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第四章 エルフの国リーフィア編
リーフィアの女王2
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「お待ちください!リーフィア女王陛下!」
宰相の制止を無視して女王はハーティを強く抱きしめる。
ふにゅん!
「ふぐぅ!?」
そして、ハーティはたわわな胸に顔を埋める形となった。
「あああっ!本当に夢のようですわ!会いとうございました!『敬愛する主様』!!」
一国の女王から熱い抱擁を受けてどのように対応したら良いのかわからないまま、ハーティは女王の胸の中でもがいていた。
「っく!なんてけしからんおっぱいなの!?」
拳を握りしめて悔しがるクラリスが言うように、『リーフィア』の女王は豊満な乳房を持っていながらもスラリとした長身が特徴的な美女『エルフ』であった。
そして、豊満な胸を持ちながらもその服装は『女神神話』を表現した絵画に出てくる『女神』のようで、上質な布ながら簡素な構造をした『キトン』のようなものを纏っており、大きく開いた胸元から見える谷間が扇情的であった。
そして、彼女の容姿の中で最も特徴的なのは、『聖女』であるリリスに匹敵する美しいプラチナブロンドの髪と瞳であった。
「ふむううう!ふむううう!」
とにかくハーティは抱擁を解いてもらうべく、不敬罪などお構いなしにぺしぺしと女王の腕を掌でタップした。
「あ・・あの、陛下・・・ハーティルティア様が何やら苦しそうにしておりますが・・」
気まずそうに進言した宰相の言葉を聞いて、女王は『はっ!』となって体を離した。
「もも・・申し訳ありません・・つい・・」
「・・いえ、大丈夫です・・それにしても、何だか随分懐かしい良い匂いがしました・・」
「うふふ、お粗末様です。『敬愛する主様』も懐かしい良い香りがしましたわ」
そう言いながら、女王は頬に手をやってうっとりとした表情をした。
丁度その時、宰相の男がハーティの傍へとやってきて『最敬礼』を行った。
「お顔を拝見するまでは何かの与太話ではないかと正直思っておりましたが、こうやって御姿を拝見しましたら・・一目瞭然です。あなた様は間違いなく至高なる女神ハーティルティア様であらせられます。あなた様にお会いできて光栄でございます。私は『リーフィア』の宰相を務めております、『グラディウス』と申します」
「ふんっ!グラディウスったらいっつも小言ばかり!わたくしは『敬愛する主様』が『リーフィア』にいらっしゃった時から、何となく存在を感じていてよ?」
ハーティは女王の言葉を先ほどから聞いていて、半ば確信した事実を確認する為に問いかけた。
「私に対するその呼び方・・・もしかして女王陛下は『リフィアス』の記憶をお持ちですか?」
ハーティが尋ねた瞬間、女王の大きな瞳からブワッと涙が溢れだした。
「ぞんなあ"あ"あ"・・・ひどいでずぅぅぅぅ!!!わたくしの事、今さら気づいたのですかぁぁ!!それに、『女王陛下』なんて他人行儀ですぅぅ!!昔のように『リフィアス』と呼び捨てになってくださいぃぃぃ!!」
リフィアスはハーティに気づいてもらえずに畏まられるのがよほどショックだったのか、大泣きしながら再びハーティを抱きしめた。
「だから・・おっぱ・・ふごふご!!」
「あっ!つい!申し訳ありませんわ・・」
「ぷはっ・・やっぱりこの胸の感触と匂いは間違いなく『リフィアス』ね・・そういえば『神界』にいたときもよくこんな風に抱きしめられたのを思い出したわ・・」
「うふふ・・だって敬愛する主様はとっても抱き心地が良いんですもの!」
「ハーティルティア様・・もしかしてこのお方は・・」
「ええ、私が『神界』にいた時に存在した三柱の側近の最後の一柱だった人よ」
「まあ!『最後の』と言う事は、『リリス』と『バハムス』ともお会いできたのですか!?」
「ええ。リリスはイルティア王国の王都で『女神教会』の『聖女』になっているわ」
「うふふ・・リリスが『聖女』なんて面白い冗談ですね」
リフィアスの言葉を聞いた、リリスと面識のあるハーティとユナは無言で視線をそらした。
「バハムスは面白い姿になっていましたでしょう?彼とは長い付き合いですのよ?」
微笑みながら語るリフィアスの姿を見て、ハーティは表情を曇らせた。
「バハムスは・・『エメラダ』と言う名の『邪神』に操られて・・仕方なく私達が討伐したわ・・」
「何と!『邪神』でありますか!?まさか復活しているとは・・」
『邪神』という言葉を聞いて、グラティウスが驚愕の表情を浮かべた。
「そうですか・・バハムスは最期に敬愛する主様と再会できて、きっと嬉しかったはずです・・・」
前世の仲間、そして今世の友人であったバハムスの死を知ったリフィアスは酷く気落ちしているようであった。
「バハムスの事はとても残念ですが、これも数奇な運命だったのかもしれませんね・・ところで、一緒にいらっしゃる方は・・?特に敬愛する主様の背後に立つ黒髪の男・・とても気になりますわ」
リフィアスはすっと目を細めて剣呑な表情になった。
「それなんだけどね・・」
ハーティは『リーフィアの樹海』で起こった出来事を踏まえながら、『白銀の剣』のメンバーのことをかいつまんで説明した。
「なるほど・・さすがは敬愛する主様。『邪神』まで仲間にする懐の大きさに感服致しますわ!」
リフィアスはハーティを褒め称えた後、何かを思い出したかのようにポンと手を叩いた。
「敬愛する主様。ここでは何ですし、わたくしのとっておきの場所へ行きませんか?わたくしからお伝えしたいこともたくさんあるのです!」
「わかったわ。それに、私達もリフィアス・・いえリーフィアに聞きたいことがあるのよ」
「・・先ほど申し上げたように『リフィアス』とお呼びください。わたくしは元より『リフィアス』として生きていましたが、長い時の中で『エルフ』の民達の言葉が訛って『リーフィア』と呼ばれるようになったのですから・・」
「え!?そうだったのですか!?私も陛下と五百年来の付き合いですが知りませんでした!」
グラティウスは衝撃の事実を聞いたと言う様子で目を見開いた。
「・・もう、みんな間違ってくるからだんだん訂正するのが面倒になって、三千年くらい前から『リーフィア』と名乗るようにしたのよ。こうなったら、わたくしの真名はこの身が朽ちた後に『失われた神界』で敬愛する主様に呼んでもらおうって思ったの」
「・・でも、今世で夢が叶ってようございましたわ」
「っと、お話が逸れましたわね。では敬愛する主様、こちらへ・・わたくしがご案内しますわ」
リフィアスはそう言いながら優雅に歩き出した。
宰相の制止を無視して女王はハーティを強く抱きしめる。
ふにゅん!
「ふぐぅ!?」
そして、ハーティはたわわな胸に顔を埋める形となった。
「あああっ!本当に夢のようですわ!会いとうございました!『敬愛する主様』!!」
一国の女王から熱い抱擁を受けてどのように対応したら良いのかわからないまま、ハーティは女王の胸の中でもがいていた。
「っく!なんてけしからんおっぱいなの!?」
拳を握りしめて悔しがるクラリスが言うように、『リーフィア』の女王は豊満な乳房を持っていながらもスラリとした長身が特徴的な美女『エルフ』であった。
そして、豊満な胸を持ちながらもその服装は『女神神話』を表現した絵画に出てくる『女神』のようで、上質な布ながら簡素な構造をした『キトン』のようなものを纏っており、大きく開いた胸元から見える谷間が扇情的であった。
そして、彼女の容姿の中で最も特徴的なのは、『聖女』であるリリスに匹敵する美しいプラチナブロンドの髪と瞳であった。
「ふむううう!ふむううう!」
とにかくハーティは抱擁を解いてもらうべく、不敬罪などお構いなしにぺしぺしと女王の腕を掌でタップした。
「あ・・あの、陛下・・・ハーティルティア様が何やら苦しそうにしておりますが・・」
気まずそうに進言した宰相の言葉を聞いて、女王は『はっ!』となって体を離した。
「もも・・申し訳ありません・・つい・・」
「・・いえ、大丈夫です・・それにしても、何だか随分懐かしい良い匂いがしました・・」
「うふふ、お粗末様です。『敬愛する主様』も懐かしい良い香りがしましたわ」
そう言いながら、女王は頬に手をやってうっとりとした表情をした。
丁度その時、宰相の男がハーティの傍へとやってきて『最敬礼』を行った。
「お顔を拝見するまでは何かの与太話ではないかと正直思っておりましたが、こうやって御姿を拝見しましたら・・一目瞭然です。あなた様は間違いなく至高なる女神ハーティルティア様であらせられます。あなた様にお会いできて光栄でございます。私は『リーフィア』の宰相を務めております、『グラディウス』と申します」
「ふんっ!グラディウスったらいっつも小言ばかり!わたくしは『敬愛する主様』が『リーフィア』にいらっしゃった時から、何となく存在を感じていてよ?」
ハーティは女王の言葉を先ほどから聞いていて、半ば確信した事実を確認する為に問いかけた。
「私に対するその呼び方・・・もしかして女王陛下は『リフィアス』の記憶をお持ちですか?」
ハーティが尋ねた瞬間、女王の大きな瞳からブワッと涙が溢れだした。
「ぞんなあ"あ"あ"・・・ひどいでずぅぅぅぅ!!!わたくしの事、今さら気づいたのですかぁぁ!!それに、『女王陛下』なんて他人行儀ですぅぅ!!昔のように『リフィアス』と呼び捨てになってくださいぃぃぃ!!」
リフィアスはハーティに気づいてもらえずに畏まられるのがよほどショックだったのか、大泣きしながら再びハーティを抱きしめた。
「だから・・おっぱ・・ふごふご!!」
「あっ!つい!申し訳ありませんわ・・」
「ぷはっ・・やっぱりこの胸の感触と匂いは間違いなく『リフィアス』ね・・そういえば『神界』にいたときもよくこんな風に抱きしめられたのを思い出したわ・・」
「うふふ・・だって敬愛する主様はとっても抱き心地が良いんですもの!」
「ハーティルティア様・・もしかしてこのお方は・・」
「ええ、私が『神界』にいた時に存在した三柱の側近の最後の一柱だった人よ」
「まあ!『最後の』と言う事は、『リリス』と『バハムス』ともお会いできたのですか!?」
「ええ。リリスはイルティア王国の王都で『女神教会』の『聖女』になっているわ」
「うふふ・・リリスが『聖女』なんて面白い冗談ですね」
リフィアスの言葉を聞いた、リリスと面識のあるハーティとユナは無言で視線をそらした。
「バハムスは面白い姿になっていましたでしょう?彼とは長い付き合いですのよ?」
微笑みながら語るリフィアスの姿を見て、ハーティは表情を曇らせた。
「バハムスは・・『エメラダ』と言う名の『邪神』に操られて・・仕方なく私達が討伐したわ・・」
「何と!『邪神』でありますか!?まさか復活しているとは・・」
『邪神』という言葉を聞いて、グラティウスが驚愕の表情を浮かべた。
「そうですか・・バハムスは最期に敬愛する主様と再会できて、きっと嬉しかったはずです・・・」
前世の仲間、そして今世の友人であったバハムスの死を知ったリフィアスは酷く気落ちしているようであった。
「バハムスの事はとても残念ですが、これも数奇な運命だったのかもしれませんね・・ところで、一緒にいらっしゃる方は・・?特に敬愛する主様の背後に立つ黒髪の男・・とても気になりますわ」
リフィアスはすっと目を細めて剣呑な表情になった。
「それなんだけどね・・」
ハーティは『リーフィアの樹海』で起こった出来事を踏まえながら、『白銀の剣』のメンバーのことをかいつまんで説明した。
「なるほど・・さすがは敬愛する主様。『邪神』まで仲間にする懐の大きさに感服致しますわ!」
リフィアスはハーティを褒め称えた後、何かを思い出したかのようにポンと手を叩いた。
「敬愛する主様。ここでは何ですし、わたくしのとっておきの場所へ行きませんか?わたくしからお伝えしたいこともたくさんあるのです!」
「わかったわ。それに、私達もリフィアス・・いえリーフィアに聞きたいことがあるのよ」
「・・先ほど申し上げたように『リフィアス』とお呼びください。わたくしは元より『リフィアス』として生きていましたが、長い時の中で『エルフ』の民達の言葉が訛って『リーフィア』と呼ばれるようになったのですから・・」
「え!?そうだったのですか!?私も陛下と五百年来の付き合いですが知りませんでした!」
グラティウスは衝撃の事実を聞いたと言う様子で目を見開いた。
「・・もう、みんな間違ってくるからだんだん訂正するのが面倒になって、三千年くらい前から『リーフィア』と名乗るようにしたのよ。こうなったら、わたくしの真名はこの身が朽ちた後に『失われた神界』で敬愛する主様に呼んでもらおうって思ったの」
「・・でも、今世で夢が叶ってようございましたわ」
「っと、お話が逸れましたわね。では敬愛する主様、こちらへ・・わたくしがご案内しますわ」
リフィアスはそう言いながら優雅に歩き出した。
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