!」
俺は悲鳴のあったほうに向かった。少し向かっていると、悲鳴をあげていた女性の元にたどり着いた。
だが、俺は女性の元にたどりついて後悔した・・・
なんと、女性は大きな猪に襲われそうになっていた。とても大きく人の高さの二人分あるほどの高さだった。
「Gattem!! 来るんじゃなかった!!」
その時、俺の声にきずいた女性が自分の方を見てきた。その女性は上品な見出しなみをしていた。西洋、中世貴族の令嬢のような恰好をしていたのだ。
「助けにきてくれ・・・あ・・・あなたは・・・魔物!! しかもなんでしゃべれるの!?」
女性は助けに来てくれたと思った俺の姿がうんちだったため、うんちの魔物が現れたと思ったようだ。
「それは俺がまものじゃあないからだ!! 俺は人間さ!!」
「人間なわけないでしょう!! 人間だったらなんでうんちの姿をしているのよ!!」
「そ・・・それは・・・なんとも・・・」
その時だった。大きな猪が俺達に突っ込んできた。俺を見ていた令嬢はそのことに気づいていなかった。
「答えられないならやはり怪しいわ。あなたはやっぱり・・・」
「う・・・後ろ!!」
「えっ・・・後ろが何ですって!!」
令嬢は後ろに振り向いた。すると、猪が俺達の方に突っ込んできていた。
「キャー!! もう駄目だわ~~!!」
令嬢はしりもちをついた。もうだめかと令嬢は思っていた。そこに猪が突っ込んできた。令嬢は目をつぶり覚悟した。
だが、次の瞬間、驚くべきことが起こった。
なんと、猪が突っ込んでくる直線上から令嬢は離れたのだ。何故離れたのか、令嬢は目を開けた瞬間にその理由に気づいた。
魔物だと思ったうんち型の何かが令嬢を突き飛ばしていたのだ。
「なにあきらめているんだ・・・諦めたら終わりだ~~!!」
うんちになった俺はかっこよいセリフを言いながら、令嬢を安全圏に突き飛ばした。
ふっ!! 決まったぜ!!
かっこよく決めポーズをしていたが、そこに猪が突っ込んできた。俺は猪に吹き飛ばされた。
「Holy Sit!! せっかく決めポーズをしたに~~!!」
俺は吹き飛ばされ、そのまま木にぶつかった。
「ぐへ~~~~~~~~!!」
俺は、気にぶつかりサングラスから目が飛び出るほどの衝撃を受けながら驚いた。痛みも尋常じゃねえ。 Holy Sit!!
「目の前気をつけて~~!!」
令嬢が叫んでいたので、前の方を見た。猪がこっちにつっこんできてやがる!! Holy Sit!! まだ、あいつ俺に向かって突っ込んできてやがる。
こうなったら・・・俺はぶつかった木の枝をとり、とがっている方を猪に向けた。
「そうだ~~!! そのまま突っ込め。そうすればてめえはこの木の枝に突き刺さるぜ~~!!」
「でも、そんなことしたらあなたまで猪にぶつかるわよ!!」
あ・・・そうだった・・・そう思った時にはすでに遅く、猪が俺に突っ込んだのであった。
猪は枝もろとも俺に突っ込んだ。枝は猪の眼に刺さり、流血した。俺は猪に突っ込まれ気にぶつかりはさみこまれた。
「ぐぎゃあああああ~~~!!」
俺はあまりの痛みに目を飛び出し、痛烈なさけびごえをあげた。
「きゃああああああ~~!!」
なぜか令嬢も悲鳴をあげていた。
「ぶほおおおおお~~~!!」
猪も眼に枝が刺さり、痛みのため叫んでいた。二人と一匹の叫び声がこだましていた。
猪の方は突き刺さった目にさらに俺のうんちの一部が入りこんでしみたのか、叫びごえをあげながらその場を去っていった。
猪が去ったことで挟み込まれていた俺は解放された。ただ、俺の身体は変形し、ひん曲がっていた。
俺はここで死ぬのかと思っていた。その時令嬢が近くにきてこんなことを言ってきた。
「ごめんなさい。私を守るためにかばってくれて・・・うんちで汚い魔物だけど感謝するわ!!」
ひどい言い草だ。かばったやつに向かって、汚い魔物何て・・・まあ、うんちの姿しているから否定できないんだけど・・・
令嬢は顔を伏せていた。俺はここで死ぬのかと思った。俺は目をつぶった。
「女性を助けれて、ヒーローになれたぜ、我ながらかっこいい最後だったぜ・・・」
俺は息を引き取ると令嬢も思っていた。ところが、ある程度時間が経っても、俺は意識を失うことはなかった。それどころか痛みが引いていた。
「あれ死なない!! どうなってんだ!!」
俺は目を開けて、念のために状態を起こしてみた。すると、全く痛みがなかった。俺はとぼけた顔で令嬢の方を見た。
「どうやら俺の身体は丈夫なようだ!! 死ななかったわ。ァハハハハハ!!」
しかし、その姿を見た令嬢は何やらぶつぶつ言いながら身体を震わせていた。
「あ・・・あの・・・どうして、そんなに震えているんですか・・・」
「それはね、あんたが死んだふりしてピンピンしているからよ!! よくもだましたわね!!」
怒りながら発言してきた。さらに令嬢は近くにあった太い幹を持った。
「これでもく・ら・い・な・さ・い」
令嬢は太い幹で俺を強く叩いてきた。叩かれた俺は、目が飛び出て、舌を出し痛い表情をしていた。
「ふべし!!」
俺はあまりの痛みに大きく叫んだ。
「はあ・・・はあ・・・これぐらいで許してあげるわ!!」
そういって、令嬢は太い幹を手放した。
「全く私を一度助けなかったらもっとひどい目にあわしていたわ!! 私はなんせ死んだと思って悲しい表情までしたんですから!!」
令嬢は怒っていたが、俺は叩かれて衝撃を受けていた。しかし、ある程度時間が経って思考が戻ってきた。
「Holy Sit!! 俺じゃなかったら死んでいたぞ!! 俺が死んだらあんた殺人鬼になっていたぞ!!」
「いえ、殺人鬼にはなりませんわ。あなたは、うんち型の魔物なんだから!!」
くそ、この令嬢言いたいことずけずけと言いやがって!!
「でも、そんな強気な態度とってていいんですか。」
「どういうこと?」
「あなたは今、森の中にいるんですよ。また再びさっきのような猪に襲われるかもしれない。俺がいなくなってもよろしいんですか!?」
「ぐう・・・」
「なにも言えないということは俺の言うことの意味が理解できたようですね!! だったら、そんなひどい事いうのはやめていただこうか!!」
「くう・・・でも、あなたはうんち型の魔物よ!! うんち型の魔物に何て言おうが私の自由だわ!! それに、あなたはこの森を抜けた後どうするつもりなの!!」
俺は令嬢に言われてはっとした。
「さっきあなた、俺は人間だって発言していたわね。呪いにでもかかったのか知らないけど、その姿を見たら、人間ではなく魔物だと誰でも思うわよ。私がいなくなればあなたはこのまま魔物として生活しないといけないわ。私の言っている意味わかるわよね!!」
「く・・・Holy Sit!!」
「ふっ、なんとでも言いなさい。あなたは私が居なければ人間らしい生活はできないのだからね!!
だったら、どうすべきかわかるわよね!!」
「Gattem!!」
俺は発言した後、少し沈黙したが令嬢に近づいて詫びの気持で発言した。
「俺が調子に乗ってました・・・どうか人間に戻れるよう協力してください!!」
「よろしい、だったら協力してあげる。その代わり近くにある散らばった荷物を拾って運んで頂戴!!」
「はい、分かりました!!」
俺は素直に従って、散らばっていた荷物を集めた。そして奇跡的に無事だった荷台に荷物を載せてそれを俺は押していった。
「よかったわ!! 力仕事ができる人手が見つかって!! 私はつい先ほど猪に襲われて、馬や馬車を扱う人が逃げ出して、どうしようか迷っていたの!! これも神様に感謝だわ!!」
そういって令嬢は拝んで見せた。
「しかし、なんで令嬢がこんな森にいるんですか!?」
俺は荷台を押しながら、共に歩いている令嬢に質問した。
「この森を通っていたのは、婚約者が用意した馬車に乗せられて、実家に帰らされるために、近道を通ったからなの!!」
「なぜ、実家に帰らされていたのですか!!」
「もう・・・この際だから言うわ!! 実家に帰らされていた理由は、婚約を破棄されたため。そして婚約破棄された私は屋敷にはおいてはおけないと言われ、実家に帰されることになったの!!」
「そうだったんですね・・・それはつらい思いをしましたね!!」
「ええ、まさか、好きな人がいるから婚約破棄してくれなんて失礼なこと言われるとは思ってもいなかったわ!!」
そうか・・・この気性の強さだ。婚約者はそれに嫌気がさして、恋人つくっちゃたのかな!!
「なんか、いま、何か私に対して悪いこと考えなかった!!」
「い・・・いえ、何も悪いこと考えていないです!!」
その後、俺は令嬢の婚約者に対する悪口をさんざん聞かされたのだ。
「まあ・・・とにかくそういうわけで、私は実家に帰るために、あなたの力がいるわ。もちろんその見返りとして人間らしい生活をある程度保障してあげる。だから、今後も私のボディーガードにならない」
俺は本当は断りたかったが・・・他の人たちは俺のこと、魔物と判断する可能性がある。人間らしい生活を手に入れるには、この令嬢と協力するしかない・・・Holy Sit!! ここは令嬢に協力していくしかない。
「はい、これからも協力しながらやっていきたいです。ボディーガードもやります。」
「そう。それじゃあ契約成立ね。良かったわ。」
「でも・・・そういえば、まだ名乗ってはいなかったわね。私は、オリバ・アースラよ。あなたの名前は?」
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「すずきとしろう、少し変な名前ね。・・・そうだ、私があなたに合う名前を付けてあげる。」
アースラは少し悩んだ後に、俺の名前を思いついた。
「そうだ!! うんちMAN!! なんてどう!?」
「うんちMAN・・・ひどいネーミングじゃないか!?」
「でも、いいじゃない呼びやすいわ。これからはうんちMANと名乗りなさい!!」
Gattem!! 俺の言い分を聞き入れてもらえね~~!! どうやら、俺の通り名は、うんちMANで決まってしまった!! ひどい!!
「じゃあ!! いくわよ、うんちMAN!!」
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