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第三章 商業国家アーティナイ連邦編
仲間との旅立ち 〜第三章エピローグ〜
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翌日、ハーティ達『白銀の剣』のメンバーは拠点の中庭にある駐機場に並んでいた。
「本当に行ってしまうんじゃのう・・」
「うん、『黒の魔導結晶』の場所がわかった以上、いち早くそれを手に入れないといけないからね!」
ハーティは気落ちするミウを抱きしめた。
「ハーティルティア様には救われてばかりで、何一つお返しできませんでしたな」
「そんなことないですよ、シゲノブさん。あなたの助けがあったからこそ『カームクラン』を救うことができたんです」
ハーティはそう言いながら、シゲノブの手を両手で優しく包み込んだ。
「ああ・・まさに『女神』でありますなあ・・・」
シゲノブは包まれた手の感覚をしっかりと噛み締めながら咽び泣いていた。
「ハーティさん、カームクラン冒険者ギルド一同は、『白銀の剣』が無事『黒の魔導結晶』を手に入れられる事を祈っています」
「そうでござるよ、ハーティ殿。拙者達がお供できない事は非常に心苦しいでこざるが、拙者達も『カームクラン』で旅の無事を祈っているでござるよ」
「ほむらも、ハーティさんみたいに立派な冒険者になれるよう頑張ります!どうかご無事で!!」
「ハーティルティア様。また戻られましたら、某共とクエストを受けてはいただけませぬか?いや!?身の程を弁えろというのは重々承知しておりますが・・その・・」
空前は言葉を詰まらせると、恥ずかしそうに頰を掻いた。
「もちろんですよ!クウゼンさん。それにアキトさんにハンゾウさんにほむらさんもありがとうございます!」
「『白銀の剣』の皆様、当邸は本国の皇帝陛下が正式にハーティ様へ譲渡されました。故にマルコはいつまでも皆様の帰りをお待ちしております」
「わたしはマルコの料理全然食べられなかったんだから!必ずまた来るわ!」
「はい、お待ちしております。二アール様」
「「「ワアァァァァ!!」」」
ハーティ達が皆と別れの挨拶を済ませた頃、屋敷の外から地面を揺らす程の大歓声が聞こえてきた。
「コレは一体!?」
「そちらが出発するときに混乱を生じぬようにここを選んだみたいじゃが、見送りたい民衆が屋敷の周りに集まっているようじゃの」
「え!?」
「流石はハーティルティア様ですね」
「でも、これ以上長居したら余計な混乱を招くんじゃない?」
「それもそうね・・じゃあ、みなさんそろそろ・・行ってきます」
「「「「お気をつけて!」」」
「気をつけて行くのじゃぞ!」
皆の見送りの言葉を聞いた『白銀の剣』のメンバーは、お互いに目をやると静かに頷き合った。
そして、先ずクラリスとナラトスが空に向かって手を伸ばした。
「出でよ!プラタナ!」
「出でよ!メルティーナ!」
ズズズズズ・・・。
二人はほぼ同時に二機の人工女神を顕現させた。
「行くぞ、二アール!」
「はい、ナラトス様!」
そして、クラリス、ナラトスと二アールがそれぞれの機体に乗り込んだ。
「・・・・・」
続いて、ユナも装着している『神聖魔導甲冑一型』を制御して『飛翔』の魔導を発動し始める。
「・・ぱちっ!」
ドゥン!
ドゥン!
キィィィン!バシュウゥゥ!
キィィィン!スギャアァァン!!
最後にハーティが皆に向かって茶目っ気あふれるウィンクをすると、二人と二機はほぼ同時に猛烈な勢いで飛び出した。
「くっ・・不覚じゃが女子なのにときめいてしまったぞぇ・・・」
「ミウ様はまだマシな方かと・・・。他の皆様には刺激が強すぎたようですね」
そう言うマルコの視線の先には、ハーティのウィンクに当てられて悶絶している人達が死屍累々となっていた。
「マルコはあれを見ても大丈夫だったのかえ?」
「流石に私めは老体ゆえそこまでは・・」
ミウが徐に、平然と話すマルコの鼻の方へ目をやると、そこから一筋の血が垂れているのが見えてしまった。
「マルコェ・・・・」
--創世記5218年、9の月。
『邪神ナラトス』を追って極東の地『アーティナイ連邦』へやってきたハーティ達は、更に凶悪な『邪神エメラダ』と遭遇する。
かつての敵であったナラトスと二アールを仲間に迎え入れながらも、『邪神』との戦いで初の敗北を味わったハーティ。
そして、敗北の教訓から普通の人間としての平穏な暮らしを望むよりも、世界を救う為に『女神』として生きて行く事を決意する。
『女神』としての全力を出すことにより『邪神エメラダ』を討伐することに成功したハーティは、『邪神エメラダ』と共に牙を向けてきた『黒竜』が、かつての『神界』で自分の側近だった『バハムス』であった事を知る。
そのバハムスから死に際に最後の『黒の魔導結晶』の在処を伝えられたハーティ達は、余所者を寄せ付けないという『エルフ族』が治める地『エルフの国リーフィア』へと向かったのであった。
そして、その地でハーティ達の願い通りに『黒の魔導結晶』を手に入れることができるのか。
それとも、あらたな『邪神』が、そのいく手を阻むのか。
それは、至高の『女神』にすらわからない未来であった。
第三章『商業国家アーティナイ連邦』編 ~完~
「本当に行ってしまうんじゃのう・・」
「うん、『黒の魔導結晶』の場所がわかった以上、いち早くそれを手に入れないといけないからね!」
ハーティは気落ちするミウを抱きしめた。
「ハーティルティア様には救われてばかりで、何一つお返しできませんでしたな」
「そんなことないですよ、シゲノブさん。あなたの助けがあったからこそ『カームクラン』を救うことができたんです」
ハーティはそう言いながら、シゲノブの手を両手で優しく包み込んだ。
「ああ・・まさに『女神』でありますなあ・・・」
シゲノブは包まれた手の感覚をしっかりと噛み締めながら咽び泣いていた。
「ハーティさん、カームクラン冒険者ギルド一同は、『白銀の剣』が無事『黒の魔導結晶』を手に入れられる事を祈っています」
「そうでござるよ、ハーティ殿。拙者達がお供できない事は非常に心苦しいでこざるが、拙者達も『カームクラン』で旅の無事を祈っているでござるよ」
「ほむらも、ハーティさんみたいに立派な冒険者になれるよう頑張ります!どうかご無事で!!」
「ハーティルティア様。また戻られましたら、某共とクエストを受けてはいただけませぬか?いや!?身の程を弁えろというのは重々承知しておりますが・・その・・」
空前は言葉を詰まらせると、恥ずかしそうに頰を掻いた。
「もちろんですよ!クウゼンさん。それにアキトさんにハンゾウさんにほむらさんもありがとうございます!」
「『白銀の剣』の皆様、当邸は本国の皇帝陛下が正式にハーティ様へ譲渡されました。故にマルコはいつまでも皆様の帰りをお待ちしております」
「わたしはマルコの料理全然食べられなかったんだから!必ずまた来るわ!」
「はい、お待ちしております。二アール様」
「「「ワアァァァァ!!」」」
ハーティ達が皆と別れの挨拶を済ませた頃、屋敷の外から地面を揺らす程の大歓声が聞こえてきた。
「コレは一体!?」
「そちらが出発するときに混乱を生じぬようにここを選んだみたいじゃが、見送りたい民衆が屋敷の周りに集まっているようじゃの」
「え!?」
「流石はハーティルティア様ですね」
「でも、これ以上長居したら余計な混乱を招くんじゃない?」
「それもそうね・・じゃあ、みなさんそろそろ・・行ってきます」
「「「「お気をつけて!」」」
「気をつけて行くのじゃぞ!」
皆の見送りの言葉を聞いた『白銀の剣』のメンバーは、お互いに目をやると静かに頷き合った。
そして、先ずクラリスとナラトスが空に向かって手を伸ばした。
「出でよ!プラタナ!」
「出でよ!メルティーナ!」
ズズズズズ・・・。
二人はほぼ同時に二機の人工女神を顕現させた。
「行くぞ、二アール!」
「はい、ナラトス様!」
そして、クラリス、ナラトスと二アールがそれぞれの機体に乗り込んだ。
「・・・・・」
続いて、ユナも装着している『神聖魔導甲冑一型』を制御して『飛翔』の魔導を発動し始める。
「・・ぱちっ!」
ドゥン!
ドゥン!
キィィィン!バシュウゥゥ!
キィィィン!スギャアァァン!!
最後にハーティが皆に向かって茶目っ気あふれるウィンクをすると、二人と二機はほぼ同時に猛烈な勢いで飛び出した。
「くっ・・不覚じゃが女子なのにときめいてしまったぞぇ・・・」
「ミウ様はまだマシな方かと・・・。他の皆様には刺激が強すぎたようですね」
そう言うマルコの視線の先には、ハーティのウィンクに当てられて悶絶している人達が死屍累々となっていた。
「マルコはあれを見ても大丈夫だったのかえ?」
「流石に私めは老体ゆえそこまでは・・」
ミウが徐に、平然と話すマルコの鼻の方へ目をやると、そこから一筋の血が垂れているのが見えてしまった。
「マルコェ・・・・」
--創世記5218年、9の月。
『邪神ナラトス』を追って極東の地『アーティナイ連邦』へやってきたハーティ達は、更に凶悪な『邪神エメラダ』と遭遇する。
かつての敵であったナラトスと二アールを仲間に迎え入れながらも、『邪神』との戦いで初の敗北を味わったハーティ。
そして、敗北の教訓から普通の人間としての平穏な暮らしを望むよりも、世界を救う為に『女神』として生きて行く事を決意する。
『女神』としての全力を出すことにより『邪神エメラダ』を討伐することに成功したハーティは、『邪神エメラダ』と共に牙を向けてきた『黒竜』が、かつての『神界』で自分の側近だった『バハムス』であった事を知る。
そのバハムスから死に際に最後の『黒の魔導結晶』の在処を伝えられたハーティ達は、余所者を寄せ付けないという『エルフ族』が治める地『エルフの国リーフィア』へと向かったのであった。
そして、その地でハーティ達の願い通りに『黒の魔導結晶』を手に入れることができるのか。
それとも、あらたな『邪神』が、そのいく手を阻むのか。
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