転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

『マナドゥ』迎撃戦

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 ズギャギャギャギャギャ!!!

 リリスの極大防御魔導が発動した直後、数百もの光条が直撃した。

「「「っ!?」」」

 ハーティ達は発生した激しい閃光に思わず顔を逸らした。



 ・・・・・・・・・。


 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・。


「殿下!敵と思わしき一団から魔導攻撃の直撃を受けました!!」

「被害報告を頼む!」

「はっ!先ほどの攻撃は聖女様の防御魔導によって完全に防御できました。損害はありません!!」

「わかった、こちらかも敵は確認できるか?」

「はい、光魔導スクリーンで敵を捕らえました。女神様のおっしゃる通り、『邪神』の『眷属』とおもわしき一団です」

「・・・くそっ!」

 マクスウェルは悪態をつくと、魔導コンソールを使ってハーティへ語りかけた。

「ハーティ!『マナドゥ』に通常兵器は通用するのか!?」

『・・・わからないわ。『邪神』である以上、浄化魔導が有効であるのは間違いないけど・・今までの『邪神』達の特徴を考えると、受肉の定着具合によっては先に肉体を破壊してから浄化しないと滅ぼせないかもしれないわ!』

「なるほど・・・なら、はあるかもしれないな」

『え!?』

 マクスウェルの独り言にハーティは戸惑いの声を上げた。

『どうする!?あたし達が先行して攻撃する?』

「いや、クラリス達は待機してほしい。君達には、この艦の近くまで迫ってきた敵の迎撃を頼みたい。まずはこちらで攻撃する!」

『大丈夫なの!?』

 マクスウェルの言葉を聞いたハーティが心配するような言葉を投げかけた。

「大丈夫だ!デスティウルスとの決戦前に君たちの力を消耗させるわけにはいかない。ここは私たちに任せてくれ!!」

『・・・わかったわ!でも、もし『マナドゥ』の迎撃が難しそうなら私達も出るからね!』

「そうならないように、君にカッコいいところを見せるよ!」

 マクスウェルはハーティとの通信を終えると艦橋ブリッジに指示を出した。

「砲長!副砲用意!!」

「了解!副砲、『魔導式単装速射砲』用意!」

「・・いけそうか?」

「問題ありません、殿下!『賢者の目』は問題なく『邪神』のマナを捉えております!」

「よし!では攻撃を開始してくれ!」

「了解!」

 マクスウェルの指示を受けた砲長が魔導コンソールを操作する。

「前方に最も近い『マナドゥ』十体を目標に設定!砲塔回頭百七十度!『賢者の目』による自動照準開始!!」



 ・・・・・・・・・。


 ガゴゴゴゴゴゴ!!!

 砲長による魔導コンソールの操作により、甲板ではハーティ達の目の前にある巨大な砲塔が動き始める。

「「!!?」」

『ハーティ!耳を塞いだ方が良いぞ。いくら防御魔導があってもこいつはがするからな!』

「っ!?みんな!よくわからないけど耳を塞いだ方がいいみたいよ!」

 ハーティの言葉を聞いたユナとリリスは直ぐに両耳を塞いだ。

『対『邪神』用一型浄化魔導弾、発射!』

 ダァァァァン!!

「「「っきゃあ!?」」」

 直後、砲身から爆風のような炎と煙を伴って、巨大な砲弾が発射された。

 ガショッ!カラララン・・・。

 そして、砲弾が発射された直後、使用済みの『魔導莢カードリッジ』がパージされる。


 ・・・・・・・・。

 イィィィィン!!

 発射された弾頭は音速の数倍にも達する速度で『マナドゥ』へと迫って行く。

「・・・?」

 その時、目標にされた『マナドゥ』は遠くで聞こえた爆発のような音に首を傾げていた。

 イィィィィィィン!ドギャアアアアアアアアン!!!!

 直後、その首を傾げた『マナドゥ』に吸い込まれるように着弾した弾頭が、周りの数体も巻き込んで激しく爆散した。

 そして、爆発に巻き込まれた『マナドゥ』は跡形もなく消滅していた。




「・・す・・・すごい!」

「っ!発射の衝撃が身体の中にまで響きます・・・」

「『神界大戦』でも討伐に苦戦した『マナドゥ』があっという間に木端微塵になりましたね・・」

 甲板で光魔導スクリーン越しに『マナドゥ』が爆散するまでの一部始終を見ていたハーティ達は呆然としていた。

 そこに、再びマクスウェルの通信が入った。

『これこそが私達『女神同盟軍』が開発した対『邪神』用兵器の一つだ』

 マクスウェルが得意げにしていると、それに続くタイミングで『プラタナ』の通信が割り込んできた。

『なるほど!通常の炎属性魔導による『魔導莢カードリッジ』で魔導結晶を搭載した弾頭を発射して、着弾の瞬間に弾頭に刻まれた『浄化魔導』と『爆裂魔導エクスプロージョン』を発動することで『邪神』の肉体を破壊しながら浄化することができる兵器ね!』

『ご明察!流石は帝国で名高いクラリス嬢だ』


 ガゴゴゴゴ・・ダァァァアン!!ガショッ!カラララン・・・。

 ガゴゴゴゴ・・ダァァァアン!!ガショッ!カラララン・・・。


 クラリスとマクスウェルが会話している間も艦砲が次々と発射されていく。

 ドギャアアアアン!!ドギャアアアアン!

 それらは高い精度で『マナドゥ』へと命中し、次々と爆散しながらそれらを葬り去っていった。

『それにしてもこの命中率は何!?おかしいでしょ!!』

 淡々と『マナドゥ』を撃墜していくことにクラリスが驚きの声をあげる。

『何もおかしいことはないよ。君の『プラタナ』にも搭載されている照準システムを『邪神』に特化して改修することによって、砲塔が自動で対象となる『邪神』を狙うことができるようになっているんだ』

『『邪神』達は私達とは異なる特徴を持つマナを放出しているからね。この艦に搭載された自動照準システム『賢者の目』は、それらの『邪神』から放出されるマナを感知して即座に弾道計算を行い、それを砲塔の回頭機構や砲身の仰角調整機構に反映させる機能をもっているんだ』

『まあ、急ごしらえだから精度は今一つだけどね。それでも『爆裂魔導エクスプロージョン』と『浄化魔導』を組み合わせることによって直撃しなくても有効打を与えられるよ。どちらにせよ、私たちがこれほどの兵器を生み出せたのはクラリスやニアールの資料をフィオナ嬢やカツ殿が提供してくれたおかげだけどね』

「言っていることはさっぱりだけど、とにかくとっても凄い兵器ってことはわかったわ」

 魔導具音痴のハーティは、相変わらず二人の会話をこれっぽっちも理解できていなかった。



 ガゴゴゴゴ・・ダァァァアン!!ガショッ!カラララン・・・。

 ガゴゴゴゴ・・ダァァァアン!!ガショッ!カラララン・・・。




『・・・しかし数が多いな・・このままだと撃ち漏らした敵がこちらに到達してしまうな』

 キラキラ・・・!

「っ!?第二射が来るわ!!リリス!!防御魔導に集中して!!」

「はい!!」

 ズギャギャギャギャギャ!!!




 ・・・・・・。


 ゴゴゴゴゴゴ・・・・。

「殿下!!二時の方向、副砲による迎撃を突破した『マナドゥ』五体が接近しています!!」

「くそ!!聖女様の防御魔導にばかり甘えてはいられない!『マナドゥ』がこちらに到達する前に出来るだけ迎撃するぞ!目標、接近する五体!『浄化魔導誘導弾グングニール』用意!」

「了解!一番から五番までの発射口開け!」




 ・・・・・・。


 タッタッタッタ!!!

 マクスウェルの指示により、甲板にある発射口へ十人程の作業員が駆け寄る。

 ガコン!ガコン!!

 そして、訓練の行き渡った手慣れた動きによって素早く五門の発射口が解放された。



 ・・・・・・・。


 ゴゴゴゴゴゴ・・・・。

「発射口全て解放完了しました!」

「『賢者の目』により目標を補足!魔導式発動完了!」

「よし!『浄化魔導誘導弾グングニール』発射!!」

「了解!一番から五番の『浄化魔導誘導弾グングニール一斉発射ファイヤー!」




 ・・・・・・・。

 バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!!バシュウ!バシュウ!

「「っ!?」」

「あれは!?」

 艦橋ブリッジからの発射号令があった直後、ハーティ達の目の前で解放された発射口から炎の尾を引きながら、複数の砲弾が垂直に発射された。

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