65 / 229
第二章 魔導帝国オルテアガ編
クラリスとの遭遇
しおりを挟む
ハーティが二級冒険者になってから数日が経った。
あれからハーティは毎日のように討伐系の依頼を受けては『飛翔』で飛び回って魔獣を狩まくっていたが、初日以降『変異体』らしき魔獣には遭遇しなかった。
因みに、毎日のように昼頃には大量に素材を持って帰ってくること、『ブラックスミス』を下して二級冒険者になったことはあっという間に帝都の冒険者ギルド中に広まり、ハーティに対して悪意を持って絡む冒険者はいなくなった。
それよりも実力があり、美少女であり、ソロで活動しているハーティに対して「うちのパーティに入らないか」という誘いが後を絶たず、それすらも断り続けていることから、帝都の冒険者の中でハーティは最早『孤高なアイドル』のような扱いを受けていた。
そして、今日も数々のパーティー勧誘を蹴散らして昼過ぎに冒険者ギルドを後にすると、ハーティは一人で賑わうバザールを練り歩いていた。
ジュウウウ・・。
ハーティは漂う香ばしい匂いと音に誘われるまま、にへらっと顔を崩しながら最近毎日通ってる屋台へ足を運んだ。
「はーい、オークバラ串焼きたてだよー・・っとハーティちゃん、また来たのかい?」
威勢の良い声を出しながら串を焼いていた中年店主は、歩いてきたハーティを見かけると声をかけた。
「こんにちは、匂いにつられて今日も来ちゃいました。串を二本もらえますか?」
「あいよ、小銅貨六枚な。今日も一本サービスしとくよ。別嬪さんは得だね。ほらよ」
店主はハーティから小銅貨を受け取ると、炭焼きされている肉汁滴るオークバラ串を三本纏めてタレ壺に浸し、大葉であしらった舟皿に乗せてから彼女へ手渡した。
「ありがとうございます!また明日も来ますね!」
「はいよ、まいどあり!」
ハーティはご機嫌で屋台を後にすると、串にかぶりつきながら他の屋台飯を探すために再び屋台通りを歩き出した。
「うーん、ここのタレは本当に美味しい!誰にも咎められず好きな時に好きなものを好きなだけ食べれるって幸せ!」
そう一人呟きながら歩いていると、ハーティは向かいの賑わう雑踏の中から、一際暗い顔をしながら歩く美少女を見つけた。
(すこし私よりお姉さんってところだけど可愛らしい人だな・・・でもせっかくバザールにいるのに元気なさそう・・)
(見たところ、冒険者でもないし商人でもなさそう・・白衣を着ているから診療所の先生か魔導省の研究者かな?にしては若すぎる気がするけれど・・)
ハーティは残りの串を平らげて、取り留めない思考を巡らせながらその美少女とすれ違おうとしていた。
その美少女がすれ違いざまに、ふとハーティの腰に携えてある『ガンブレード』を一瞥すると、カッ!と目を見開いた。
「ちょっとあなた!」
そして、すれ違って背後を向けていたハーティの手をいきなり掴んできたのであった。
「むぐっ!きゃあ!な、なんですか!?」
突然の出来事に驚いて咀嚼していた串を喉に詰まらせかけながらハーティが振り返ると、その美少女は汗を飛ばしながらハーティの『ガンブレード』を指差していた。
余程興奮しているのか、『ガンブレード』を指している彼女の指先はゆらゆらと揺れていた。
「あんた!その腰についてる剣!詳しく見せなさいよ!」
「は・・え?」
訳もわからずハーティが狼狽えていると、その美少女は存外素早い身のこなしでハーティの背後に回ってしゃがむと、『ガンブレード』をまじまじと見た。
「ププププ・・・」
「ぷぷぷ?」
なんとなく既視感のある台詞に嫌な予感がしたハーティは冷や汗を流した。
「神白銀じゃないの!?これ!?ウッソ!?実在したの!???」
突然その美少女は大きな声で叫びたしたので、バザールにいた周りの人達が何事かと二人を注目し始めた。
「あ、あの!?声が大きいです!なんだかわかりませんがひとまずこちらへ!!」
ハーティは人に聞かれるとまずそうな予感がしたので、その美少女の手を取ると最寄りの路地へ引き込んだ。
「ちょっと・・痛い、あんた思った以上に怪力ね・・」
連れ込まれた美少女は掴まれた手首をさすりながらハーティをジト目で睨んだ。
「人通りが多くて迷惑になるとおもったので・・急に引っ張ってごめんなさい。私はハーティって言います。最近帝都に流れてきたソロの冒険者です」
「はぁ・・あたしはクラリス・フォン・レゾニア。こう見えて帝国魔導省の筆頭研究者よ」
「はぁ、お貴族様で研究者なんですねぇ」
「まあ、こんななりでも男爵令嬢なんだけど、研究者として生きているから家からもほったらかしにされているわ。あんたこそ冒険者の癖に節々で上品さが滲み出ているわね」
クラリスは腕を組みながらまるでハーティを品定めするような目つきで上から下まで眺めた。
「・・で、その剣・・よく見たらあなたの髪飾りもよね?それ、神白銀よね?」
いきなり核心に迫ってきたクラリスを警戒したハーティは、ひとまず嘘で誤魔化すことにした。
「え?あははー、あなたもしかして『女神教』信者ですか?帝都では珍しいですね!!神白銀って神話に出てくる物ですよね?そんなのある訳ないじゃないですか!これは魔導銀で出来ているんですよ!ええ!」
ハーティは目を泳がせ汗を飛ばしながら、つらつらと嘘を並べた。
「騙されないわ」
しかし、クラリスはハーティの言葉をバッサリ否定した。
「こんなに白くて美しい魔導銀がある訳ないじゃない」
「じ・・じつはこれ純粋魔導銀なんですよ!すごいですよね!」
それを聞いたクラリスはやれやれとため息を吐いた。
「だから騙されないってば。それだけの純粋魔導銀を集めるのに一体幾らすると思ってるのよ。それに、あたしは研究でよく純粋魔導銀を扱うのよ。それは純粋魔導銀よりも更に白が強くて美しい光沢を放っているわ」
「・・ぐっ」
「・・それをどこで手に入れたのか教えなさい。勿論タダでとは言わないわ。教えてくれたらお礼はする」
ジリ・・。
そう言いながら、クラリスはハーティと距離を詰める。
「いや・・その」
ザッ・・。
そしてハーティはそれと同じだけ後退りした。
「なんならその情報、言い値で買うわ。あたしはどうしてもそれが必要なのよ!さあ!!」
「う・・ご・・ごめんなさぁぁい!!」
いよいよ辛抱たまらなくなったハーティは、路地から脱兎の如く逃げ出した。
「あ!こら!待ちなさい!」
それをクラリスも追いかける。
しかし、普通の女の子がハーティの脚に追いつく訳はなく、クラリスはすぐにハーティを見失った。
「はあはあ・・なんて逃げ足の早いやつなのよ」
クラリスは肩で息をしながら呟いた。
「・・・神白銀を持つ『冒険者ハーティ・・』」
「あたしは絶対に諦めないんだからっ・・!」
そう言うクラリスの目には、激しい決意の炎が灯っていた。
あれからハーティは毎日のように討伐系の依頼を受けては『飛翔』で飛び回って魔獣を狩まくっていたが、初日以降『変異体』らしき魔獣には遭遇しなかった。
因みに、毎日のように昼頃には大量に素材を持って帰ってくること、『ブラックスミス』を下して二級冒険者になったことはあっという間に帝都の冒険者ギルド中に広まり、ハーティに対して悪意を持って絡む冒険者はいなくなった。
それよりも実力があり、美少女であり、ソロで活動しているハーティに対して「うちのパーティに入らないか」という誘いが後を絶たず、それすらも断り続けていることから、帝都の冒険者の中でハーティは最早『孤高なアイドル』のような扱いを受けていた。
そして、今日も数々のパーティー勧誘を蹴散らして昼過ぎに冒険者ギルドを後にすると、ハーティは一人で賑わうバザールを練り歩いていた。
ジュウウウ・・。
ハーティは漂う香ばしい匂いと音に誘われるまま、にへらっと顔を崩しながら最近毎日通ってる屋台へ足を運んだ。
「はーい、オークバラ串焼きたてだよー・・っとハーティちゃん、また来たのかい?」
威勢の良い声を出しながら串を焼いていた中年店主は、歩いてきたハーティを見かけると声をかけた。
「こんにちは、匂いにつられて今日も来ちゃいました。串を二本もらえますか?」
「あいよ、小銅貨六枚な。今日も一本サービスしとくよ。別嬪さんは得だね。ほらよ」
店主はハーティから小銅貨を受け取ると、炭焼きされている肉汁滴るオークバラ串を三本纏めてタレ壺に浸し、大葉であしらった舟皿に乗せてから彼女へ手渡した。
「ありがとうございます!また明日も来ますね!」
「はいよ、まいどあり!」
ハーティはご機嫌で屋台を後にすると、串にかぶりつきながら他の屋台飯を探すために再び屋台通りを歩き出した。
「うーん、ここのタレは本当に美味しい!誰にも咎められず好きな時に好きなものを好きなだけ食べれるって幸せ!」
そう一人呟きながら歩いていると、ハーティは向かいの賑わう雑踏の中から、一際暗い顔をしながら歩く美少女を見つけた。
(すこし私よりお姉さんってところだけど可愛らしい人だな・・・でもせっかくバザールにいるのに元気なさそう・・)
(見たところ、冒険者でもないし商人でもなさそう・・白衣を着ているから診療所の先生か魔導省の研究者かな?にしては若すぎる気がするけれど・・)
ハーティは残りの串を平らげて、取り留めない思考を巡らせながらその美少女とすれ違おうとしていた。
その美少女がすれ違いざまに、ふとハーティの腰に携えてある『ガンブレード』を一瞥すると、カッ!と目を見開いた。
「ちょっとあなた!」
そして、すれ違って背後を向けていたハーティの手をいきなり掴んできたのであった。
「むぐっ!きゃあ!な、なんですか!?」
突然の出来事に驚いて咀嚼していた串を喉に詰まらせかけながらハーティが振り返ると、その美少女は汗を飛ばしながらハーティの『ガンブレード』を指差していた。
余程興奮しているのか、『ガンブレード』を指している彼女の指先はゆらゆらと揺れていた。
「あんた!その腰についてる剣!詳しく見せなさいよ!」
「は・・え?」
訳もわからずハーティが狼狽えていると、その美少女は存外素早い身のこなしでハーティの背後に回ってしゃがむと、『ガンブレード』をまじまじと見た。
「ププププ・・・」
「ぷぷぷ?」
なんとなく既視感のある台詞に嫌な予感がしたハーティは冷や汗を流した。
「神白銀じゃないの!?これ!?ウッソ!?実在したの!???」
突然その美少女は大きな声で叫びたしたので、バザールにいた周りの人達が何事かと二人を注目し始めた。
「あ、あの!?声が大きいです!なんだかわかりませんがひとまずこちらへ!!」
ハーティは人に聞かれるとまずそうな予感がしたので、その美少女の手を取ると最寄りの路地へ引き込んだ。
「ちょっと・・痛い、あんた思った以上に怪力ね・・」
連れ込まれた美少女は掴まれた手首をさすりながらハーティをジト目で睨んだ。
「人通りが多くて迷惑になるとおもったので・・急に引っ張ってごめんなさい。私はハーティって言います。最近帝都に流れてきたソロの冒険者です」
「はぁ・・あたしはクラリス・フォン・レゾニア。こう見えて帝国魔導省の筆頭研究者よ」
「はぁ、お貴族様で研究者なんですねぇ」
「まあ、こんななりでも男爵令嬢なんだけど、研究者として生きているから家からもほったらかしにされているわ。あんたこそ冒険者の癖に節々で上品さが滲み出ているわね」
クラリスは腕を組みながらまるでハーティを品定めするような目つきで上から下まで眺めた。
「・・で、その剣・・よく見たらあなたの髪飾りもよね?それ、神白銀よね?」
いきなり核心に迫ってきたクラリスを警戒したハーティは、ひとまず嘘で誤魔化すことにした。
「え?あははー、あなたもしかして『女神教』信者ですか?帝都では珍しいですね!!神白銀って神話に出てくる物ですよね?そんなのある訳ないじゃないですか!これは魔導銀で出来ているんですよ!ええ!」
ハーティは目を泳がせ汗を飛ばしながら、つらつらと嘘を並べた。
「騙されないわ」
しかし、クラリスはハーティの言葉をバッサリ否定した。
「こんなに白くて美しい魔導銀がある訳ないじゃない」
「じ・・じつはこれ純粋魔導銀なんですよ!すごいですよね!」
それを聞いたクラリスはやれやれとため息を吐いた。
「だから騙されないってば。それだけの純粋魔導銀を集めるのに一体幾らすると思ってるのよ。それに、あたしは研究でよく純粋魔導銀を扱うのよ。それは純粋魔導銀よりも更に白が強くて美しい光沢を放っているわ」
「・・ぐっ」
「・・それをどこで手に入れたのか教えなさい。勿論タダでとは言わないわ。教えてくれたらお礼はする」
ジリ・・。
そう言いながら、クラリスはハーティと距離を詰める。
「いや・・その」
ザッ・・。
そしてハーティはそれと同じだけ後退りした。
「なんならその情報、言い値で買うわ。あたしはどうしてもそれが必要なのよ!さあ!!」
「う・・ご・・ごめんなさぁぁい!!」
いよいよ辛抱たまらなくなったハーティは、路地から脱兎の如く逃げ出した。
「あ!こら!待ちなさい!」
それをクラリスも追いかける。
しかし、普通の女の子がハーティの脚に追いつく訳はなく、クラリスはすぐにハーティを見失った。
「はあはあ・・なんて逃げ足の早いやつなのよ」
クラリスは肩で息をしながら呟いた。
「・・・神白銀を持つ『冒険者ハーティ・・』」
「あたしは絶対に諦めないんだからっ・・!」
そう言うクラリスの目には、激しい決意の炎が灯っていた。
0
あなたにおすすめの小説
転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!
カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地!
恋に仕事に事件に忙しい!
カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる