彼氏の口癖は「またいつか」、それが嫌

こぐま

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彼女の憂鬱

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私の彼氏の口癖は、

「またいつか」


デートに行って、美味しいものを食べた時にも、

「美味しい!」
「良かった、またいつか来ような」


どこに行きたいか聞かれて、

「沖縄に行きたい!」
「またいつか行けるといいな」

だからと言って、1度も連れて行ってくれない。
聞いたくせに!
その「またいつか」は
社交辞令で言ってるの?
本気で言ってないでしょ?


彼氏は好きだけど、
「またいつか」を言う彼氏はなんか嫌いだ。




今日は海に来ていて、
つい、彼氏への不安が募り


「私達、ずっと一緒に居られるかな?」


大丈夫ずっと一緒だよ、
そんな少女漫画のような
夢のある言葉を言ってくれる事を、
私は期待してしまっていた。
そして、彼の返した言葉は、


「さぁな、またいつか話したい事あるからさ、
その話はまたな。
今は砂のお城作ろうぜ」

「いやいや、今、堂々と話してよ」

「え…いや…」


ムードも何もぶち壊しだし、イラついた…


「あのさ、さぁな、って…私の事は遊びなの?!
なんで私を不安ばっかりにさせるの?
彼女を安心させるのが彼氏の役目じゃないの?
またいつか話したい事って何?
なんで、今じゃダメなの?!
なんで、いつも後回しにするの?
社交辞令で、『またいつか』を言うのはやめて!
もう不安なの…お願いだから、今言ってよ…」


そうやって、感情が抑えられず、
怒りに身を任せて彼氏に
本音を言ってしまった…。


彼氏は俯いたまま、
「ごめん…」
と、一言つぶやいた。


え…それだけ?
だんだん彼氏が嫌いになる…。
付き合う前はお互い素直に
意見交換してたのに、
いつからか、『またいつか』
この言葉に悩まされるようになった。


「いつか絶対話すから、それまで待ってて…」


「いつかは聞き飽きたの!
別に思ってもない事を『またいつか』で
済ませて、期待させないでよ!」


あーあ…言っちゃった。
もう、嫌だ…。
私、最悪…。


「分かったから…ただ待っててくれ、
俺を信じてほしい」

「何を待つの?」

「大丈夫だから」


彼氏は手についた砂をしっかり払い落とし、
私の目をしっかり見ながら、
私の頭を撫でた。
ただそれだけなのに、私は彼の目と
その言葉を信頼できてしまった…。
やっぱり、なんだかんだで彼が好きだった…。


いやいや、
それでも、いつもそうだ。
彼氏は私達の将来に対して
何も思わないんだろうか?


本当にまたいつか、話してくれるの?
ってか、何話すの?
それが私、不安なんだよ…。
別れたいとかじゃないよね…?


そんなモヤモヤを抱えながら、
彼氏と2人で大きな砂のお城を黙々と作り、
それを写真に撮り、
車に乗り、夕食を食べに行く。


デートじゃない、これはもう作業だ。




夕食は彼氏が、
3ヶ月前から予約していたらしい
完全、個室の日本料理店、
調べた所、少しお値段がお高めらしい。


少し古風な掛け軸がある畳の個室で、
おばあちゃん家にいるような、
懐かしい感じがした。


窓の外も現代離れしたような
綺麗な庭園だ…。


「素敵…」

千枝 ちえが喜んでくれたなら、
ここにして良かったって思えるよ」

「ありがと」


ご飯も美味しくて、絶品だ…


千枝ちえ…またいつか…ここに来ような…」


でた…「またいつか」
その言葉を聞くとイラッとするが、
彼氏はポケットから、箱を取り出す。


その中身は指輪だった…。


「結婚して…いつか必ず!
一緒にここに来てくれませんか!」

「え…」

彼氏の指輪を持ちながら頭を下げる姿を見て、
私は一瞬頭が固まった…


「いつも不安にさせてごめん!
今まで俺ばっかりが絶対に、千枝ちえ
結婚できるって思い込んでて、
結婚して20年後、30年後もどうせ一緒だと思って、
『またいつか来たいな…』とか
新婚旅行はどこがいいのかな?なんて考えてて、
だから、『またいつか』って完全に浮かれてた…
こんな俺だけど、もしよろしければ、
一緒にこれからも居てほしい!」



「…なにそれ…そんな事考えてくれてたの?
ごめんね…私こそ…ずっと一緒に居たいって
思いながらも、
どっか亮くんが全く考えてないって
疑ってた…」



「そうやって、安心させられなかった俺が悪い」


そう言って亮くんは優しく私の頭を
撫でてくれる。


「亮くん…ありがとう…また…いつか、ここに来よう!
だからその指輪、ちょうだい!」




私達はその後、結婚し
子供2人に恵まれ、
長男の7才の誕生日に
家族4人で、またここにご飯を食べに来た。


「お父さん、お母さんここの料理美味しいね!」

「またいつか来ようね!」

「またいつか来ような」
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