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29. 期間限定銭ゲバ聖女、爆誕
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「そう言えば何の借金なの? 何か壊したとか」
「ここに来る前に教会が私の親にお金をあげたから、それを返済しないといけないって。でも、私に親はいなかったと思うから、誰なのか分からない。ここにくる前はいつも、捨て子とか孤児の使用人って言われてたはず」
ロクサーナは見習い扱いで毎月給料が支払われている。その額は成人の見習いと同額なので、年齢から言えば驚くほど高額。
食事は3食無料で、制服のローブも無料で支給される。それ以外の物は各自給料から購入しなければならないが、ロクサーナは小さすぎるチュニック一枚で、着替えも持っていないと言う。
もちろん、引き取った際に親にお金を払ったり貸したりすることはありえない。
1日の活動は9時から16時まで、それ以降は自主練か休憩かは本人次第。週に1日の休みも決められている。
(何一つ守られていない上に、報告書にも本人にも嘘ばかり。担当者は何を考えてるんだ!)
ジルベルト司祭は担当司祭が急病になり神託の儀を押し付けられたせいで、報告書に書かれている内容しか知らずにロクサーナに会った。
クソ忙しいのに余分な仕事を追いつけやがってと、腹を立てていたジルベルト司祭だったが⋯⋯。
(奴がやっていたらどうなっていたのか。身体が小さいのもガリガリなのも、怯えて目を合わせないのも当然じゃないか!)
「着替えなしで洗濯とかはどうしていたのかな」
「寝る前に《服が綺麗になれ》って言えば草のシミとか臭いとか取れる」
「お風呂は?」
「《身体が綺麗になれ》って」
(無意識に魔法を覚えて⋯⋯考えるとそれが実現するなら、何でもありじゃないか)
「えーっと、他にはなにかそういうのってあるのかな」
「さ、最近は色々⋯⋯ズルしてごめんなさい」
「いや、それはズルじゃなくて無意識に魔法を使ってるんだ。悪い事じゃないから」
「⋯⋯落ち葉を集めたり⋯⋯抜いていい薬草の名前とか効果が分かったり⋯⋯水でちょびっと眠いのが治ったり⋯⋯洗濯物の皺をとったり⋯⋯他にも言った方がいいですか?」
「いや、十分教えてもらったから。そういうのって簡単にできるの?」
「ああなったらいいなとか、助かるんだけどとか思ってたら⋯⋯すぐじゃないけど」
(つまり、ロクサーナは仕事を押し付けられすぎて必死になってるうちに、何となく魔法を覚えてるって事か。
まさに 天佑神助ってやつだな。本人は神を信じてないが)
天佑神助は天と神から助けがきたかのように、思わぬ幸運が転がりこんできて助かること。
「今日、ロクサーナは聖女だって神託がおりたから、部屋を移って修練をはじめないとね」
「聖女が何なのか知らないけど、仕事できないと困る。利息がつくから早く返さないと」
「聖女は人の怪我や病気を治癒したり結界を張ったり、聖水を作ったり⋯⋯他にも色々あるけど、一番は治癒魔法だね。
もしかして怪我とか治せる?」
小さく頷いたロクサーナが謝った。
「黙っててごめんなさい」
「大丈夫だよ。聖女としての修練とか治療なんかの依頼を受けるのは、ちゃんとした仕事だから⋯⋯今までやっていた仕事はほとんどやらなくていいんだ。
それと、ロクサーナには借金なんてないし今までも給料が支払われてた。これからはその額も増える」
「⋯⋯給料ってなに? 借金はないの?」
ジルベルト司祭に何度も何度も説明されて、ロクサーナはようやく自分が騙されていたことを知った。
「騙されてた? 痛いのも眠いのも、食べるものがないのも⋯⋯ずっと?」
「そう、なぜこんなことなっていたのか調べるよ。ロクサーナはこれから部屋を移動して、聖女になるんだよ」
「聖女⋯⋯魔法で治療して、教会に⋯⋯」
「そう」
「聖女にはならない。人は嫌いだから治療したくない。神様の言うことなんて聞きたくない。神様も嫌いだから言う事を聞きたくない。
借金がないなら教会にはいたくない。教会も嫌い、息ができなくなる」
「ロクサーナ⋯⋯」
「鞭とかベルトで叩かれるのも、焼けた火かき棒とかそのまま飛んでくる火とか、頭を水に突っ込まれて息ができなくなるのも⋯⋯風が飛んできて手とか足とかに切り傷とか⋯⋯土やゴミを食べさせられる。
ここにいたら痛くて怖くて⋯⋯全部嫌だ。
人は怖いし、神様はいても私の事だけ見てないから大嫌い。教会にはいたくない。神様なんていない。聖女になんてならない」
(5年もの間これだけの思いをしてひとりで耐えてきたんだ。神も人も信用できなくても仕方ないか)
「じゃあ、1年か2年だけ試してみないか? で、もう一度考えてみる。ロクサーナはいっぱい間違いを教えられて、酷い扱いを受けてきた。
今度は間違いも嘘も体罰もない⋯⋯食事は3回必ず食べられるし、給料をもらえるから必要なものや欲しいものも買える。
例えばクッキーとかケーキとか」
「クッキーやケーキ⋯⋯それって何?」
(そこからか! なら、果実水とかも知らないよな)
「甘いお菓子のことだよ」
「あっ、『お菓子』なら見たことはないけど聞いたことがある。真面に仕事できる人が食べられる美味しいもの。甘いは⋯⋯分からない」
「着替えもあるし風呂にも入れる」
「着替えは嬉しいかも。1枚でいいからあったら⋯⋯破れた時に助かる」
「外が明るくなるまで寝られる」
「そ、それは凄い⋯⋯外で鳥が鳴きはじめた頃に横になっても、ちょびっと寝れる」
「パンは硬くないし幾つでも食べられる」
「硬くないパン? カビは?」
「スープには具が入ってるし、卵とかハムとかお肉や魚もある」
「どんな味? 匂いはなんとなく知ってるかも。お腹がぐうってなる匂い」
「ベッドもあるし部屋に窓がある」
「ベッドは知らないけど、窓は嬉しい。外の空気が入ってくる」
「じゃあ1日体験してみよう。で、もう少し体験してもいいと思ったら1週間続けてみる。もちろんその間は私が責任を持って約束を守るからね」
こうして『期間限定の銭ゲバ聖女』が誕生した。
修練等教会での全ては個室。
担当はジルベルト司祭で変更なし。
契約期間中は能率給で都度支払い。
仕事は単独か身バレなしのものだけ。
他者との交流に認識阻害をかけても良い。
内容により拒否権あり。
契約魔法なしでは仕事を受けない。
ひとつでも違反した場合、即日で契約を破棄し聖女を引退し、誰からの干渉も受け付けない。
(今でも神なんて信じてないし大嫌い。もし神がいてそれを許さないって言うなら、魔法でも魔力でも⋯⋯生命だって勝手に奪えばいいって思ってる。
人は嫌いだし信用もしていないけど、全部拒否してた昔よりちょっとは変わったと思う。『来るものは拒まず去る者は追わず』って感じかな。
お金はいくらあってももっと欲しくなる。だって、お金があれば必ずパンが食べられるって知ったから。固くてカビの生えたパンさえ食べられなかった頃の夢を今でもみるからね。
のんびりしてると不安になるから、仕事があるとすごく助かるし。
いつか⋯⋯いつか、あの頃の夢を見なくなったら⋯⋯ミュウ達とのんびり暮らしたい。
その時、あの子達がそばにいてくれますようにって、いつも願ってる。
ミュウ達はしょっちゅう怒ったり叱ったりしてくるけど、大好きだよって伝えてくれるの。ずっとそばにいるよって⋯⋯初めて会ったあの頃から⋯⋯ずっと同じだから。ミュウ達がいてくれるから、家族とか仲間とか友達とかっていうのは『本当は素敵』なんだって知ったから。
ここだけの話だけど、神がいるとしたらミュウ達だと思うの。あの状態で5年も生きてこれたのはミュウ達が助けてくれたからだって知ってるから)
「ここに来る前に教会が私の親にお金をあげたから、それを返済しないといけないって。でも、私に親はいなかったと思うから、誰なのか分からない。ここにくる前はいつも、捨て子とか孤児の使用人って言われてたはず」
ロクサーナは見習い扱いで毎月給料が支払われている。その額は成人の見習いと同額なので、年齢から言えば驚くほど高額。
食事は3食無料で、制服のローブも無料で支給される。それ以外の物は各自給料から購入しなければならないが、ロクサーナは小さすぎるチュニック一枚で、着替えも持っていないと言う。
もちろん、引き取った際に親にお金を払ったり貸したりすることはありえない。
1日の活動は9時から16時まで、それ以降は自主練か休憩かは本人次第。週に1日の休みも決められている。
(何一つ守られていない上に、報告書にも本人にも嘘ばかり。担当者は何を考えてるんだ!)
ジルベルト司祭は担当司祭が急病になり神託の儀を押し付けられたせいで、報告書に書かれている内容しか知らずにロクサーナに会った。
クソ忙しいのに余分な仕事を追いつけやがってと、腹を立てていたジルベルト司祭だったが⋯⋯。
(奴がやっていたらどうなっていたのか。身体が小さいのもガリガリなのも、怯えて目を合わせないのも当然じゃないか!)
「着替えなしで洗濯とかはどうしていたのかな」
「寝る前に《服が綺麗になれ》って言えば草のシミとか臭いとか取れる」
「お風呂は?」
「《身体が綺麗になれ》って」
(無意識に魔法を覚えて⋯⋯考えるとそれが実現するなら、何でもありじゃないか)
「えーっと、他にはなにかそういうのってあるのかな」
「さ、最近は色々⋯⋯ズルしてごめんなさい」
「いや、それはズルじゃなくて無意識に魔法を使ってるんだ。悪い事じゃないから」
「⋯⋯落ち葉を集めたり⋯⋯抜いていい薬草の名前とか効果が分かったり⋯⋯水でちょびっと眠いのが治ったり⋯⋯洗濯物の皺をとったり⋯⋯他にも言った方がいいですか?」
「いや、十分教えてもらったから。そういうのって簡単にできるの?」
「ああなったらいいなとか、助かるんだけどとか思ってたら⋯⋯すぐじゃないけど」
(つまり、ロクサーナは仕事を押し付けられすぎて必死になってるうちに、何となく魔法を覚えてるって事か。
まさに 天佑神助ってやつだな。本人は神を信じてないが)
天佑神助は天と神から助けがきたかのように、思わぬ幸運が転がりこんできて助かること。
「今日、ロクサーナは聖女だって神託がおりたから、部屋を移って修練をはじめないとね」
「聖女が何なのか知らないけど、仕事できないと困る。利息がつくから早く返さないと」
「聖女は人の怪我や病気を治癒したり結界を張ったり、聖水を作ったり⋯⋯他にも色々あるけど、一番は治癒魔法だね。
もしかして怪我とか治せる?」
小さく頷いたロクサーナが謝った。
「黙っててごめんなさい」
「大丈夫だよ。聖女としての修練とか治療なんかの依頼を受けるのは、ちゃんとした仕事だから⋯⋯今までやっていた仕事はほとんどやらなくていいんだ。
それと、ロクサーナには借金なんてないし今までも給料が支払われてた。これからはその額も増える」
「⋯⋯給料ってなに? 借金はないの?」
ジルベルト司祭に何度も何度も説明されて、ロクサーナはようやく自分が騙されていたことを知った。
「騙されてた? 痛いのも眠いのも、食べるものがないのも⋯⋯ずっと?」
「そう、なぜこんなことなっていたのか調べるよ。ロクサーナはこれから部屋を移動して、聖女になるんだよ」
「聖女⋯⋯魔法で治療して、教会に⋯⋯」
「そう」
「聖女にはならない。人は嫌いだから治療したくない。神様の言うことなんて聞きたくない。神様も嫌いだから言う事を聞きたくない。
借金がないなら教会にはいたくない。教会も嫌い、息ができなくなる」
「ロクサーナ⋯⋯」
「鞭とかベルトで叩かれるのも、焼けた火かき棒とかそのまま飛んでくる火とか、頭を水に突っ込まれて息ができなくなるのも⋯⋯風が飛んできて手とか足とかに切り傷とか⋯⋯土やゴミを食べさせられる。
ここにいたら痛くて怖くて⋯⋯全部嫌だ。
人は怖いし、神様はいても私の事だけ見てないから大嫌い。教会にはいたくない。神様なんていない。聖女になんてならない」
(5年もの間これだけの思いをしてひとりで耐えてきたんだ。神も人も信用できなくても仕方ないか)
「じゃあ、1年か2年だけ試してみないか? で、もう一度考えてみる。ロクサーナはいっぱい間違いを教えられて、酷い扱いを受けてきた。
今度は間違いも嘘も体罰もない⋯⋯食事は3回必ず食べられるし、給料をもらえるから必要なものや欲しいものも買える。
例えばクッキーとかケーキとか」
「クッキーやケーキ⋯⋯それって何?」
(そこからか! なら、果実水とかも知らないよな)
「甘いお菓子のことだよ」
「あっ、『お菓子』なら見たことはないけど聞いたことがある。真面に仕事できる人が食べられる美味しいもの。甘いは⋯⋯分からない」
「着替えもあるし風呂にも入れる」
「着替えは嬉しいかも。1枚でいいからあったら⋯⋯破れた時に助かる」
「外が明るくなるまで寝られる」
「そ、それは凄い⋯⋯外で鳥が鳴きはじめた頃に横になっても、ちょびっと寝れる」
「パンは硬くないし幾つでも食べられる」
「硬くないパン? カビは?」
「スープには具が入ってるし、卵とかハムとかお肉や魚もある」
「どんな味? 匂いはなんとなく知ってるかも。お腹がぐうってなる匂い」
「ベッドもあるし部屋に窓がある」
「ベッドは知らないけど、窓は嬉しい。外の空気が入ってくる」
「じゃあ1日体験してみよう。で、もう少し体験してもいいと思ったら1週間続けてみる。もちろんその間は私が責任を持って約束を守るからね」
こうして『期間限定の銭ゲバ聖女』が誕生した。
修練等教会での全ては個室。
担当はジルベルト司祭で変更なし。
契約期間中は能率給で都度支払い。
仕事は単独か身バレなしのものだけ。
他者との交流に認識阻害をかけても良い。
内容により拒否権あり。
契約魔法なしでは仕事を受けない。
ひとつでも違反した場合、即日で契約を破棄し聖女を引退し、誰からの干渉も受け付けない。
(今でも神なんて信じてないし大嫌い。もし神がいてそれを許さないって言うなら、魔法でも魔力でも⋯⋯生命だって勝手に奪えばいいって思ってる。
人は嫌いだし信用もしていないけど、全部拒否してた昔よりちょっとは変わったと思う。『来るものは拒まず去る者は追わず』って感じかな。
お金はいくらあってももっと欲しくなる。だって、お金があれば必ずパンが食べられるって知ったから。固くてカビの生えたパンさえ食べられなかった頃の夢を今でもみるからね。
のんびりしてると不安になるから、仕事があるとすごく助かるし。
いつか⋯⋯いつか、あの頃の夢を見なくなったら⋯⋯ミュウ達とのんびり暮らしたい。
その時、あの子達がそばにいてくれますようにって、いつも願ってる。
ミュウ達はしょっちゅう怒ったり叱ったりしてくるけど、大好きだよって伝えてくれるの。ずっとそばにいるよって⋯⋯初めて会ったあの頃から⋯⋯ずっと同じだから。ミュウ達がいてくれるから、家族とか仲間とか友達とかっていうのは『本当は素敵』なんだって知ったから。
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