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第一章 入学編
エカテリーナとの出会い
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「・・・わあっ!すごいです!」
レオンハルト様のエスコートで『魔導車』から降りた私は、目の前に建つ校舎を見て驚きの声をあげました。
一段高い場所に建つ白亜調の学舎は、歴史を感じさせながらも非常に立派なものです。
その建物間口全体に渡って階段が広がっていて、多数の生徒達が登園の為にその階段を登っていきます。
学舎と車寄せのある正門の間には立派な噴水がある広場からあり、噴水の中央には大きな『女神像』が聳え立っています。
更に、様々な花や植栽が植えられた石畳の遊歩道が中央の広場を挟むようにあり、私が立っている正門側から学舎を見ると、綺麗なシンメトリーを描いています。
そして、正門前の車寄せは朝の通学ラッシュで立派な『魔導車』がひしめき合って渋滞しています。
学生が『魔導車』で送迎されて通学するところは、流石貴族の学園と言ったところでしょうか。
ちなみに、私達は王家専用の車寄せを使っているので渋滞知らずです。
見たところ、学園には歩いて通学している方も沢山いらっしゃるようで、そのような方々は爵位が低い家の子息や令嬢なのかもしれません。
私は一応『公爵』ですが、中身が庶民なのでしばらくは歩いて通学になると思います。
「私達は『騎士科』クラスなんだよ。私とアリアは同じ学年だからクラスも一緒だね」
「私も同じクラスなのをお忘れなく」
どうやら、レオンハルト様やアーヴィンさんは私と同じ十六歳のようです。
「アリア、アーヴィンの事は気にしなくて良いからね」
「レオンハルト様・・あまりアーヴィンさんを邪険になさらない方が・・」
「ふふ、アリア様は優しいですね」
「くっ!」
私がアーヴィンさんの味方をしたので、レオンハルト様はとても悔しそうです。
「わたくしもお義姉様と同じクラスが良かったですわ!」
「マリアンネは歳が違うんだから仕方ないよ」
「でもでも!魔導機甲のカリキュラムでは全学年合同なのですわ!今から楽しみにしてますから!」
「この学園は十五歳から十八歳までの四年間で貴族としての知識、所作を学ぶんだ」
「また、『騎士科』ではそれに加えて将来の『騎士』を育成する為に魔導機甲の操縦訓練や魔導、剣技も学ぶことになる」
「アリアはこれから私と同じ第二学年で学ぶことになるから、困った事があれば何でも私を頼ってくれ」
「ありがとうございます!」
レオンハルト様に一礼した後、私達は正門を潜って学舎敷地内に入りました。
王族のレオンハルト様とマリア様が私と言う見慣れない女性を連れて歩いているので、どうしても周りの視線が突き刺さってきます。
・・まあ、レオンハルト様とアーヴィンさんという二人の美男子と一緒にいる事に嫉妬した令嬢達の視線も感じますが。
寧ろそっちの方が多いかもしれません。
ですが、皆さんが気にしている様子は全くありません。
そこへ、先日の謁見で見たリリアーナ様が数人の令嬢を引き連れてやってきました。
「ご機嫌よう、レオンハルト殿下、マリアンネ殿下、アーヴィン様」
そう言いながら、令嬢達が綺麗な所作で膝を折ります。
「ご機嫌よう」
「おはよう、みんな」
レオンハルト様とマリア様はにこやかに笑いながら返事をしました。
「・・・・(ペコッ)」
そして、後ろに控えるアーヴィンさんは、騎士らしく静かに会釈をしていました。
「お、おはようございます」
私も三人に続いて挨拶をします。
すると、リリアーナ様が私に鋭い視線を向けました。
「あら、アリアさんでしたっけ?貴女は挨拶の作法もご存じないのね?わたくし達が挨拶しているのに『おはようございます』だけだなんて、まあ・・庶民風情に言ったところでわからないでしょうけど」
扇子で口元を隠すリリアーナ様の言葉に続いて、取り巻きの令嬢達がクスクスと馬鹿にしたような笑い声をあげます。
「リリアーナ。作法がなってないのは貴女ではなくて?謁見に参加した貴女がお義姉様の身分を知らないとは言わせないわ」
ザワザワ・・。
(お姉様ですって!!?)
(あのマリアンネ殿下が他人にそのような呼び方をなさるなんて・・)
マリア様の発言に、取り巻きの令嬢達がひそひそと小声で話し合います。
「お義姉様は『リーフィア神帝国』でも数人しか存在しない『公爵』、しかもご当主様ですのよ?ただの貴族家の御令嬢とは訳が違います」
「お義姉様が膝を折らないのは至極当然の事ですわ」
私は庶民感覚でぼさっとしていただけなのですが・・。
「すみません、私は貴族としての知識がないものでして・・今までレオンハルト様やマリア様・・アーヴィンさんにも、きちんとした挨拶ができませんでしたね」
「いいえ、私は一応伯爵家の嫡男ですが貴族の格はアリア様の方が上なのです。どうか今まで通り接してください」
「私の事を気にする必要はないからね。まあ、アリアのカーテシーはさぞかし可憐だろうから是非お目にかかりたいがね」
「そうですわ!お義姉様は『お義姉様』になるのですから!そんな他人行儀なことをおっしゃらずに!今まで通りで結構ですわ!そして、私は『マリア』と呼び捨てになさって!」
「まったく、ちゃっかり『マリア』呼びを定着させようとしているところがマリアンネらしいな」
「マリア様・・それは流石にご勘弁を・・」
「ああ・・お義姉様っ!つれませんわっ!ですけど、わたくしは諦めませんから!!」
(リリアーナ様・・どう言うことなのですか?殿下が女性に『レオンハルト様』と呼ばれて怒らないなんて初めてですわ)
(そうですわ!変な誤解を生まないように、身分をひけらかしてはいけない学園内でさえも『殿下』呼びだけは徹底してらっしゃるのに)
(それに、マリアンネ殿下があんな態度をされるなんて見たことがありませんわ!)
(いつも無口で無表情なアーヴィン様でさえ笑顔を向けて言葉をかけてらっしゃいますわ!)
「・・・ぐっ」
取り巻き達の囁きに、リリアーナ様が悔しそうな表情を浮かべます。
「オーホッホッホッ!!」
その時、遠くから高笑いの声が聞こえてきました。
「リリアーナ様は今日も朝からしょうもない事をおっしゃっているのですね!」
「しょうもな・・っ!!」
リリアーナ様が怒りの表情を向ける先には、手の甲を口元にあてて不敵に笑う一人の令嬢がいました。
彼女の腰ほどまである金髪は、後ろ髪も横髪もボリューミーな縦ロールで巻かれていて、前髪の上には大きなカチューシャが飾られています。
アーモンド型の大きな目は少し釣り上がっていますが、とても美人な令嬢です。
そして、シックな学園標準服のコルセットベストの上には豊かな胸が乗っていて、彼女の派手な見た目も相まって全体的に豪華な雰囲気を醸し出した身なりとなっています。
その令嬢はつかつかと私達の前まで歩いてくると、優雅に膝を折りました。
「ご機嫌よう、レオンハルト殿下、マリアンネ殿下」
「やあ、おはよう」
「ご機嫌よう」
「おはようございます、エカテリーナ様」
「おはようございます、アーヴィン。朝から大変ですわね」
「まあ、仕方ないと言えばそれまでなのですが・・」
王家の二人とアーヴィンさんに挨拶を済ませた金髪縦ロール令嬢は、続いて私の方に目を向けました。
「お初にお目にかかりますわ。わたくしは『ランガース侯爵家』が長女、『エカテリーナ・フォン・ランガース』と申します。以後お見知り置きを」
「あ、はい!宜しくお願いします!私はアリア・・・フォン・ソフィミアと申します」
「存じておりますわ」
「あ、はい」
「あら、流石は成り上がり侯爵家の人間ですわね。こんな肩書きしかない令嬢に話しかけるなんて」
そう言いながら、リリアーナ様が勝ち誇ったような表情を向けます。
「あら、そんな成り上がり貴族の恩恵を受けているのは貴女方ではなくて?」
「ぐ・・」
私は『ランガース』の名前を聞いて思い出しました。
『ランガース侯爵家』は今から百年ほど前に、当時の大商会だった『ランガース商会』が『魔導青鉄鋼』を発明した功績によって貴族位を得た家系だったはずです。
『魔導青鉄鋼』は『ランガース商会』が初めて錬金に成功した特殊金属で、魔導銀とほぼ等しいマナ親和性を持ちながら、圧倒的に簡易かつ安価に錬金できる素材です。
物質としての強度も高く、加工が容易なので魔導銀の代替素材として、現代の魔導具に多く利用されています。
特にマナによって強度が増す魔導銀と合わせた合金の『ミスリル・アダマンタイト鋼』は魔導機甲の装甲材として利用されています。
「アリア様、わたくしも『騎士科』の二年なのですわ。同じクラスになるのですし、仲良く致しましょう」
「わたくしのことは『エカテリーナ』とお呼びになって」
「あっはい!ありがとうございます!エカテリーナ!じゃあ、私の事は『アリア』と呼んでください」
「了解しましたわ、アリア」
「エカテリーナ!貴女だけずるいわっ!」
握手をする私達に、マリア様がすかさず抗議の声をあげます。
「なんのことですの?」
「まあそっとしてやってくれ、エカテリーナ嬢」
「はあ・・?」
「エカテリーナ嬢は高位貴族だが、貴族の作法とかよりも魔導機甲に興味がある、ちょっと変わった令嬢だ。その点、アリアとは良い付き合いができるだろう」
「レオンハルト殿下!『ちょっと変わった』は余計ですわ!」
「まあいいですけど・・わたくしは魔導機甲にしか興味ありませんの。アリアは伝説の人工女神『メルティーナ』に乗るのでしょう?『騎士』の授業が楽しみですわ!」
「ふんっ!貴族令嬢が『騎士』になるなんて野蛮ですわっ!」
「あら、リリアーナ様。それを言えばマリアンネ殿下まで野蛮人扱いになってしまいますわよ」
「っ!!う、うるさいですわ!始業の時間に遅れますし、失礼しますわ!」
居た堪れなくなったリリアーナ様と取り巻き令嬢達は、怒りながら踵を返して去っていきました。
「気にするな、アリア。彼女達は『政治学科』だからあまり会うこともないだろう」
「そうそう、気にしたら負けですわよ。さあ、わたくし達も行きましょう」
「同じ教室ですし、せっかくですからご一緒しますわ」
そして、私達はエカテリーナと一緒に教室へ向かって歩き出しました。
レオンハルト様のエスコートで『魔導車』から降りた私は、目の前に建つ校舎を見て驚きの声をあげました。
一段高い場所に建つ白亜調の学舎は、歴史を感じさせながらも非常に立派なものです。
その建物間口全体に渡って階段が広がっていて、多数の生徒達が登園の為にその階段を登っていきます。
学舎と車寄せのある正門の間には立派な噴水がある広場からあり、噴水の中央には大きな『女神像』が聳え立っています。
更に、様々な花や植栽が植えられた石畳の遊歩道が中央の広場を挟むようにあり、私が立っている正門側から学舎を見ると、綺麗なシンメトリーを描いています。
そして、正門前の車寄せは朝の通学ラッシュで立派な『魔導車』がひしめき合って渋滞しています。
学生が『魔導車』で送迎されて通学するところは、流石貴族の学園と言ったところでしょうか。
ちなみに、私達は王家専用の車寄せを使っているので渋滞知らずです。
見たところ、学園には歩いて通学している方も沢山いらっしゃるようで、そのような方々は爵位が低い家の子息や令嬢なのかもしれません。
私は一応『公爵』ですが、中身が庶民なのでしばらくは歩いて通学になると思います。
「私達は『騎士科』クラスなんだよ。私とアリアは同じ学年だからクラスも一緒だね」
「私も同じクラスなのをお忘れなく」
どうやら、レオンハルト様やアーヴィンさんは私と同じ十六歳のようです。
「アリア、アーヴィンの事は気にしなくて良いからね」
「レオンハルト様・・あまりアーヴィンさんを邪険になさらない方が・・」
「ふふ、アリア様は優しいですね」
「くっ!」
私がアーヴィンさんの味方をしたので、レオンハルト様はとても悔しそうです。
「わたくしもお義姉様と同じクラスが良かったですわ!」
「マリアンネは歳が違うんだから仕方ないよ」
「でもでも!魔導機甲のカリキュラムでは全学年合同なのですわ!今から楽しみにしてますから!」
「この学園は十五歳から十八歳までの四年間で貴族としての知識、所作を学ぶんだ」
「また、『騎士科』ではそれに加えて将来の『騎士』を育成する為に魔導機甲の操縦訓練や魔導、剣技も学ぶことになる」
「アリアはこれから私と同じ第二学年で学ぶことになるから、困った事があれば何でも私を頼ってくれ」
「ありがとうございます!」
レオンハルト様に一礼した後、私達は正門を潜って学舎敷地内に入りました。
王族のレオンハルト様とマリア様が私と言う見慣れない女性を連れて歩いているので、どうしても周りの視線が突き刺さってきます。
・・まあ、レオンハルト様とアーヴィンさんという二人の美男子と一緒にいる事に嫉妬した令嬢達の視線も感じますが。
寧ろそっちの方が多いかもしれません。
ですが、皆さんが気にしている様子は全くありません。
そこへ、先日の謁見で見たリリアーナ様が数人の令嬢を引き連れてやってきました。
「ご機嫌よう、レオンハルト殿下、マリアンネ殿下、アーヴィン様」
そう言いながら、令嬢達が綺麗な所作で膝を折ります。
「ご機嫌よう」
「おはよう、みんな」
レオンハルト様とマリア様はにこやかに笑いながら返事をしました。
「・・・・(ペコッ)」
そして、後ろに控えるアーヴィンさんは、騎士らしく静かに会釈をしていました。
「お、おはようございます」
私も三人に続いて挨拶をします。
すると、リリアーナ様が私に鋭い視線を向けました。
「あら、アリアさんでしたっけ?貴女は挨拶の作法もご存じないのね?わたくし達が挨拶しているのに『おはようございます』だけだなんて、まあ・・庶民風情に言ったところでわからないでしょうけど」
扇子で口元を隠すリリアーナ様の言葉に続いて、取り巻きの令嬢達がクスクスと馬鹿にしたような笑い声をあげます。
「リリアーナ。作法がなってないのは貴女ではなくて?謁見に参加した貴女がお義姉様の身分を知らないとは言わせないわ」
ザワザワ・・。
(お姉様ですって!!?)
(あのマリアンネ殿下が他人にそのような呼び方をなさるなんて・・)
マリア様の発言に、取り巻きの令嬢達がひそひそと小声で話し合います。
「お義姉様は『リーフィア神帝国』でも数人しか存在しない『公爵』、しかもご当主様ですのよ?ただの貴族家の御令嬢とは訳が違います」
「お義姉様が膝を折らないのは至極当然の事ですわ」
私は庶民感覚でぼさっとしていただけなのですが・・。
「すみません、私は貴族としての知識がないものでして・・今までレオンハルト様やマリア様・・アーヴィンさんにも、きちんとした挨拶ができませんでしたね」
「いいえ、私は一応伯爵家の嫡男ですが貴族の格はアリア様の方が上なのです。どうか今まで通り接してください」
「私の事を気にする必要はないからね。まあ、アリアのカーテシーはさぞかし可憐だろうから是非お目にかかりたいがね」
「そうですわ!お義姉様は『お義姉様』になるのですから!そんな他人行儀なことをおっしゃらずに!今まで通りで結構ですわ!そして、私は『マリア』と呼び捨てになさって!」
「まったく、ちゃっかり『マリア』呼びを定着させようとしているところがマリアンネらしいな」
「マリア様・・それは流石にご勘弁を・・」
「ああ・・お義姉様っ!つれませんわっ!ですけど、わたくしは諦めませんから!!」
(リリアーナ様・・どう言うことなのですか?殿下が女性に『レオンハルト様』と呼ばれて怒らないなんて初めてですわ)
(そうですわ!変な誤解を生まないように、身分をひけらかしてはいけない学園内でさえも『殿下』呼びだけは徹底してらっしゃるのに)
(それに、マリアンネ殿下があんな態度をされるなんて見たことがありませんわ!)
(いつも無口で無表情なアーヴィン様でさえ笑顔を向けて言葉をかけてらっしゃいますわ!)
「・・・ぐっ」
取り巻き達の囁きに、リリアーナ様が悔しそうな表情を浮かべます。
「オーホッホッホッ!!」
その時、遠くから高笑いの声が聞こえてきました。
「リリアーナ様は今日も朝からしょうもない事をおっしゃっているのですね!」
「しょうもな・・っ!!」
リリアーナ様が怒りの表情を向ける先には、手の甲を口元にあてて不敵に笑う一人の令嬢がいました。
彼女の腰ほどまである金髪は、後ろ髪も横髪もボリューミーな縦ロールで巻かれていて、前髪の上には大きなカチューシャが飾られています。
アーモンド型の大きな目は少し釣り上がっていますが、とても美人な令嬢です。
そして、シックな学園標準服のコルセットベストの上には豊かな胸が乗っていて、彼女の派手な見た目も相まって全体的に豪華な雰囲気を醸し出した身なりとなっています。
その令嬢はつかつかと私達の前まで歩いてくると、優雅に膝を折りました。
「ご機嫌よう、レオンハルト殿下、マリアンネ殿下」
「やあ、おはよう」
「ご機嫌よう」
「おはようございます、エカテリーナ様」
「おはようございます、アーヴィン。朝から大変ですわね」
「まあ、仕方ないと言えばそれまでなのですが・・」
王家の二人とアーヴィンさんに挨拶を済ませた金髪縦ロール令嬢は、続いて私の方に目を向けました。
「お初にお目にかかりますわ。わたくしは『ランガース侯爵家』が長女、『エカテリーナ・フォン・ランガース』と申します。以後お見知り置きを」
「あ、はい!宜しくお願いします!私はアリア・・・フォン・ソフィミアと申します」
「存じておりますわ」
「あ、はい」
「あら、流石は成り上がり侯爵家の人間ですわね。こんな肩書きしかない令嬢に話しかけるなんて」
そう言いながら、リリアーナ様が勝ち誇ったような表情を向けます。
「あら、そんな成り上がり貴族の恩恵を受けているのは貴女方ではなくて?」
「ぐ・・」
私は『ランガース』の名前を聞いて思い出しました。
『ランガース侯爵家』は今から百年ほど前に、当時の大商会だった『ランガース商会』が『魔導青鉄鋼』を発明した功績によって貴族位を得た家系だったはずです。
『魔導青鉄鋼』は『ランガース商会』が初めて錬金に成功した特殊金属で、魔導銀とほぼ等しいマナ親和性を持ちながら、圧倒的に簡易かつ安価に錬金できる素材です。
物質としての強度も高く、加工が容易なので魔導銀の代替素材として、現代の魔導具に多く利用されています。
特にマナによって強度が増す魔導銀と合わせた合金の『ミスリル・アダマンタイト鋼』は魔導機甲の装甲材として利用されています。
「アリア様、わたくしも『騎士科』の二年なのですわ。同じクラスになるのですし、仲良く致しましょう」
「わたくしのことは『エカテリーナ』とお呼びになって」
「あっはい!ありがとうございます!エカテリーナ!じゃあ、私の事は『アリア』と呼んでください」
「了解しましたわ、アリア」
「エカテリーナ!貴女だけずるいわっ!」
握手をする私達に、マリア様がすかさず抗議の声をあげます。
「なんのことですの?」
「まあそっとしてやってくれ、エカテリーナ嬢」
「はあ・・?」
「エカテリーナ嬢は高位貴族だが、貴族の作法とかよりも魔導機甲に興味がある、ちょっと変わった令嬢だ。その点、アリアとは良い付き合いができるだろう」
「レオンハルト殿下!『ちょっと変わった』は余計ですわ!」
「まあいいですけど・・わたくしは魔導機甲にしか興味ありませんの。アリアは伝説の人工女神『メルティーナ』に乗るのでしょう?『騎士』の授業が楽しみですわ!」
「ふんっ!貴族令嬢が『騎士』になるなんて野蛮ですわっ!」
「あら、リリアーナ様。それを言えばマリアンネ殿下まで野蛮人扱いになってしまいますわよ」
「っ!!う、うるさいですわ!始業の時間に遅れますし、失礼しますわ!」
居た堪れなくなったリリアーナ様と取り巻き令嬢達は、怒りながら踵を返して去っていきました。
「気にするな、アリア。彼女達は『政治学科』だからあまり会うこともないだろう」
「そうそう、気にしたら負けですわよ。さあ、わたくし達も行きましょう」
「同じ教室ですし、せっかくですからご一緒しますわ」
そして、私達はエカテリーナと一緒に教室へ向かって歩き出しました。
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