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第一章 神聖イルティア王国編
マナについての考察
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「・・・ひとまず、落ち着いたことだし、お茶でも頂こうかしら。まあ、時間があればだけど・・」
「ハーティ様と過ごす時間以上に大切な時間など微塵もありません。枢機卿など永遠に待たせても良いのです」
「良くないわ。まあ、そんな時間はかからないわ」
ハーティは部屋に簡易なティーセットが備え付けられているのを見て、リリス達に提案した。
と、いうのも、ハーティは先程リリスと話していた内容で一つ気になったことがあり、それをリリスに聞こうと思ったからであった。
「では、給仕を呼んで参ります」
「いえ結構よ」
ハーティは立ち上がろうとしたリリスを静止する。
「ちょっと込み入った話だし・・給仕はユナがするわ」
そういう頃には既にユナが紅茶の準備を始めていた。
「!?でしたら私が!」
負けじとユナ給仕にリリスが割り込もうとする。
「ユナは優秀な侍女だから任せて大丈夫よ」
「ぐぬぬ・・・」
ハーティの言葉を聞いて、リリスは不承不承ながら再び腰を下ろした。
そしてしばらくして、全員の前に紅茶が並べられた。
「せっかくだからユナも愉しみましょう」
そう言いながらハーティは、自分の隣に座るようユナに促した。
「では、失礼します」
それを見て、リリスが再び悔しそうな顔をしていた。
全員が腰をつけた所でハーティは口を開いた。
「ところで、せっかくの機会なので一つ聞いてもいいかしら」
「なんなりと」
「リリスはさっき、マナの動きが感じられると言ったわよね」
「はい、確かにそう言いました」
その言葉が事実であれば、一つの悩みが解決するかもしれないと思ったハーティは、前から気になっていた事を尋ねることにした。
「なら聞くけど、ユナみたいな『暗色の髪色』をした人は本当に魔導の才能がないのかしら」
「!?」
ハーティの言葉を聞いてユナは驚いた表情をした。
そして、それを聞いたリリスは顔を伏せた。
「これを言うと魔導の常識が根底から覆ることになりますが、はっきり言いますと・・・そんなことはありません」
「え!?だけど私は全く魔導を発動できませんし、体内にマナもほとんど蓄積できませんよ!」
リリスの言葉をユナが信じられないと言った様子で反論した。
「確かに髪色がかつての神族がもつ白銀色からかけ離れているほどマナを蓄積する能力がないのは事実です」
「じゃあやっぱり!」
もしかしたら自分が魔導を行使できるのではと期待したユナは、リリスの言葉に食らいついていた。
彼女にとってはもうワンステップ上の強さを手に入れる為に、魔導はどうしても欲しいものであったからだ。
「事実、今現在もユナさん。貴方からは私が今まで見た人たちの中では誰よりも高いマナ出力を持っているように見えます」
「マナ出力?」
聴き慣れない言葉にハーティはリリスに疑問を投げかけた。
「はい。そもそも『魔導』はかつての神気であった、今の世界に満たされている『エーテル』というものを生物が体内で『マナ』へと精製出力して、それを肉体に蓄積したものから、その魔導の規模に応じて必要分消費して発動します」
「ですから、髪色が明るい人たちは生まれ持っての『マナ蓄積容量』が大きい方が多いので、上級魔導のような消費マナの多い魔導の発動能力や初級魔導の連射能力に優れるわけです」
「・・ただ、純粋に『エーテル』を『マナ』に出力すると言う能力だけであれば、実は髪色が暗くて世間では『魔導の才能がない』と思われている人たちの方が圧倒的に高いのです」
「ちなみに女神としての能力をそのまま引き継いだハーティ様に限っては、無尽蔵のマナ蓄積能力にそれをさらに上回る人間離れしたマナ出力をもっているので、有り余ったマナが常時溢れて垂れ流し状態なのです」
「かく言う、かつての私たち神族は皆そうでした」
「この事実は生まれ変わってからマナの流れを感じることができるようになってから知りました」
リリスから放たれた驚愕の事実に、二人は言葉を発せないでいた。
「でも、折角高いマナ出力があっても、結局魔導の発動には体内に蓄積するものを使うんだったら意味ないわよね」
ハーティの疑問の言葉に同意したユナは再び顔を暗くしていた。
「たしかにそのままでは折角潤沢にあるマナが蓄積されないまま、空気中に霧散してふたたびエーテルに還元されるだけです」
「ただ、一手間加えることでただ霧散するマナを体内を巡らせてから霧散させることができます」
「一手間?」
ハーティの言葉にリリスが無言で頷く。
「はい、それは対象の人のマナ出力より高いそれを持ち、かつその量の『マナ』を放出できる人間によって外部から強制的に『マナの流れ』を変えてもらうことです」
それを聞いたハーティは疑問を唱えた。
「でも実際に魔導の才能がないと言われる人は高いマナ出力をもってるけど任意に放出できないし、かと言って初めから魔導が使える人でその人たちよりマナ出力が高い人は基本的にいないのよね?」
「そうなりますね」
暗い髪色の人はマナ出力が高いかわりに、魔導として放出する分のそれを体内に蓄積できない。
明るい髪色の人はマナを潤沢に蓄積放出できるが、暗い髪色の人ほどはマナ出力が高くない。
「つまりやっぱり暗い髪色の人はマナを有効に使えないってことよね?」
「はい、今までそう思っていたので、私も暗い髪色の人は不憫だなと思うくらいで流していたのです」
それを聞いていよいよユナは絶望していた。
「ですが、それを打ち壊すイレギュラーが今目の前にいらっしゃいます」
「それって・・・あっ!」
言わずもがな、ハーティである。
女神の能力を持つ彼女は、周りにエーテルがある限りほぼ無尽蔵にマナを放出できる。
つまりは、リリスのいう条件に合致するというわけであった。
「で、その高いマナ出力で生み出された膨大なマナが常に体を巡って霧散するようになったらどうなるのですか!」
いよいよ希望を見出したユナは、再びリリスの話に食らいついた。
「どちらにしても普通の『魔導』は蓄えたマナを詠唱に乗せて放出するようにしか発動できません」
「ですが一つだけ、通常でしたら蓄えたマナを自分の体に巡らせて使う魔導がありますよね?」
それを聞いてユナが目を見開いた。
「っ!『ブースト』!!」
「そうです。『ブースト』の魔導であればマナ出力の流れを変えて、体を巡らせて霧散させるようにすれば、体内を巡っているマナを利用して発動できます」
「見る限りユナさんのマナ出力であれば、かなり強力な『ブースト』のマナ消費よりも高いと思われる為、理論上は常時『ブースト』してもマナ切れを起こさないわけです」
常にユナが強力な『ブースト』を発動した状態になる・・・。
「え、それってユナが『人間を辞める』ってこと!?」
「ええ、まあ身体能力でいえば『人間を辞める』ということになるかと」
「・・・・・」
それを聞いてハーティは戦慄した。
「ハーティ様と過ごす時間以上に大切な時間など微塵もありません。枢機卿など永遠に待たせても良いのです」
「良くないわ。まあ、そんな時間はかからないわ」
ハーティは部屋に簡易なティーセットが備え付けられているのを見て、リリス達に提案した。
と、いうのも、ハーティは先程リリスと話していた内容で一つ気になったことがあり、それをリリスに聞こうと思ったからであった。
「では、給仕を呼んで参ります」
「いえ結構よ」
ハーティは立ち上がろうとしたリリスを静止する。
「ちょっと込み入った話だし・・給仕はユナがするわ」
そういう頃には既にユナが紅茶の準備を始めていた。
「!?でしたら私が!」
負けじとユナ給仕にリリスが割り込もうとする。
「ユナは優秀な侍女だから任せて大丈夫よ」
「ぐぬぬ・・・」
ハーティの言葉を聞いて、リリスは不承不承ながら再び腰を下ろした。
そしてしばらくして、全員の前に紅茶が並べられた。
「せっかくだからユナも愉しみましょう」
そう言いながらハーティは、自分の隣に座るようユナに促した。
「では、失礼します」
それを見て、リリスが再び悔しそうな顔をしていた。
全員が腰をつけた所でハーティは口を開いた。
「ところで、せっかくの機会なので一つ聞いてもいいかしら」
「なんなりと」
「リリスはさっき、マナの動きが感じられると言ったわよね」
「はい、確かにそう言いました」
その言葉が事実であれば、一つの悩みが解決するかもしれないと思ったハーティは、前から気になっていた事を尋ねることにした。
「なら聞くけど、ユナみたいな『暗色の髪色』をした人は本当に魔導の才能がないのかしら」
「!?」
ハーティの言葉を聞いてユナは驚いた表情をした。
そして、それを聞いたリリスは顔を伏せた。
「これを言うと魔導の常識が根底から覆ることになりますが、はっきり言いますと・・・そんなことはありません」
「え!?だけど私は全く魔導を発動できませんし、体内にマナもほとんど蓄積できませんよ!」
リリスの言葉をユナが信じられないと言った様子で反論した。
「確かに髪色がかつての神族がもつ白銀色からかけ離れているほどマナを蓄積する能力がないのは事実です」
「じゃあやっぱり!」
もしかしたら自分が魔導を行使できるのではと期待したユナは、リリスの言葉に食らいついていた。
彼女にとってはもうワンステップ上の強さを手に入れる為に、魔導はどうしても欲しいものであったからだ。
「事実、今現在もユナさん。貴方からは私が今まで見た人たちの中では誰よりも高いマナ出力を持っているように見えます」
「マナ出力?」
聴き慣れない言葉にハーティはリリスに疑問を投げかけた。
「はい。そもそも『魔導』はかつての神気であった、今の世界に満たされている『エーテル』というものを生物が体内で『マナ』へと精製出力して、それを肉体に蓄積したものから、その魔導の規模に応じて必要分消費して発動します」
「ですから、髪色が明るい人たちは生まれ持っての『マナ蓄積容量』が大きい方が多いので、上級魔導のような消費マナの多い魔導の発動能力や初級魔導の連射能力に優れるわけです」
「・・ただ、純粋に『エーテル』を『マナ』に出力すると言う能力だけであれば、実は髪色が暗くて世間では『魔導の才能がない』と思われている人たちの方が圧倒的に高いのです」
「ちなみに女神としての能力をそのまま引き継いだハーティ様に限っては、無尽蔵のマナ蓄積能力にそれをさらに上回る人間離れしたマナ出力をもっているので、有り余ったマナが常時溢れて垂れ流し状態なのです」
「かく言う、かつての私たち神族は皆そうでした」
「この事実は生まれ変わってからマナの流れを感じることができるようになってから知りました」
リリスから放たれた驚愕の事実に、二人は言葉を発せないでいた。
「でも、折角高いマナ出力があっても、結局魔導の発動には体内に蓄積するものを使うんだったら意味ないわよね」
ハーティの疑問の言葉に同意したユナは再び顔を暗くしていた。
「たしかにそのままでは折角潤沢にあるマナが蓄積されないまま、空気中に霧散してふたたびエーテルに還元されるだけです」
「ただ、一手間加えることでただ霧散するマナを体内を巡らせてから霧散させることができます」
「一手間?」
ハーティの言葉にリリスが無言で頷く。
「はい、それは対象の人のマナ出力より高いそれを持ち、かつその量の『マナ』を放出できる人間によって外部から強制的に『マナの流れ』を変えてもらうことです」
それを聞いたハーティは疑問を唱えた。
「でも実際に魔導の才能がないと言われる人は高いマナ出力をもってるけど任意に放出できないし、かと言って初めから魔導が使える人でその人たちよりマナ出力が高い人は基本的にいないのよね?」
「そうなりますね」
暗い髪色の人はマナ出力が高いかわりに、魔導として放出する分のそれを体内に蓄積できない。
明るい髪色の人はマナを潤沢に蓄積放出できるが、暗い髪色の人ほどはマナ出力が高くない。
「つまりやっぱり暗い髪色の人はマナを有効に使えないってことよね?」
「はい、今までそう思っていたので、私も暗い髪色の人は不憫だなと思うくらいで流していたのです」
それを聞いていよいよユナは絶望していた。
「ですが、それを打ち壊すイレギュラーが今目の前にいらっしゃいます」
「それって・・・あっ!」
言わずもがな、ハーティである。
女神の能力を持つ彼女は、周りにエーテルがある限りほぼ無尽蔵にマナを放出できる。
つまりは、リリスのいう条件に合致するというわけであった。
「で、その高いマナ出力で生み出された膨大なマナが常に体を巡って霧散するようになったらどうなるのですか!」
いよいよ希望を見出したユナは、再びリリスの話に食らいついた。
「どちらにしても普通の『魔導』は蓄えたマナを詠唱に乗せて放出するようにしか発動できません」
「ですが一つだけ、通常でしたら蓄えたマナを自分の体に巡らせて使う魔導がありますよね?」
それを聞いてユナが目を見開いた。
「っ!『ブースト』!!」
「そうです。『ブースト』の魔導であればマナ出力の流れを変えて、体を巡らせて霧散させるようにすれば、体内を巡っているマナを利用して発動できます」
「見る限りユナさんのマナ出力であれば、かなり強力な『ブースト』のマナ消費よりも高いと思われる為、理論上は常時『ブースト』してもマナ切れを起こさないわけです」
常にユナが強力な『ブースト』を発動した状態になる・・・。
「え、それってユナが『人間を辞める』ってこと!?」
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「・・・・・」
それを聞いてハーティは戦慄した。
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