150 / 229
第三章 商業国家アーティナイ連邦編
仲間との旅立ち 〜第三章エピローグ〜
しおりを挟む
翌日、ハーティ達『白銀の剣』のメンバーは拠点の中庭にある駐機場に並んでいた。
「本当に行ってしまうんじゃのう・・」
「うん、『黒の魔導結晶』の場所がわかった以上、いち早くそれを手に入れないといけないからね!」
ハーティは気落ちするミウを抱きしめた。
「ハーティルティア様には救われてばかりで、何一つお返しできませんでしたな」
「そんなことないですよ、シゲノブさん。あなたの助けがあったからこそ『カームクラン』を救うことができたんです」
ハーティはそう言いながら、シゲノブの手を両手で優しく包み込んだ。
「ああ・・まさに『女神』でありますなあ・・・」
シゲノブは包まれた手の感覚をしっかりと噛み締めながら咽び泣いていた。
「ハーティさん、カームクラン冒険者ギルド一同は、『白銀の剣』が無事『黒の魔導結晶』を手に入れられる事を祈っています」
「そうでござるよ、ハーティ殿。拙者達がお供できない事は非常に心苦しいでこざるが、拙者達も『カームクラン』で旅の無事を祈っているでござるよ」
「ほむらも、ハーティさんみたいに立派な冒険者になれるよう頑張ります!どうかご無事で!!」
「ハーティルティア様。また戻られましたら、某共とクエストを受けてはいただけませぬか?いや!?身の程を弁えろというのは重々承知しておりますが・・その・・」
空前は言葉を詰まらせると、恥ずかしそうに頰を掻いた。
「もちろんですよ!クウゼンさん。それにアキトさんにハンゾウさんにほむらさんもありがとうございます!」
「『白銀の剣』の皆様、当邸は本国の皇帝陛下が正式にハーティ様へ譲渡されました。故にマルコはいつまでも皆様の帰りをお待ちしております」
「わたしはマルコの料理全然食べられなかったんだから!必ずまた来るわ!」
「はい、お待ちしております。二アール様」
「「「ワアァァァァ!!」」」
ハーティ達が皆と別れの挨拶を済ませた頃、屋敷の外から地面を揺らす程の大歓声が聞こえてきた。
「コレは一体!?」
「そちらが出発するときに混乱を生じぬようにここを選んだみたいじゃが、見送りたい民衆が屋敷の周りに集まっているようじゃの」
「え!?」
「流石はハーティルティア様ですね」
「でも、これ以上長居したら余計な混乱を招くんじゃない?」
「それもそうね・・じゃあ、みなさんそろそろ・・行ってきます」
「「「「お気をつけて!」」」
「気をつけて行くのじゃぞ!」
皆の見送りの言葉を聞いた『白銀の剣』のメンバーは、お互いに目をやると静かに頷き合った。
そして、先ずクラリスとナラトスが空に向かって手を伸ばした。
「出でよ!プラタナ!」
「出でよ!メルティーナ!」
ズズズズズ・・・。
二人はほぼ同時に二機の人工女神を顕現させた。
「行くぞ、二アール!」
「はい、ナラトス様!」
そして、クラリス、ナラトスと二アールがそれぞれの機体に乗り込んだ。
「・・・・・」
続いて、ユナも装着している『神聖魔導甲冑一型』を制御して『飛翔』の魔導を発動し始める。
「・・ぱちっ!」
ドゥン!
ドゥン!
キィィィン!バシュウゥゥ!
キィィィン!スギャアァァン!!
最後にハーティが皆に向かって茶目っ気あふれるウィンクをすると、二人と二機はほぼ同時に猛烈な勢いで飛び出した。
「くっ・・不覚じゃが女子なのにときめいてしまったぞぇ・・・」
「ミウ様はまだマシな方かと・・・。他の皆様には刺激が強すぎたようですね」
そう言うマルコの視線の先には、ハーティのウィンクに当てられて悶絶している人達が死屍累々となっていた。
「マルコはあれを見ても大丈夫だったのかえ?」
「流石に私めは老体ゆえそこまでは・・」
ミウが徐に、平然と話すマルコの鼻の方へ目をやると、そこから一筋の血が垂れているのが見えてしまった。
「マルコェ・・・・」
--創世記5218年、9の月。
『邪神ナラトス』を追って極東の地『アーティナイ連邦』へやってきたハーティ達は、更に凶悪な『邪神エメラダ』と遭遇する。
かつての敵であったナラトスと二アールを仲間に迎え入れながらも、『邪神』との戦いで初の敗北を味わったハーティ。
そして、敗北の教訓から普通の人間としての平穏な暮らしを望むよりも、世界を救う為に『女神』として生きて行く事を決意する。
『女神』としての全力を出すことにより『邪神エメラダ』を討伐することに成功したハーティは、『邪神エメラダ』と共に牙を向けてきた『黒竜』が、かつての『神界』で自分の側近だった『バハムス』であった事を知る。
そのバハムスから死に際に最後の『黒の魔導結晶』の在処を伝えられたハーティ達は、余所者を寄せ付けないという『エルフ族』が治める地『エルフの国リーフィア』へと向かったのであった。
そして、その地でハーティ達の願い通りに『黒の魔導結晶』を手に入れることができるのか。
それとも、あらたな『邪神』が、そのいく手を阻むのか。
それは、至高の『女神』にすらわからない未来であった。
第三章『商業国家アーティナイ連邦』編 ~完~
「本当に行ってしまうんじゃのう・・」
「うん、『黒の魔導結晶』の場所がわかった以上、いち早くそれを手に入れないといけないからね!」
ハーティは気落ちするミウを抱きしめた。
「ハーティルティア様には救われてばかりで、何一つお返しできませんでしたな」
「そんなことないですよ、シゲノブさん。あなたの助けがあったからこそ『カームクラン』を救うことができたんです」
ハーティはそう言いながら、シゲノブの手を両手で優しく包み込んだ。
「ああ・・まさに『女神』でありますなあ・・・」
シゲノブは包まれた手の感覚をしっかりと噛み締めながら咽び泣いていた。
「ハーティさん、カームクラン冒険者ギルド一同は、『白銀の剣』が無事『黒の魔導結晶』を手に入れられる事を祈っています」
「そうでござるよ、ハーティ殿。拙者達がお供できない事は非常に心苦しいでこざるが、拙者達も『カームクラン』で旅の無事を祈っているでござるよ」
「ほむらも、ハーティさんみたいに立派な冒険者になれるよう頑張ります!どうかご無事で!!」
「ハーティルティア様。また戻られましたら、某共とクエストを受けてはいただけませぬか?いや!?身の程を弁えろというのは重々承知しておりますが・・その・・」
空前は言葉を詰まらせると、恥ずかしそうに頰を掻いた。
「もちろんですよ!クウゼンさん。それにアキトさんにハンゾウさんにほむらさんもありがとうございます!」
「『白銀の剣』の皆様、当邸は本国の皇帝陛下が正式にハーティ様へ譲渡されました。故にマルコはいつまでも皆様の帰りをお待ちしております」
「わたしはマルコの料理全然食べられなかったんだから!必ずまた来るわ!」
「はい、お待ちしております。二アール様」
「「「ワアァァァァ!!」」」
ハーティ達が皆と別れの挨拶を済ませた頃、屋敷の外から地面を揺らす程の大歓声が聞こえてきた。
「コレは一体!?」
「そちらが出発するときに混乱を生じぬようにここを選んだみたいじゃが、見送りたい民衆が屋敷の周りに集まっているようじゃの」
「え!?」
「流石はハーティルティア様ですね」
「でも、これ以上長居したら余計な混乱を招くんじゃない?」
「それもそうね・・じゃあ、みなさんそろそろ・・行ってきます」
「「「「お気をつけて!」」」
「気をつけて行くのじゃぞ!」
皆の見送りの言葉を聞いた『白銀の剣』のメンバーは、お互いに目をやると静かに頷き合った。
そして、先ずクラリスとナラトスが空に向かって手を伸ばした。
「出でよ!プラタナ!」
「出でよ!メルティーナ!」
ズズズズズ・・・。
二人はほぼ同時に二機の人工女神を顕現させた。
「行くぞ、二アール!」
「はい、ナラトス様!」
そして、クラリス、ナラトスと二アールがそれぞれの機体に乗り込んだ。
「・・・・・」
続いて、ユナも装着している『神聖魔導甲冑一型』を制御して『飛翔』の魔導を発動し始める。
「・・ぱちっ!」
ドゥン!
ドゥン!
キィィィン!バシュウゥゥ!
キィィィン!スギャアァァン!!
最後にハーティが皆に向かって茶目っ気あふれるウィンクをすると、二人と二機はほぼ同時に猛烈な勢いで飛び出した。
「くっ・・不覚じゃが女子なのにときめいてしまったぞぇ・・・」
「ミウ様はまだマシな方かと・・・。他の皆様には刺激が強すぎたようですね」
そう言うマルコの視線の先には、ハーティのウィンクに当てられて悶絶している人達が死屍累々となっていた。
「マルコはあれを見ても大丈夫だったのかえ?」
「流石に私めは老体ゆえそこまでは・・」
ミウが徐に、平然と話すマルコの鼻の方へ目をやると、そこから一筋の血が垂れているのが見えてしまった。
「マルコェ・・・・」
--創世記5218年、9の月。
『邪神ナラトス』を追って極東の地『アーティナイ連邦』へやってきたハーティ達は、更に凶悪な『邪神エメラダ』と遭遇する。
かつての敵であったナラトスと二アールを仲間に迎え入れながらも、『邪神』との戦いで初の敗北を味わったハーティ。
そして、敗北の教訓から普通の人間としての平穏な暮らしを望むよりも、世界を救う為に『女神』として生きて行く事を決意する。
『女神』としての全力を出すことにより『邪神エメラダ』を討伐することに成功したハーティは、『邪神エメラダ』と共に牙を向けてきた『黒竜』が、かつての『神界』で自分の側近だった『バハムス』であった事を知る。
そのバハムスから死に際に最後の『黒の魔導結晶』の在処を伝えられたハーティ達は、余所者を寄せ付けないという『エルフ族』が治める地『エルフの国リーフィア』へと向かったのであった。
そして、その地でハーティ達の願い通りに『黒の魔導結晶』を手に入れることができるのか。
それとも、あらたな『邪神』が、そのいく手を阻むのか。
それは、至高の『女神』にすらわからない未来であった。
第三章『商業国家アーティナイ連邦』編 ~完~
0
あなたにおすすめの小説
スローライフ 転生したら竜騎士に?
梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!
カエデネコ
ファンタジー
日本のとある旅館の跡継ぎ娘として育てられた前世を活かして転生先でも作りたい最高の温泉地!
恋に仕事に事件に忙しい!
カクヨムの方でも「カエデネコ」でメイン活動してます。カクヨムの方が更新が早いです。よろしければそちらもお願いしますm(_ _)m
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
追放された万能聖魔導師、辺境で無自覚に神を超える ~俺を無能と言った奴ら、まだ息してる?~
たまごころ
ファンタジー
王国一の聖魔導師アレンは、嫉妬した王子の策略で「無能」と断じられ、国を追放された。
辿り着いた辺境の村で、アレンは「ただの治癒師」として静かに暮らそうとするが――。
壊れた街を再生し、疫病を一晩で根絶し、魔王の眷属まで癒しながら、本人はただの村医者のつもり。
その結果、「あの無能が神を超えた」と噂が広がり、王と勇者は頭を抱えることに。
ざまぁとスカッとが止まらない、無自覚最強転生ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる