転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

文字の大きさ
116 / 229
第三章 商業国家アーティナイ連邦編

ワイバーン討伐クエスト4

しおりを挟む
 ヒュオォォォォ・・・。

 ハーティはしばらくそれぞれの戦闘を空中で留まりながら眺めていた。

「ユナとクラリスはまあ・・いつも通りとして・・『旋風』の皆さんもなかなかやるわね」

「じゃあ、私もいきますか!!」

 ジャキン!シュイイン!!

 ハーティは腰に装着した『ガンブレード』を展開すると、『魔導莢カードリッジ』を装填し始めた。

「よし!」

 ドォォォン!

 そして、『ガンブレード』の装填が完了すると『ワイバーン』の方へと飛翔した。

 初速で音速を突破したハーティは、爆風のような衝撃破ソニック・ブームを放ちながら『ワイバーン』へと肉迫する。

「たぁぁぁぁぁ!」

 そのまま、超高速で接近することによりハーティの存在に気付いてすらいない『ワイバーン』に向かって、ハーティは毎度お馴染みの飛び蹴りをお見舞いした。

 パァァァン!!

 その凄まじい運動エネルギーを持ったハーティの飛び蹴りによって、防御魔導を持たない『ワイバーン』は成す術もなくその場で爆散した。

「グガガ??」

 直後、仲間の爆散に気付いた他の『ワイバーン』数匹がハーティに向かって大口を開ける。

 キィィィーゴウゥゥゥ!!

 そして、素早くハーティを取り囲んだ『ワイバーン』達は自身の口から火炎魔導を放ってハーティへ集中砲火を浴びせた。

 それらは全く防御態勢をとっていないハーティにすべて命中する。

 チュチュチュドドドドーン!!!

 それによる大爆発の衝撃が大気へと木霊した。

「な!ハーティ殿!!」

「ハ・・ハーティさんが!!??」

「なに!!?」

 その爆発に気付いた『旋風』の三人が絶望の表情を浮かべた。

 しかし、風で流れた煙の向こうには相変わらず無傷のハーティが空中に浮かんでいた。

「私にそんな火炎魔導なんて効かないわ!」

 ズバッズバッ!

「まあ・・当たり前ですね」

 ギュイィィン!スバ!バシュ!

『ハーティはそんなヤワじゃないから安心しなさい!』

 普段のハーティを見ているユナとクラリスは爆発を見ても全く気にも留めていなかった。

「次は私がをお見舞いする番よ!」

 ハーティは『ワイバーン』の攻撃をやり過ごすと、体を回転させながら『ガンブレード』のトリガーを引いた。

 バババババ!

 ハーティがトリガーを引いたことにより、リボルバーが高速回転して心地よい炸裂音を鳴らしながら、装填された『魔導莢カードリッジ』の全てが赤熱した状態でパージされた。

 チュドドドドーーーン!!

 そして、それによりハーティを円状に取り囲むように複数の『爆裂魔導エクスプロージョン』が発動した。

 ハーティは爆風に巻き込まれた『ワイバーン』が火だるまになりながら次々と墜落していくのを一瞥しながら、リボルバーに『魔導莢カードリッジ』を再び装填する。

「次はこれをお見舞いするわ!!」

 ドゥルルルルル!!

魔導莢カードリッジ』をすべて装填し終えたハーティは距離を置いて警戒しながら飛行する『ワイバーン』に向かって『ガンブレード』のトリガーを引いてミニファイアーボールを連射した。

 ものの数秒で放たれた四百発分のミニファイアーボールは次々と『ワイバーン』の体へと吸い込まれていき、それを食らった『ワイバーン』は錐揉み状態で墜落していった。

 その後も各自が次々と『ワイバーン』を仕留めていく。

「はあぁぁ!」

 ザシュザシュ!

 ほむらの小太刀が切り刻み、

「火遁」

 チュドーン!

 ハンゾウの『忍術』が炸裂し、

 シャララン・・。

「エクスプロージョン!」

 クウゼンの魔導が『ワイバーン』を薙ぎ払った。

 シュバッ!

 ザシュ!

「いよいよ終わりが見えてきましたね!!」

『ふん、数ばかりで大したことないわね!!』

 それから数分ほど経過した頃。

「これで・・最後ぉぉぉ!」

 パァァァン!!

 ハーティが放った回し蹴りによって最後の『ワイバーン』が爆散した。

「はぁ・・はぁ・・・やりましたね!」

 高木の天辺で直立するほむらは『ワイバーン』討伐の達成感を感じながら汗を拭った。

「本当に僅かな時間で討伐出来たでござるな」

「うむ・・・さすがは『一級冒険者』の英雄達だな」

『まあ、こんなところね・・・・うん?』

 それぞれがクエスト達成の感想を言葉にしていた時、クラリスが遠くに不自然な影を発見した。

「クラリス?どうしたの?」

『プラタナ』へ近づいたハーティがクラリスへと尋ねる。

『ちょっとまって、何かがこちらに向かってくるわ。望遠モードで確認するから待って・・・あれは!!?』

「どうしたんですか?」

 戦闘が終わって『プラタナ』の肩に乗っていたユナもクラリスに確認する。

『『ワイバーン』だわ!?しかも尋常じゃない数!!さっきあたし達が倒した数なんて比じゃないくらいの群れだわ!!それがこっちに向かってくるわ!』

「なんですって!?」

「真の話でござるか!?」

「なんということだ!?」

 クラリスの言葉を聞いた『旋風』の三人の表情が一気に絶望色に染まった。

「そんな・・・こんなこと今まで一度もなかったのに」

「なにやら異常な事態が発生しているのかもしれないでござるな・・」

「・・・!見えたわ!あれね!」

 そして、その間に群れは肉眼で確認できるまでの距離へと迫っていた。

「あの・・がそうでござるか!?」

「あんなの・・いくら六人がかりだったとしても、無理ですよ!!」

「某のマナも殆ど残っておらぬしな・・」

 三人が絶望の表情を浮かべる中、ハーティは一人空中で顎に手をやりながら考えを巡らせていた。

「うーん・・あのくらい高いところを飛んでいたらね!!」

『『いけそう』って何のこと?はっ!?まさか!?』

「その『まさか』よ!」

「!!」

 ハーティの言葉を聞いたクラリスは言葉を詰まらせた。

「まずいわ!『旋風』のみんな!早く『プラタナ』に戻って!ここを離脱して可能な限り距離を置くわよ!」

「な!?確かに絶望的な状況でござるが、我々は敵を目前にして逃げるわけには・・」

じゃないわよ!ハーティが魔導を放つ気満々だから安全なところまで退避するのよ!!』

『とにかくつべこべ言わずに早く戻って!!』

「わ・・わかったでござる!」

 クラリスの必死な訴えを聞いた三人は訳も分からないまま『プラタナ』の掌へと戻った。

『じゃあ後は頼んだわよ!!!』

「うん!」

 そして、クラリスはハーティに声をかけると一気にその場から離脱した。

「さて・・じゃあ行きますか!!」

『プラタナ』が安全な距離まで離れたことを確認したハーティは魔導の発動準備を始めた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。   

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地! 恋に仕事に事件に忙しい! カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

追放された万能聖魔導師、辺境で無自覚に神を超える ~俺を無能と言った奴ら、まだ息してる?~

たまごころ
ファンタジー
王国一の聖魔導師アレンは、嫉妬した王子の策略で「無能」と断じられ、国を追放された。 辿り着いた辺境の村で、アレンは「ただの治癒師」として静かに暮らそうとするが――。 壊れた街を再生し、疫病を一晩で根絶し、魔王の眷属まで癒しながら、本人はただの村医者のつもり。 その結果、「あの無能が神を超えた」と噂が広がり、王と勇者は頭を抱えることに。 ざまぁとスカッとが止まらない、無自覚最強転生ファンタジー開幕!

処理中です...