144 / 229
第三章 商業国家アーティナイ連邦編
エメラダとの決着1
しおりを挟む
シュピン!
エメラダが『第二ラウンド』開始を宣言した瞬間、ハーティの目前から消滅した。
刹那、ハーティは背後に気配を感じたので、その感覚を信じて裏拳を放った。
バァァン!
「ぶべらっ!?」
消滅したと思っていたエメラダはハーティの背後へ高速で回り込んでいたのだが、ハーティの超感覚によって再びその裏拳を顔面へとめり込ませていた。
ズザァァァァァァ!!
ハーティのカウンターにより、エメラダは裏拳によってつぶれた顔面を抑えながら後ろへと吹き飛ばされていった。
ザザザー、シュタッ!
しかし、エメラダがその勢いを殺して立ち上がった頃には、裏拳で陥没した顔面の傷すら瞬時に回復していた。
「女の顔ばかり狙うなんて、あんたもなかなか容赦が無いじゃあないか!」
エメラダはそう言いながら『ペッ!』と口内の血を吐き捨てた。
(浄化魔導が一応効いているということは、ナラトスと戦っていたときに言っていた『『邪神』の存在が肉体へ完全に定着している状態』という訳では無さそうだけど・・・)
(治癒魔導も使わずに肉体を再生するという事が解せないわ・・)
(それに浄化魔導が有効な限り、私が渾身の力で放った浄化魔導で滅ぼされなかった『邪神』は今まで存在しなかったわ・・それは『神界大戦』の時から変わらない・・)
(体の一部が無事であれば瞬時に再生する能力・・そんな存在なんて・・・)
その時、ハーティの中で太古の記憶がフラッシュバックした。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
「かくなる上はこの神界、そして我々神々の存在全てを以って、邪神デスティウルスごと滅ぼして、世界を再構築するしかありません」
「悠久の時を生きた神々にとって、その身を滅ぼすことはつらいと思いますが・・・」
「グォォォォン」
(愚かな神々達よ・・・・我の糧となるために滅びるがいい!)
・・・・・。
「世界創生!神気解放!」
(神気解放だと!? 貴様ら、我を道連れにするつもりか!?)
(このようなことなど許されない!愚かな神々よ!例え我が身が滅びようとも、必ず!必ず我は復活するであろう!)
(必ずや!必ず・・・!)
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
「邪神・・デスティウルス・・」
かつての記憶の中に今も尚、大きく存在する名をハーティルティアは口にする。
「ハーティルティアアアアア!」
チュドーン!チュドーン!
その間もハーティにはエメラダの魔弾の雨が降り注いでいた。
焦土と化していく大地は、記憶の彼方にある『神界』の姿と重なっていた。
(かつての『デスティウルス』はエメラダとは違って形を持った確かな存在では無かったけど、同じようにその存在全てを滅ぼさない限りは何度でも復活した・・)
(だからこそ、『神界』中に広がった『デスティウルス』を滅ぼすには『神界』そのものを犠牲にするしか無かった)
(もし、エメラダが『デスティウルス』と同じ能力を持っていたとして、受肉していると思っていたあの身体は『邪神の存在』そのものだったとすれば・・あの再生能力も頷ける・・)
(とすれは、エメラダを討伐するにはかつての『デスティウルス』と同じように、その存在全てを塵も残さず滅ぼす以外に無いわ!)
(でもどうする!?『女神の光』は発動に集中しないといけないし、万が一エーテルを使い切ってしまえば『黒竜』と戦うユナ達にも影響が出るわ・・・)
その時、再びハーティルティアの脳裏に太古の記憶がよぎった。
・・・・・。
・・・・・・・・。
果てしなく続く緑豊かな大地、数浮く浮島から降り注ぐ清らかな滝・・。
そんな美しい景色のある一角だけが荒野となり、黒い霧を纏った幾柱の『邪神』達がひしめき合っていた。
それを浮島の一つから、女神ハーティルティアが率いる神々の軍勢が見下ろしていた。
神々の中で最も神格の高いハーティルティアの横には側近である、リリスを含めた二柱の女神と一柱の神が侍っていた。
その内の一柱である筋骨隆々の神がハーティルティアへ話しかけた。
「我が親愛なる主君、これだけの軍勢ですと浄化するには少々骨が折れますな」
「そんなもの、ハーティルティア様の『女神の光』で纏めて浄化すれば良いのです!」
「はっ!この浮島がどうやって浮いているのか忘れたんじゃねぇのか?親愛なる主君の『神技』は辺りの『神気』を皆使い果たしてしまうんだぜ!?前みたいに浮島を落っことしていいのかよ?これだから『無鉄砲リリス』ちゃんはよぉ・・」
「『無鉄砲』は余計ですっ!」
「うぐっ!?それは私にも耳が痛い話です・・・」
「まあまあ、二柱共・・敬愛する主様、あの時はやむを得なかったのですから、気を病まないでくださいませ」
男型の神とリリスの言い争いを長身で大人じみた見た目をしたもう一柱の女神が嗜めつつ、ハーティルティアを励ました。
「仕方ありませんなあ。それじゃあ、我が親愛なる主君の為に一肌脱ぐとしますかな!」
ズドォン!
そういうと、その神は肩に担いでいた巨大な『聖斧』を無造作に放り投げた。
「ああ!『聖斧レガリア』がっ!?ハーティルティア様から賜った『神器』に何てことを!?」
放り投げられて地面に深く突き刺さった『聖斧』を見たリリスは顔を青ざめさせた。
「いいのです、リリス。『武器』とはそういうものですから。あくまでも私達神々の『存在』を護る道具にすぎないのですから」
「私はこんなに『聖杖エーテリア』を大切にしているのに・・・」
リリスは恍惚な表情で、自分の『聖杖』に頬擦りをしていた。
「くだらない話をしている暇は無さそうだぜ?リリスちゃんよお?親愛なる主君の御前、格好良く決めてやらねえとな?」
男型の神はハーティルティアに向かって『ニカッ!』と笑うと膨大なマナを放出し始めた。
その姿を見たハーティは『ふふ・・』と優しく微笑んだ。
「では、この場は頼みますよ。『バハムス神』・・・」
直後、神聖な光が『邪神』の軍団を滅ぼしていった。
エメラダが『第二ラウンド』開始を宣言した瞬間、ハーティの目前から消滅した。
刹那、ハーティは背後に気配を感じたので、その感覚を信じて裏拳を放った。
バァァン!
「ぶべらっ!?」
消滅したと思っていたエメラダはハーティの背後へ高速で回り込んでいたのだが、ハーティの超感覚によって再びその裏拳を顔面へとめり込ませていた。
ズザァァァァァァ!!
ハーティのカウンターにより、エメラダは裏拳によってつぶれた顔面を抑えながら後ろへと吹き飛ばされていった。
ザザザー、シュタッ!
しかし、エメラダがその勢いを殺して立ち上がった頃には、裏拳で陥没した顔面の傷すら瞬時に回復していた。
「女の顔ばかり狙うなんて、あんたもなかなか容赦が無いじゃあないか!」
エメラダはそう言いながら『ペッ!』と口内の血を吐き捨てた。
(浄化魔導が一応効いているということは、ナラトスと戦っていたときに言っていた『『邪神』の存在が肉体へ完全に定着している状態』という訳では無さそうだけど・・・)
(治癒魔導も使わずに肉体を再生するという事が解せないわ・・)
(それに浄化魔導が有効な限り、私が渾身の力で放った浄化魔導で滅ぼされなかった『邪神』は今まで存在しなかったわ・・それは『神界大戦』の時から変わらない・・)
(体の一部が無事であれば瞬時に再生する能力・・そんな存在なんて・・・)
その時、ハーティの中で太古の記憶がフラッシュバックした。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
「かくなる上はこの神界、そして我々神々の存在全てを以って、邪神デスティウルスごと滅ぼして、世界を再構築するしかありません」
「悠久の時を生きた神々にとって、その身を滅ぼすことはつらいと思いますが・・・」
「グォォォォン」
(愚かな神々達よ・・・・我の糧となるために滅びるがいい!)
・・・・・。
「世界創生!神気解放!」
(神気解放だと!? 貴様ら、我を道連れにするつもりか!?)
(このようなことなど許されない!愚かな神々よ!例え我が身が滅びようとも、必ず!必ず我は復活するであろう!)
(必ずや!必ず・・・!)
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
「邪神・・デスティウルス・・」
かつての記憶の中に今も尚、大きく存在する名をハーティルティアは口にする。
「ハーティルティアアアアア!」
チュドーン!チュドーン!
その間もハーティにはエメラダの魔弾の雨が降り注いでいた。
焦土と化していく大地は、記憶の彼方にある『神界』の姿と重なっていた。
(かつての『デスティウルス』はエメラダとは違って形を持った確かな存在では無かったけど、同じようにその存在全てを滅ぼさない限りは何度でも復活した・・)
(だからこそ、『神界』中に広がった『デスティウルス』を滅ぼすには『神界』そのものを犠牲にするしか無かった)
(もし、エメラダが『デスティウルス』と同じ能力を持っていたとして、受肉していると思っていたあの身体は『邪神の存在』そのものだったとすれば・・あの再生能力も頷ける・・)
(とすれは、エメラダを討伐するにはかつての『デスティウルス』と同じように、その存在全てを塵も残さず滅ぼす以外に無いわ!)
(でもどうする!?『女神の光』は発動に集中しないといけないし、万が一エーテルを使い切ってしまえば『黒竜』と戦うユナ達にも影響が出るわ・・・)
その時、再びハーティルティアの脳裏に太古の記憶がよぎった。
・・・・・。
・・・・・・・・。
果てしなく続く緑豊かな大地、数浮く浮島から降り注ぐ清らかな滝・・。
そんな美しい景色のある一角だけが荒野となり、黒い霧を纏った幾柱の『邪神』達がひしめき合っていた。
それを浮島の一つから、女神ハーティルティアが率いる神々の軍勢が見下ろしていた。
神々の中で最も神格の高いハーティルティアの横には側近である、リリスを含めた二柱の女神と一柱の神が侍っていた。
その内の一柱である筋骨隆々の神がハーティルティアへ話しかけた。
「我が親愛なる主君、これだけの軍勢ですと浄化するには少々骨が折れますな」
「そんなもの、ハーティルティア様の『女神の光』で纏めて浄化すれば良いのです!」
「はっ!この浮島がどうやって浮いているのか忘れたんじゃねぇのか?親愛なる主君の『神技』は辺りの『神気』を皆使い果たしてしまうんだぜ!?前みたいに浮島を落っことしていいのかよ?これだから『無鉄砲リリス』ちゃんはよぉ・・」
「『無鉄砲』は余計ですっ!」
「うぐっ!?それは私にも耳が痛い話です・・・」
「まあまあ、二柱共・・敬愛する主様、あの時はやむを得なかったのですから、気を病まないでくださいませ」
男型の神とリリスの言い争いを長身で大人じみた見た目をしたもう一柱の女神が嗜めつつ、ハーティルティアを励ました。
「仕方ありませんなあ。それじゃあ、我が親愛なる主君の為に一肌脱ぐとしますかな!」
ズドォン!
そういうと、その神は肩に担いでいた巨大な『聖斧』を無造作に放り投げた。
「ああ!『聖斧レガリア』がっ!?ハーティルティア様から賜った『神器』に何てことを!?」
放り投げられて地面に深く突き刺さった『聖斧』を見たリリスは顔を青ざめさせた。
「いいのです、リリス。『武器』とはそういうものですから。あくまでも私達神々の『存在』を護る道具にすぎないのですから」
「私はこんなに『聖杖エーテリア』を大切にしているのに・・・」
リリスは恍惚な表情で、自分の『聖杖』に頬擦りをしていた。
「くだらない話をしている暇は無さそうだぜ?リリスちゃんよお?親愛なる主君の御前、格好良く決めてやらねえとな?」
男型の神はハーティルティアに向かって『ニカッ!』と笑うと膨大なマナを放出し始めた。
その姿を見たハーティは『ふふ・・』と優しく微笑んだ。
「では、この場は頼みますよ。『バハムス神』・・・」
直後、神聖な光が『邪神』の軍団を滅ぼしていった。
0
あなたにおすすめの小説
スローライフ 転生したら竜騎士に?
梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!
カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地!
恋に仕事に事件に忙しい!
カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
追放された万能聖魔導師、辺境で無自覚に神を超える ~俺を無能と言った奴ら、まだ息してる?~
たまごころ
ファンタジー
王国一の聖魔導師アレンは、嫉妬した王子の策略で「無能」と断じられ、国を追放された。
辿り着いた辺境の村で、アレンは「ただの治癒師」として静かに暮らそうとするが――。
壊れた街を再生し、疫病を一晩で根絶し、魔王の眷属まで癒しながら、本人はただの村医者のつもり。
その結果、「あの無能が神を超えた」と噂が広がり、王と勇者は頭を抱えることに。
ざまぁとスカッとが止まらない、無自覚最強転生ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる