転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま

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最終章 決戦!『デスティウルス』編

『リルヴァ』との戦い3 〜首都『カームクラン』視点〜

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 ドゥルルルル!!

 ブジャジャ!

 激しい弾幕によって、リルヴァの触手が再生する側から肉塊へと変わっていく。

「お"お"お"お"お"お"!!」

 シュイイイイン!!

 次々と破壊されていく触手にいよいよ業を煮やしたリルヴァは、頭部に浮かび上がる血の涙を流した女性の顔の口蓋を大きく広げ、マナを収束し始めた。

 ビシュウゥゥゥゥゥ!!

 そして、マナを収束し終えると、一気にその口蓋から高出力の魔弾を発射した。

「っ!?危ないでござる!!」

 連邦軍が集結している地点に向けて伸びる光条を見て、ハンゾウが絶望的な声をあげる。

 そして、間もなくマナの奔流が連邦軍を蹂躙しようとする直前のことであった。

 ズギャギャギャギャ!!

 集結した連邦軍に魔弾が着弾する直前、それは突如現れたによって阻まれた。

「あれは!?『防御魔導』!?」

 ほむらの予想通り、リルヴァの魔弾は連邦軍の前衛に展開された『防御魔導』によって防がれたのであった。



 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。


「ふむ。『クラマ式発導機』は何も武器だけに使うものではないのですよ!」

 その時、連邦軍の前衛地である『カームクラン』の中央広場では、延べ千人を超える『神社庁』の神官と巫女達が集結していた。

 彼らの前には中型の『クラマ式発導機』が据えられており、その本体から十本の魔導銀ミスリルケーブルが伸びている。

 それぞれその先には錫杖が繋がっており、それを十人の『僧侶』が手にしていた。

 その十人の『僧侶』達が『クラマ式発導機』のマナと自身のマナを使用して広域の『防御魔導』を発動したことにより、リルヴァの魔弾を防ぐことができたのだ。

「みなさん!気を抜いてはなりません!何としても『儀式上級浄化魔導』を発動させるまで時間を稼いで持ち堪えるのです!」

 それら集結した神官や巫女達の先頭に立って指揮をするのは『神社庁』総本部の『神来かむくら神宮』の筆頭宮司である。

 彼は、有史以来初となる『神社庁』と『邪神』の直接対決に大いに意気込んでいた。





 ・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・。




「お"の"れ"ぇ"え"え"え"」

 シュイイイイン!!

 しかし、魔弾を防御されたリルヴァは再びマナを収束しはじめる。

「そうはさせぬでござるよ!!」

 ザシュウ!!

 だが、魔弾によって支援の弾幕が無くなった事を確認したハンゾウが、小太刀でマナを収束しているリルヴァの頭部を斬り落とす。

 シュウゥゥゥン・・。

 そして、ハンゾウが頭部が切り離す事により、リルヴァが次射の為に収束していたマナが霧散して消滅した。

 グジュルル!

 その直後、リルヴァは再び触手を使って自らの肉体を再生させた。

 シュバババ!!

 そして、まるで攻撃を邪魔された憎しみを込めるかのように勢いよく複数の触手をハンゾウへ伸ばす。

「はああああ!」

 ザシュシュシュ!!

 ハンゾウは迫り来る触手を小太刀で迎撃するが、防ぎきれなかった一本がハンゾウの左腕に巻きついた。

 ドグンッ!!

「うああああああ!」

 触手が巻きついた瞬間、ハンゾウの視界が激しく揺れる。

 そして、ハンゾウは急激に自分の『生命の力エーテル』が奪われる感覚に陥った。

「っ!?」

 ザシュッ!

 このままではまずいと瞬時に反応したハンゾウは苦無を口に加えて思い切り歯を食いしばると、自らの左腕を小太刀で切断した。

「ふぐううう!」

 左腕を犠牲にすることで再び自由を取り戻したハンゾウは懐から『初級治癒魔導ヒール』の巻物スクロールを取り出すと、左腕の切断面に押し付けながら魔導式を発動して止血を行った。

 シュタッ!

 そして、きりもみ状態だったハンゾウは空中で何とか姿勢を正すと、地上に着地する。

「兄上!」

 そこに、悲痛な顔をしたほむらが駆け寄ってきた。

「兄上!腕が!!?」

「はあはあ・・なに、左腕の一本くらいどうということはないでござるよ。それよりも、あの触手に触れると、急激にマナを奪われるでござる・・しかも、出力するマナや、体内に蓄えたマナじゃなく・・拙者達の根源となる部分の力エーテルを奪われるような感覚でござった・・」

 その後『ぐっ!?』と苦痛に顔を歪めたハンゾウをほむらは気が気でない様子で抱き止めていた。

「拙者も今の一瞬でかなりのマナを奪われた故、しばらくまともには動けそうにないでござるよ」

「兄上、犬死だけはなりません。近くの避難誘導をしている冒険者に助けを借りて最寄りの救護施設を訪ねてください」

「ほむら・・そうでござるな。どのみち今の拙者はただの足手纏い・・御免だがそうさせてもらうでござる。・・ほむらも気をつけるでござるよ。絶対に生きて戻るでござるよ・・!」

「はい、兄上!」

 ほむらは後ろ髪を引かれる思いでハンゾウから離れると、再びリルヴァへと向き直った。

 ドゥン!

「はあああああ!」

 そして、地面を勢いよく蹴ったほむらは、小太刀を振りかぶりながらリルヴァとの距離を詰める。

「・・・・・・」

 迫り来るほむらに対抗すべく、リルヴァは自身の周囲にいくつもの魔弾を収束し始めた。

 ドギュドギュドギュドギュ!!

 そして、ものの数秒で収束を終えた多数の魔弾がほむらに向かって放たれた。

「くっ・・・!忍刀術!『鎌鼬かまいたち』!!」

 シュバババッ!!

 空中で回避行動が取れないほむらは、やむを得ず小太刀で魔弾に応戦する。

 そして、『還元』の効果が付与された目にも止まらぬ剣裁きによって次々と魔弾は消滅していく。

 シュバババッ!!

「くぅ・・・ダメ!!?」

 しかし、いよいよ捌き切れなくなった魔弾が無慈悲にもほむらへ直撃した。

 バァァァン!!

「っきゃああああ!!?」

 キィィィィーン!!ズガァァァァン!!

 魔弾を真面に食らったほむらは勢いよく墜落し、そのまま地面に刺さっていく。

 ほむらが落下したことにより、地上にあった建物は広範囲に渡って薙ぎ倒され、地上には大規模なクレーターができていた。

 そして、魔弾の直撃と落下の衝撃によって『防御魔導』の許容限界を超えた衝撃が、ほむらの全身の骨や内臓に深刻なダメージを与える。

「がはっ・・・!?」

 それにより、ほむらは激しく血を吐き出した。

「か・・ひゅう・・」

 ほむらの呼吸が弱まっていく中、リルヴァはトドメと言わんばかりに地上を『奈落』に変えるべく触手を伸ばし出した。

(もはや・・ここまでですね・・)

(何の力も持たないほむらがここまで『邪神』と戦えたのだからよかったです・・ただ、『カームクラン』の・・この世界の行く末が見れないのが残念ですが・・)

 ほむらは死が迫っているにもかかわらず、その心は穏やかであった。

 自分がそんなに長く持たないと悟ったほむらは、ぼんやりとリルヴァのいる空を眺める。

(兄上・・早速約束を破ることになって申し訳ありません・・)

 ズビュウゥゥゥ!!

 そして、いよいよリルヴァの伸ばした触手がほむらが横たわる地上へ到達しようとしていた。
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