59 / 126
54.熊に地味な嫌がらせを続けよう
しおりを挟む
「あら、帆立の貝殻にそんな効果があったなんて知らなかったわぁ⋯⋯でも、そんなに大量に仕入れて使い切れるの?」
船の上でサザエの壺焼きと帆立の串をモリモリと食べながら、酒盛り真っ最中の5人。ロクサーナはもちろん果実水。
「ゲホッゲホッ⋯⋯な、なんだこりゃ⋯喉が焼け⋯⋯ゲホッゲホッ」
「あっれぇ~、ごめ~ん。忘れてた~。アブサンって言う死にそうなくらい強いお酒だからさ~、水で薄めてね~。ププッ」
ウルサの前だけにほんのちょっぴり入れて置いておいたアブサンは、ロクサーナの意趣返し。
「大丈夫って言うか、山に捨てた分も取りに行こうかって思うくらいなんだ~。島を買ったんだけどね、土壌改良しないと畑が作れなくって」
「「⋯⋯はあ!? 島ぁぁ」」
トランザニア王国がすっかり気に入ったロクサーナは本土の近くにある手付かずの島を即金で購入。
切り立った崖に囲まれて、港に使えそうな場所もない。生い茂った山と荒れ果てた大地しかない島だが、とにかく広い。
山頂にはドラゴンが住みつき森には魔物が群れをなしている。生い茂った木には果実がなり、薬草が生え⋯⋯まくっていた。
(森は魔力が半端なかったもん。魔物が元気なはずだよね)
「使い物にならないからって放置されてたと言うか、もしかしたら前人未到ってやつかも。上陸できないとかドラゴンが危険だとかって言って放置されてたんだよね~」
「なんでそんなとこ買っちゃったのよ! ロクサーナは飛べるって言っても、使い物にならない島なんて⋯⋯それにドラゴンなんてパクって、オヤツにされちゃうかもよ」
「島に魔物がいるって事は水場がある。んで、調べてみたら結構大きな川があってさ、崖から滝みたいに流れ落ちてたの。水が確保できるとなると、次は移動手段の問題があるから⋯⋯崖を削って、昇降機を付けたの~」
ロクサーナは飛び出した岩場を加工して、桟橋を作り⋯⋯船を買った。
「ドラゴンって理由もなく襲ってくる魔物達とは違うから⋯⋯ 放っておけば共存できるし」
ミュウ達と一緒に挨拶に行くとドラゴンが怯えて羽根で顔を隠し、ほぼ土下座状態になったのは秘密の話。
(ドラゴンの威厳とかプライド、大事だからね。プルプル震えてキュウンキュウンって泣くのは超可愛かったけど、イメージを損ねない配慮はしてあげなくちゃ)
荒地の開拓はほぼ完了し、家や畑を作るスペースを確保してスローライフに向けて少しずつ準備をはじめている。
「帆立の貝殻を大量に手に入れたら、家を建てながら土壌改良をはじめる予定」
ミュウ達が走り回れる広い空き地と、人間の目を気にせず自由に飛び回れる青い空。
地上2階、地下1階建ての広い家と大きな暖炉。大きな畑と飼育小屋⋯⋯できれば、みんなで泳げる大きな池を作りたい。
暑い季節は池で泳ぎ、肌寒い時は暖炉に薪をくべる。
野菜畑と薬草園⋯⋯暑さに弱いコントライェルバは結界を張って温度調節を。
「ぼっち生活⋯⋯」
「仲間はいるもん(人間じゃないけど)」
「俺ら、遠すぎて遊びに行けねえじゃん」
かなり酔っ払ったウルサはライトの下でも顔の赤さが目立っている。
「ええっ! 熊の襲撃!? 熊用の寝床ってどうやって作⋯⋯」
「熊じゃねえ!」
「一応、転移門はつけるって約束したんだよね~」
少し恥ずかしそうに笑ったロクサーナの様子にシーミアが食いついた。
「へえ、ロクサーナちゃんったら隅におけないじゃん。なになに? ドキドキの胸キュンのワクワクなお話があるってわけね~」
胸の前で手を組んでキラッキラに目を輝かせたシーミア⋯⋯に胸キュンしたロクサーナ。
「胸キュンならシーミアさんの美貌を見るたびにしてるよ? ドキドキは⋯⋯あっ、大型の魔物の風下に移動する時? ワクワクは珍しい素材を換金す⋯⋯」
「ごめん、聞いたアタシがバカだったわ。間抜け具合はウルサとおんなじって知ってたのに⋯⋯少女のトキメキとかラブラブ過ぎて桜色に染まる頬とか、はにかむ笑顔でモジモジとか⋯⋯その辺のロマンスは他をあたるわ」
よく分からないうちにシーミアに落胆されたらしい。
船縁に立つウルサの後ろ姿を見ると、魔法をぶち当てて海に落としたくなる⋯⋯それを想像した時にドキドキワクワクするとは言えなかった。
(空気を読めた!)
【心の機微はわかんないけどね。それもまだ成長期かなぁ】
「転移門の登録は今のところジルベルト司祭とドワーフ村の村長のブランドンさんの2人(人って言って良いのかな)なんだ~」
「「ドワーフ!!」」
その後はドワーフ作の剣で盛り上がり⋯⋯イカ焼きおじさん、グラントの事はすっかり忘れられてしまった。
翌朝、ウルサ達が船の点検整備をする横で、ロクサーナがアンセルから網の修理方法を習っていると、書類を手に持ったグラントがやって来た。
「ギルドに行ってきたぜ」
「あっ! 忘れてた~、上手く行った?」
「お前なぁ⋯⋯まあ、いいか。ちゃーんと登録してきたぜ」
この桟橋の所有者はグラントの義理の兄で、亡くなった父親は漁師だった。そのせいで、グラントが船を持つのも漁師をやりたがるのも違和感がなかったらしい。
「いやっほ~! これで全ては整った、人をチビ呼ばわりする熊に赤っ恥をかかせるのじゃあ。見よ! ロクサーナ・コレクションからの~、キャラベル船2号、今ここにドドーン」
桟橋に横付けするように異空間収納から出した新しいキャラベル船。
「熊の船はラテンセイルを使っているキャラベル・ラティーナ。こっちはスクウェアセイルを使っているキャラベル・レドンダ。ふっふっふ、羨ましいか!? 熊ぁ、ドヤァ」
「ロクサーナ⋯⋯グラントの前で出して良かったのか?」
「あっ!」
グラントにペコペコと頭を下げて『秘密にする』との言葉を引き出したロクサーナは、現在船の隅で三角座りして落ち込んでいる。
「んで、計画は? あんだろ、計画が」
「⋯⋯ある」
ヒョイっとロクサーナを小脇に抱えたウルサが、甲板を磨いていたカーニスの前にポイっと放り出した。
「い、痛いよお。カーニスゥ、熊がいじめる~」
「さてと、何をやらかすつもりだ?」
興味津々のシーミアとアンセルもいそいそとやってきて、目を輝かせている。
「権限を濫用したギルド長の鼻を明かして、領主をボコす。ちょっと気になってるのは⋯⋯シーサーペントって殺っちゃっていいの?」
シーサーペント襲来イベントは、この町の収入のかなりの比率を占めている。
「宿屋とか屋台とか、食堂とか商人とか⋯⋯収入が減って困るかなぁって」
「少し前までは⋯⋯大型帆船を持ってる国から文句が出てるから、シーサーペントをなんとかしろって奴の方が多かったんだよ」
「この町って他国との交易がメインでしょ? もし被害が出たらどうしてくれる! って、結構突き上げがあったらしいのよ」
その苦情を聞くのはギルドや国の役人だが、聖王国の魔法士達のせいにしていた。
『聖王国に頼んではいるのですが、シーサーペントを追い払うのが精一杯のようで』
「それが『この国には聖女様の加護があるから』とか言い出しやがって、他国の意見なんぞ聞く必要はねえって騒ぎ立ててる⋯⋯んで、町ん中は半々より現状維持派が増えてやがる」
「聖女ねえ⋯⋯邪魔」
「でもまあ、あの日の聖女様の祈りは凄かったわね。夕闇の中で聖女様の体が光りはじめたと思ったら、空までピカ~って。あれを見たら怖いもんなしとか思っても仕方ないかも。
あの聖女様は女神の愛し子だって言うし」
「⋯⋯はあぁぁ? そんなこと言ってんの、あのバカは」
初めて知った事実にロクサーナの本音がポロリ。
「なに? もしかして、チビは聖女様の事、詳しいとか?」
船の上でサザエの壺焼きと帆立の串をモリモリと食べながら、酒盛り真っ最中の5人。ロクサーナはもちろん果実水。
「ゲホッゲホッ⋯⋯な、なんだこりゃ⋯喉が焼け⋯⋯ゲホッゲホッ」
「あっれぇ~、ごめ~ん。忘れてた~。アブサンって言う死にそうなくらい強いお酒だからさ~、水で薄めてね~。ププッ」
ウルサの前だけにほんのちょっぴり入れて置いておいたアブサンは、ロクサーナの意趣返し。
「大丈夫って言うか、山に捨てた分も取りに行こうかって思うくらいなんだ~。島を買ったんだけどね、土壌改良しないと畑が作れなくって」
「「⋯⋯はあ!? 島ぁぁ」」
トランザニア王国がすっかり気に入ったロクサーナは本土の近くにある手付かずの島を即金で購入。
切り立った崖に囲まれて、港に使えそうな場所もない。生い茂った山と荒れ果てた大地しかない島だが、とにかく広い。
山頂にはドラゴンが住みつき森には魔物が群れをなしている。生い茂った木には果実がなり、薬草が生え⋯⋯まくっていた。
(森は魔力が半端なかったもん。魔物が元気なはずだよね)
「使い物にならないからって放置されてたと言うか、もしかしたら前人未到ってやつかも。上陸できないとかドラゴンが危険だとかって言って放置されてたんだよね~」
「なんでそんなとこ買っちゃったのよ! ロクサーナは飛べるって言っても、使い物にならない島なんて⋯⋯それにドラゴンなんてパクって、オヤツにされちゃうかもよ」
「島に魔物がいるって事は水場がある。んで、調べてみたら結構大きな川があってさ、崖から滝みたいに流れ落ちてたの。水が確保できるとなると、次は移動手段の問題があるから⋯⋯崖を削って、昇降機を付けたの~」
ロクサーナは飛び出した岩場を加工して、桟橋を作り⋯⋯船を買った。
「ドラゴンって理由もなく襲ってくる魔物達とは違うから⋯⋯ 放っておけば共存できるし」
ミュウ達と一緒に挨拶に行くとドラゴンが怯えて羽根で顔を隠し、ほぼ土下座状態になったのは秘密の話。
(ドラゴンの威厳とかプライド、大事だからね。プルプル震えてキュウンキュウンって泣くのは超可愛かったけど、イメージを損ねない配慮はしてあげなくちゃ)
荒地の開拓はほぼ完了し、家や畑を作るスペースを確保してスローライフに向けて少しずつ準備をはじめている。
「帆立の貝殻を大量に手に入れたら、家を建てながら土壌改良をはじめる予定」
ミュウ達が走り回れる広い空き地と、人間の目を気にせず自由に飛び回れる青い空。
地上2階、地下1階建ての広い家と大きな暖炉。大きな畑と飼育小屋⋯⋯できれば、みんなで泳げる大きな池を作りたい。
暑い季節は池で泳ぎ、肌寒い時は暖炉に薪をくべる。
野菜畑と薬草園⋯⋯暑さに弱いコントライェルバは結界を張って温度調節を。
「ぼっち生活⋯⋯」
「仲間はいるもん(人間じゃないけど)」
「俺ら、遠すぎて遊びに行けねえじゃん」
かなり酔っ払ったウルサはライトの下でも顔の赤さが目立っている。
「ええっ! 熊の襲撃!? 熊用の寝床ってどうやって作⋯⋯」
「熊じゃねえ!」
「一応、転移門はつけるって約束したんだよね~」
少し恥ずかしそうに笑ったロクサーナの様子にシーミアが食いついた。
「へえ、ロクサーナちゃんったら隅におけないじゃん。なになに? ドキドキの胸キュンのワクワクなお話があるってわけね~」
胸の前で手を組んでキラッキラに目を輝かせたシーミア⋯⋯に胸キュンしたロクサーナ。
「胸キュンならシーミアさんの美貌を見るたびにしてるよ? ドキドキは⋯⋯あっ、大型の魔物の風下に移動する時? ワクワクは珍しい素材を換金す⋯⋯」
「ごめん、聞いたアタシがバカだったわ。間抜け具合はウルサとおんなじって知ってたのに⋯⋯少女のトキメキとかラブラブ過ぎて桜色に染まる頬とか、はにかむ笑顔でモジモジとか⋯⋯その辺のロマンスは他をあたるわ」
よく分からないうちにシーミアに落胆されたらしい。
船縁に立つウルサの後ろ姿を見ると、魔法をぶち当てて海に落としたくなる⋯⋯それを想像した時にドキドキワクワクするとは言えなかった。
(空気を読めた!)
【心の機微はわかんないけどね。それもまだ成長期かなぁ】
「転移門の登録は今のところジルベルト司祭とドワーフ村の村長のブランドンさんの2人(人って言って良いのかな)なんだ~」
「「ドワーフ!!」」
その後はドワーフ作の剣で盛り上がり⋯⋯イカ焼きおじさん、グラントの事はすっかり忘れられてしまった。
翌朝、ウルサ達が船の点検整備をする横で、ロクサーナがアンセルから網の修理方法を習っていると、書類を手に持ったグラントがやって来た。
「ギルドに行ってきたぜ」
「あっ! 忘れてた~、上手く行った?」
「お前なぁ⋯⋯まあ、いいか。ちゃーんと登録してきたぜ」
この桟橋の所有者はグラントの義理の兄で、亡くなった父親は漁師だった。そのせいで、グラントが船を持つのも漁師をやりたがるのも違和感がなかったらしい。
「いやっほ~! これで全ては整った、人をチビ呼ばわりする熊に赤っ恥をかかせるのじゃあ。見よ! ロクサーナ・コレクションからの~、キャラベル船2号、今ここにドドーン」
桟橋に横付けするように異空間収納から出した新しいキャラベル船。
「熊の船はラテンセイルを使っているキャラベル・ラティーナ。こっちはスクウェアセイルを使っているキャラベル・レドンダ。ふっふっふ、羨ましいか!? 熊ぁ、ドヤァ」
「ロクサーナ⋯⋯グラントの前で出して良かったのか?」
「あっ!」
グラントにペコペコと頭を下げて『秘密にする』との言葉を引き出したロクサーナは、現在船の隅で三角座りして落ち込んでいる。
「んで、計画は? あんだろ、計画が」
「⋯⋯ある」
ヒョイっとロクサーナを小脇に抱えたウルサが、甲板を磨いていたカーニスの前にポイっと放り出した。
「い、痛いよお。カーニスゥ、熊がいじめる~」
「さてと、何をやらかすつもりだ?」
興味津々のシーミアとアンセルもいそいそとやってきて、目を輝かせている。
「権限を濫用したギルド長の鼻を明かして、領主をボコす。ちょっと気になってるのは⋯⋯シーサーペントって殺っちゃっていいの?」
シーサーペント襲来イベントは、この町の収入のかなりの比率を占めている。
「宿屋とか屋台とか、食堂とか商人とか⋯⋯収入が減って困るかなぁって」
「少し前までは⋯⋯大型帆船を持ってる国から文句が出てるから、シーサーペントをなんとかしろって奴の方が多かったんだよ」
「この町って他国との交易がメインでしょ? もし被害が出たらどうしてくれる! って、結構突き上げがあったらしいのよ」
その苦情を聞くのはギルドや国の役人だが、聖王国の魔法士達のせいにしていた。
『聖王国に頼んではいるのですが、シーサーペントを追い払うのが精一杯のようで』
「それが『この国には聖女様の加護があるから』とか言い出しやがって、他国の意見なんぞ聞く必要はねえって騒ぎ立ててる⋯⋯んで、町ん中は半々より現状維持派が増えてやがる」
「聖女ねえ⋯⋯邪魔」
「でもまあ、あの日の聖女様の祈りは凄かったわね。夕闇の中で聖女様の体が光りはじめたと思ったら、空までピカ~って。あれを見たら怖いもんなしとか思っても仕方ないかも。
あの聖女様は女神の愛し子だって言うし」
「⋯⋯はあぁぁ? そんなこと言ってんの、あのバカは」
初めて知った事実にロクサーナの本音がポロリ。
「なに? もしかして、チビは聖女様の事、詳しいとか?」
104
あなたにおすすめの小説
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
婚約破棄された地味伯爵令嬢は、隠れ錬金術師でした~追放された辺境でスローライフを始めたら、隣国の冷徹魔導公爵に溺愛されて最強です~
ふわふわ
恋愛
地味で目立たない伯爵令嬢・エルカミーノは、王太子カイロンとの政略婚約を強いられていた。
しかし、転生聖女ソルスティスに心を奪われたカイロンは、公開の舞踏会で婚約破棄を宣言。「地味でお前は不要!」と嘲笑う。
周囲から「悪役令嬢」の烙印を押され、辺境追放を言い渡されたエルカミーノ。
だが内心では「やったー! これで自由!」と大喜び。
実は彼女は前世の記憶を持つ天才錬金術師で、希少素材ゼロで最強ポーションを作れるチート級の才能を隠していたのだ。
追放先の辺境で、忠実なメイド・セシルと共に薬草園を開き、のんびりスローライフを始めるエルカミーノ。
作ったポーションが村人を救い、次第に評判が広がっていく。
そんな中、隣国から視察に来た冷徹で美麗な魔導公爵・ラクティスが、エルカミーノの才能に一目惚れ(?)。
「君の錬金術は国宝級だ。僕の国へ来ないか?」とスカウトし、腹黒ながらエルカミーノにだけ甘々溺愛モード全開に!
一方、王都ではソルスティスの聖魔法が効かず魔瘴病が流行。
エルカミーノのポーションなしでは国が危機に陥り、カイロンとソルスティスは後悔の渦へ……。
公開土下座、聖女の暴走と転生者バレ、国際的な陰謀……
さまざまな試練をラクティスの守護と溺愛で乗り越え、エルカミーノは大陸の救済者となり、幸せな結婚へ!
**婚約破棄ざまぁ×隠れチート錬金術×辺境スローライフ×冷徹公爵の甘々溺愛**
胸キュン&スカッと満載の異世界ファンタジー、全32話完結!
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる