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第一章 イリス
第四話
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二人で微笑みあっていると庭の入り口から声をかけられました。
「いつのまにかものすごく意気投合してるね」
ノエルが戻ってきたようです。隣にはジルの姿もあり、申し訳なさそうにこちらを見ています。
「ノエリアさん遅くなってすみません。イリスごめんね」
「ジルさん気にしないで。イリスととっても楽しく過ごしてたから。とにかくみんな座りましょう」
リアの言葉に私たちはそろって椅子に腰かけます。リアが改めていれてくれた紅茶を、私はそれぞれの前に置いていきます。
「ジル完全に所長に閉じ込められちゃってて」
ノエルが紅茶を飲みながら研究所での顛末を語り始めました。
「仕事って言いながらジルを留めたかっただけだね。休みだっていうのに職権濫用だよ」
唇を尖らせて自分のことのように憤慨しています。ジルもため息混じりに話します。
「今朝も昨日の仕事に不備があったって呼び出されたはずなのに、機器の調整をしてほしいって部屋に鍵かけられて。なんとかノエルに連絡したんだけど」
ジルは大変お疲れのようです。目の下にうっすらと隈が見えます。
「それで強引に引っ張ってきたわけ?」
リアが言います。
「穏便にやったよ。守衛のところで丁寧に名乗ったら所長のところに案内されて、ジルが終わるまで待ってますねって言ったら一発で解放してもらえた。もし長くなりそうだったら世間話に来年の寄付金の話でもしようかと思ってたんだけど」
ノエルが言ってちょっと悪そうに笑いました。
「迷惑をかけた。助かったよ」
ジルがノエルに頭を下げるとノエルがニコニコと笑います。
「なにはともあれみんなそろったし、実はジルたちにおみやげがあるんだ」
ノエルはそう言ってテーブルの端に置いてあった包みを私に差し出しました。
「ありがとうございます」
受け取った包みは軽く、片手でも持てるほどでした。
「開けてみて」
ノエルに促され包みを開くと、中からは半透明のスプーンが二本出てきました。
「知り合いの神殿のやつから試してほしいってもらったんだけど」
神殿とはかなり高度な研究を行っている施設だと噂で聞いたことがあります。するとこのスプーンも何か特別なものなのでしょうか。私とジルはスプーンをじっと見つめます。
「なんとこのスプーンがあれば離れた場所にいても声を届けることができるんだよ」
「⋯⋯声を届ける?」
ノエルの言葉に私はさらにまじまじとスプーンを見つめます。
「片方のスプーンを持って振ってみて」
ノエルに言われて私は右手でスプーンを持ち上げると軽く振ってみました。
すると左手に置かれたもう一方のスプーンがキラキラと赤く光り始めました。
「今度は光った方をジルが振ってみて」
ジルが私の手からスプーンを受け取って振ります。
すると赤い光が消えて、今度は私のスプーンが青く光りだしました。
「これで青く光ってる方から声を届けることができるよ。近いから声入っちゃってるね」
確かにジルの持つスプーンからノエルの声が聞こえています。
「声が届くのは一方通行で同時には話せないから、しゃべり終わったらまた振る」
うなずいてもう一度振ってみると、私のスプーンの青い光が消えて今度はジルのスプーンが青く光りました。
「それを交互に繰り返してくかんじ。終わらせるときはスプーンの皿のところをギュッと握る。これは光ってる方でも光ってない方でもオッケー」
私がスプーンを握るとジルの持つスプーンの青い光が消えました。
「これで忙しくても話せるね」
ノエルの言葉に私とジルはお礼を言いました。
私はスプーンを見ながらほうっと息を吐きます。
「神殿にはこんなにすごいものを作れる人がいるんですね。ほとんど話を聞いたことがなかったから驚きました」
私が言うと、ノエルはちらっとジルを見てからうなずきました。
「僕もそいつと知り合うまでは噂程度にしか知らなかったよ。神殿自体が独立した国家で、外での身分、家柄や婚姻関係、血のつながりさえも一切が拘束力をなくす。閉鎖的で外からの接触はほぼ不可能。かーなーり特殊な場所だね。働いてるのも変なやつばっかだって」
と、ノエルが半ばあきれたように言いました。きっと私には一生踏み入れることのない場所だと思います。
それから私たちはノエルの留学先やジルの職場、リアの日常、そして私の学校のお話をして楽しい時間を過ごし、夕方になってお茶会はお開きとなりました。リアとはまた絶対に会いましょうと固く誓い合って別れました。
そして帰りもリアの家の馬車で送っていただけることになりました。
「二人きりにしてあげたいんだけど、ちょっとジルと話したいことがあって」
と、ノエルは申し訳なさそうに馬車に同乗します。とんでもありません。ノエルは一時帰国ということですから、またすぐに留学先に戻ってしまうのです。私とジルは時間さえ合えばいつでも会えますし、あのスプーンもあります。
ほどなくして私の家に着き、ジルのエスコートで馬車を降りると、手を振って二人を見送りました。
自分の部屋に入り、ノエルからもらったスプーンを取り出すと赤く光っているのが見えました。何か言い忘れたことがあったのでしょうか。私はタクトを振るように目の前でスプーンを動かします。
──ガタッガタッ
何かがぶつかるような音が聞こえてきました。どうしたのでしょうか。スプーンを机に置いてジルの声を待ちます。
『──ジル口説かれてるんだって?』
聞こえてきたのはノエルの声でした。ですが私に話しかけているわけではないようです。
『その言い方どうなんだ。⋯⋯でもまあそうだな』
答えるジルの声。
『あっちは研究所でのジルの立場がわかってるからねえ、なかなか強引なんじゃない』
『まあな』
苦笑するようなジルの声が聞こえます。
『卒業前からだから相当執念深いね。でもジルも興味持ってるようなこと言ってなかったっけ。もうこの際受けちゃえば仕事をするにはいい環境になるんじゃないの』
揶揄するようなノエルの声に私は息を飲みます。まずいです。これは聞いてはいけない会話なのではないでしょうか。この望まない盗み聞きを止めるために急いで机に手を伸ばしました。しかし慌てすぎて手元が狂い、手に弾かれたスプーンがベッドの下に飛び込んでしまいます。
「ああ!」
私は勢いよく床に這いつくばり暗がりをのぞき込みます。かなり遠くにそれらしきものが見えました。
『確かに興味はあったな。ただ実際に声をかけられたときにはもうイリスとの婚約の話が出てたから』
必死に手を伸ばしている間も二人の会話は続いています。早く、早く止めないと。
『でもイリスと婚約してても大丈夫なんじゃないかな。ジル次第だと思うよ』
いけない。聞いてはいけない。私は伸ばしていた手を引っ込めて耳をふさぎます。勝手にお話を聞いてはいけません。少々はしたないですが、左足を曲げて床に座ると右足でベッドの下を探ります。しばらくバタバタしていると指先に何かが当たる感覚がありました。足先に全神経を集中させて必死にこちらに引き寄せると、ようやく甲のあたりまで来ました。あとは手を伸ばせばつかめそうです。耳をふさいでいた手を外すと、聞こえてきたのはジルの声。
『あの秘書と話して、イリスに卒業花を渡さなくてよかったって心の底から思ったんだ』
『⋯⋯えっ? ジル渡して──』
声が途切れました。私の右手はベッドの下に差し込まれてスプーンを握りしめています。マットレスの上に置いた左手に力なく頬を寄せると、思いのほか冷たい指先が触れて思わず顔をしかめます。
ジルのスプーンはなにかの拍子に意図せず振れてしまい、気付かないまま二人の会話がこちらに流れてしまったのでしょう。
息を吐いて手の中のスプーンを見つめます。あの言葉の意図は明らかで、けれど私に聞かせるためのものではありませんでした。夜になったらまたこのスプーンを使ってジルと話をしなければと思います。
夕食の後、自室に戻りべッドの上に置いたままだったスプーンを手に取ります。そのままベッドに座ってジルに連絡を取ろうとしたちょうどそのときスプーンが赤く光り出しました。すぐに振ってジルの声を待ちます。
『イリス。今大丈夫?』
そして、青く光ったスプーンに私も声をかけます。
『大丈夫よ。私もジルと話したいと思ってたの』
『よかった。明日からもまた忙しいだろうから、イリスの声を聞いておきたくて』
いつもと同じ優しい声です。さきほどの言葉とのちぐはぐさに一人で悩む前にジルに直接確認しておきたいと思いました。
『あのねジル、会って聞きたいことがあって』
ジルは少し考えているようでした。わずかな沈黙の後ジルからの声が届きます。
『明日の朝出勤前の早い時間になるけど会えるかな』
「いつのまにかものすごく意気投合してるね」
ノエルが戻ってきたようです。隣にはジルの姿もあり、申し訳なさそうにこちらを見ています。
「ノエリアさん遅くなってすみません。イリスごめんね」
「ジルさん気にしないで。イリスととっても楽しく過ごしてたから。とにかくみんな座りましょう」
リアの言葉に私たちはそろって椅子に腰かけます。リアが改めていれてくれた紅茶を、私はそれぞれの前に置いていきます。
「ジル完全に所長に閉じ込められちゃってて」
ノエルが紅茶を飲みながら研究所での顛末を語り始めました。
「仕事って言いながらジルを留めたかっただけだね。休みだっていうのに職権濫用だよ」
唇を尖らせて自分のことのように憤慨しています。ジルもため息混じりに話します。
「今朝も昨日の仕事に不備があったって呼び出されたはずなのに、機器の調整をしてほしいって部屋に鍵かけられて。なんとかノエルに連絡したんだけど」
ジルは大変お疲れのようです。目の下にうっすらと隈が見えます。
「それで強引に引っ張ってきたわけ?」
リアが言います。
「穏便にやったよ。守衛のところで丁寧に名乗ったら所長のところに案内されて、ジルが終わるまで待ってますねって言ったら一発で解放してもらえた。もし長くなりそうだったら世間話に来年の寄付金の話でもしようかと思ってたんだけど」
ノエルが言ってちょっと悪そうに笑いました。
「迷惑をかけた。助かったよ」
ジルがノエルに頭を下げるとノエルがニコニコと笑います。
「なにはともあれみんなそろったし、実はジルたちにおみやげがあるんだ」
ノエルはそう言ってテーブルの端に置いてあった包みを私に差し出しました。
「ありがとうございます」
受け取った包みは軽く、片手でも持てるほどでした。
「開けてみて」
ノエルに促され包みを開くと、中からは半透明のスプーンが二本出てきました。
「知り合いの神殿のやつから試してほしいってもらったんだけど」
神殿とはかなり高度な研究を行っている施設だと噂で聞いたことがあります。するとこのスプーンも何か特別なものなのでしょうか。私とジルはスプーンをじっと見つめます。
「なんとこのスプーンがあれば離れた場所にいても声を届けることができるんだよ」
「⋯⋯声を届ける?」
ノエルの言葉に私はさらにまじまじとスプーンを見つめます。
「片方のスプーンを持って振ってみて」
ノエルに言われて私は右手でスプーンを持ち上げると軽く振ってみました。
すると左手に置かれたもう一方のスプーンがキラキラと赤く光り始めました。
「今度は光った方をジルが振ってみて」
ジルが私の手からスプーンを受け取って振ります。
すると赤い光が消えて、今度は私のスプーンが青く光りだしました。
「これで青く光ってる方から声を届けることができるよ。近いから声入っちゃってるね」
確かにジルの持つスプーンからノエルの声が聞こえています。
「声が届くのは一方通行で同時には話せないから、しゃべり終わったらまた振る」
うなずいてもう一度振ってみると、私のスプーンの青い光が消えて今度はジルのスプーンが青く光りました。
「それを交互に繰り返してくかんじ。終わらせるときはスプーンの皿のところをギュッと握る。これは光ってる方でも光ってない方でもオッケー」
私がスプーンを握るとジルの持つスプーンの青い光が消えました。
「これで忙しくても話せるね」
ノエルの言葉に私とジルはお礼を言いました。
私はスプーンを見ながらほうっと息を吐きます。
「神殿にはこんなにすごいものを作れる人がいるんですね。ほとんど話を聞いたことがなかったから驚きました」
私が言うと、ノエルはちらっとジルを見てからうなずきました。
「僕もそいつと知り合うまでは噂程度にしか知らなかったよ。神殿自体が独立した国家で、外での身分、家柄や婚姻関係、血のつながりさえも一切が拘束力をなくす。閉鎖的で外からの接触はほぼ不可能。かーなーり特殊な場所だね。働いてるのも変なやつばっかだって」
と、ノエルが半ばあきれたように言いました。きっと私には一生踏み入れることのない場所だと思います。
それから私たちはノエルの留学先やジルの職場、リアの日常、そして私の学校のお話をして楽しい時間を過ごし、夕方になってお茶会はお開きとなりました。リアとはまた絶対に会いましょうと固く誓い合って別れました。
そして帰りもリアの家の馬車で送っていただけることになりました。
「二人きりにしてあげたいんだけど、ちょっとジルと話したいことがあって」
と、ノエルは申し訳なさそうに馬車に同乗します。とんでもありません。ノエルは一時帰国ということですから、またすぐに留学先に戻ってしまうのです。私とジルは時間さえ合えばいつでも会えますし、あのスプーンもあります。
ほどなくして私の家に着き、ジルのエスコートで馬車を降りると、手を振って二人を見送りました。
自分の部屋に入り、ノエルからもらったスプーンを取り出すと赤く光っているのが見えました。何か言い忘れたことがあったのでしょうか。私はタクトを振るように目の前でスプーンを動かします。
──ガタッガタッ
何かがぶつかるような音が聞こえてきました。どうしたのでしょうか。スプーンを机に置いてジルの声を待ちます。
『──ジル口説かれてるんだって?』
聞こえてきたのはノエルの声でした。ですが私に話しかけているわけではないようです。
『その言い方どうなんだ。⋯⋯でもまあそうだな』
答えるジルの声。
『あっちは研究所でのジルの立場がわかってるからねえ、なかなか強引なんじゃない』
『まあな』
苦笑するようなジルの声が聞こえます。
『卒業前からだから相当執念深いね。でもジルも興味持ってるようなこと言ってなかったっけ。もうこの際受けちゃえば仕事をするにはいい環境になるんじゃないの』
揶揄するようなノエルの声に私は息を飲みます。まずいです。これは聞いてはいけない会話なのではないでしょうか。この望まない盗み聞きを止めるために急いで机に手を伸ばしました。しかし慌てすぎて手元が狂い、手に弾かれたスプーンがベッドの下に飛び込んでしまいます。
「ああ!」
私は勢いよく床に這いつくばり暗がりをのぞき込みます。かなり遠くにそれらしきものが見えました。
『確かに興味はあったな。ただ実際に声をかけられたときにはもうイリスとの婚約の話が出てたから』
必死に手を伸ばしている間も二人の会話は続いています。早く、早く止めないと。
『でもイリスと婚約してても大丈夫なんじゃないかな。ジル次第だと思うよ』
いけない。聞いてはいけない。私は伸ばしていた手を引っ込めて耳をふさぎます。勝手にお話を聞いてはいけません。少々はしたないですが、左足を曲げて床に座ると右足でベッドの下を探ります。しばらくバタバタしていると指先に何かが当たる感覚がありました。足先に全神経を集中させて必死にこちらに引き寄せると、ようやく甲のあたりまで来ました。あとは手を伸ばせばつかめそうです。耳をふさいでいた手を外すと、聞こえてきたのはジルの声。
『あの秘書と話して、イリスに卒業花を渡さなくてよかったって心の底から思ったんだ』
『⋯⋯えっ? ジル渡して──』
声が途切れました。私の右手はベッドの下に差し込まれてスプーンを握りしめています。マットレスの上に置いた左手に力なく頬を寄せると、思いのほか冷たい指先が触れて思わず顔をしかめます。
ジルのスプーンはなにかの拍子に意図せず振れてしまい、気付かないまま二人の会話がこちらに流れてしまったのでしょう。
息を吐いて手の中のスプーンを見つめます。あの言葉の意図は明らかで、けれど私に聞かせるためのものではありませんでした。夜になったらまたこのスプーンを使ってジルと話をしなければと思います。
夕食の後、自室に戻りべッドの上に置いたままだったスプーンを手に取ります。そのままベッドに座ってジルに連絡を取ろうとしたちょうどそのときスプーンが赤く光り出しました。すぐに振ってジルの声を待ちます。
『イリス。今大丈夫?』
そして、青く光ったスプーンに私も声をかけます。
『大丈夫よ。私もジルと話したいと思ってたの』
『よかった。明日からもまた忙しいだろうから、イリスの声を聞いておきたくて』
いつもと同じ優しい声です。さきほどの言葉とのちぐはぐさに一人で悩む前にジルに直接確認しておきたいと思いました。
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