76 / 126
68.僕はジルベルト反対派だからね〜
しおりを挟む
(なんでジルベルト司祭が?)
【だって⋯⋯ロクサーナがジルベルトの執務室に転移門を設定したんじゃん】
(え? あっ! 嘘ぉぉ⋯⋯今まで一回も使わなかったくせに! こんな時に来るとか絶対むりぃぃぃ⋯⋯あ、あれ?)
パニックになり走り出したロクサーナは、周りの様子を考えずに走り続け、足が宙を蹴った。
ジャバーン
崖から見事な勢いで飛び出し、そのまま海に落下して行った。
「ロクサーナ!」
走りながらローブを脱ぎ捨てたジルベルト司祭が、海に飛び込み沈んでいくロクサーナを追いかけた。
ザブーン
(あ、飛べば良か⋯⋯水の中きれ⋯⋯金ぃ⋯⋯)
水面に激突したロクサーナの意識が途絶えた。
(いない⋯⋯どこだ!?)
底の見えない深い海からコポコポと湧き上がってきた気泡がロクサーナを包み込み、解けた髪と地味な麻の作業着が海と同化して見えなくなっていく。
(くそっ! このままじゃ、見つけられ⋯⋯いた、あそこだ!)
ゆらゆらと揺れながら沈んでいくロクサーナに手が届いた時、パチンと音を立てて気泡が割れ、お腹に手を回したジルベルト司祭が右手一本で水をかき海面に向けて泳いでいく。
(くそ! 息が⋯⋯風を⋯⋯)
ジルベルト司祭が風魔法を海底に向けて撃つと、浮かび上がる勢いが増したが、着衣のままの2人を潮が⋯⋯まるで何かに掴まれたように、もっと深くもっと沖へと押し流そうとする。
【全く、手のかかる子供達だな⋯⋯】
かなり苛立ったカイロスの声が聞こえると周囲が空気で満たされて、ゴボッという音と共にロクサーナが水を吐き出した。
(よし! これなら)
気を失ったままのロクサーナを抱えて上を目指しなんとか海面まで上がれたが、目の前にあるのは切り立った断崖だけ。
(足場も何もない⋯⋯どうやって上がれば)
見上げた高さは3メートルくらいの断崖絶壁で、足をかけるどころかしがみつける場所もない。
それほど波は荒くないのに不意に大きく潮が流れ、海の底に引き摺り込もうとしたかと思うと、崖に叩きつけられそうになる。
海の底から湧き上がる気泡でさえ、ロクサーナを狙っているように思えて苛立ちが止まらない。
青い顔で意識を失ったままのロクサーナの頭を肩に乗せ、周りを見渡した。
(息はある⋯⋯後は、ここからどうやって上がるか)
ロクサーナの目が覚めれば浮遊魔法で上がれる可能性はあるが、それまで立ち泳ぎを続けていては体力が持ちそうにない。
(意思があるみたいに引き摺り込もうとする海も厄介だ。確か、港を作ったと言っていたはず⋯⋯右か左か⋯⋯くそっ! どっちだ!?)
船を異空間から出したり入れたりするロクサーナなら、トランザニア王国の本土から見えないように港を作るはず。
ジルベルト司祭は島の簡単な地図を頭に描いた。
(本土はドラゴンの住む山の向こうだと言ってたよな。山の手前に家を⋯⋯そこから⋯⋯よし、右だ!)
ロクサーナの顔ができる限り海水に浸からないよう用心しながら泳ぎはじめた。
予測が当たり港らしい場所を見つけたが、次の問題にぶち当たった。
断崖を真っ直ぐ下まで削った跡と、海面から少し上に船を係留できる桟橋状の平らな岩場があるだけのその場所にも、登る方法が見当たらない。
(知ってないと港に見えないのは、防衛面としては良いと思うが⋯⋯海に落ちたら終わりとかヤバすぎる)
平らな岩場は潮の満ち引きによって海に沈むくらいの高さだが、今は海面より1メートルくらい上にある。
【仕方ないから、1個貸しにしといてやる。でも、僕はジルベルト反対派だって覚えといて】
ミュウの声が聞こえ岩場まで氷の階段が出来上がった。
礼を言う元気もないジルベルト司祭はロクサーナを抱えて岩場に上がり、崩れ落ちるように座り込んだ。
(助かりました。後はここは⋯⋯どうやって登るんだ? 昇降機をつけたって言ってたが⋯⋯もっと詳しく聞いとけば良かった)
ロクサーナの話を適当に聞き流していたわけではないのに⋯⋯と自分に言い訳しながら上を見上げて溜め息をついた。
(こうしていると人の卑小さを思い知るな。神・精霊・自然⋯⋯彼等に何ひとつ勝てるものもないのに、驕り高ぶり我こそ地上の主だと言うかの如く、地を荒らし生命を奪う。狭い土地や財を狙い、他種族を迫害し⋯⋯。全く嫌になる。神と精霊に見放されたのも当然の結果だな)
白い顔と真っ青な唇のロクサーナを抱きしめて、少しでも暖かさが戻るようにと身体を擦りながら、上に上がる方法を思案していた。
【僕も人間は嫌いなんだけどね、ロクサーナの事だけは大好きなんだ~。だから⋯⋯】
ウルウルが透き通った小さな羽根をパタパタと揺らしながら両手を広げた。
ふわっと暖かい風が2人の周りで渦を巻き、浮き上がった身体を地上へと運ぶ。
【ロクサーナのためだから⋯⋯】
「よう寝とりんさる。顔色も良うなったけん、もう大丈夫じゃろう。あんたには、ドワーフ特製のスープを作っとくけん、食べにきんさい。そんとうな青い顔をしとったら、ロクサーナがまた逃げ出すかもしれんけんね」
ロクサーナの上にかがみ込んでいたドワーフのカジャおばさんが、足踏み台から飛び降りて部屋を出て行った。
あれから一度も目を覚まさないロクサーナの横には、真っ黒なクマを育てたジルベルト司祭が椅子に腰掛けている。
海に落ちてから既に3日経っているが、教会には魔鳥で無期の休暇申請を送ってから一度も帰っていない。
【教会から破門されちゃうよ?】
「それも良いかもですね」
ジルベルト司祭に友好な態度をとる数少ない精霊のピッピが、ロクサーナのベッドに潜り込んだ。
【心がね、冷た~いってなってるの~】
「私のせいでしょうか⋯⋯いや、私のせいですね」
【う~ん、この間再生したばっかりだから~、ピッピにはよくわかんないの~。ミュウとか⋯⋯カイちゃんとクロちゃんならわかるかも~】
ミュウ達はロクサーナを助けた後は、ジルベルト司祭のいる時限定で顔を出さない。
(私は嫌われていますから。相談を受け付けてはもらうどころかお会いすることもできません)
【あのね~、ミュウが言ってたんだけど~、海(?)が悪い子だって】
「海が? そう言えば⋯⋯穏やかそうな海だと思っていたのに、執拗に海底に引き摺り込もうとしていたり、断崖にぶつけようとしていたり。違和感を感じた覚えがあります」
海と言えばリューズベイを思い出したジルベルト司祭は眉間に皺を寄せた。
(シーサーペントを殺ったせいか? しかしあれはただの海獣だったはずで⋯⋯そう言えば、シーサーペントが定期的に港を襲ってくる理由は聞いてなかったな。調査してないのか、報告漏れなのか⋯⋯)
ロクサーナは『シーサーペントはそのまま討伐して良い』と指示された為、セイレーン達がいた事は報告の必要がないと決めた。
討伐後、セイレーン達が騒いでいる様子はなく、リューズベイは以前より繁栄していると知って安心していた。
『少し落ち着いてからにするつもりなんだ~』
島への移住計画、ドワーフの引越しや卒業パーティーへの強制参加の準備で、すっかり忘れていたと言うのが本音だが⋯⋯。
【だ~か~ら~、ジルベルトは嫌いなの。だってさぁ、教会が指示したんだから最後まで責任取るべきだろ? ほんと、無責任だよなぁ】
【だって⋯⋯ロクサーナがジルベルトの執務室に転移門を設定したんじゃん】
(え? あっ! 嘘ぉぉ⋯⋯今まで一回も使わなかったくせに! こんな時に来るとか絶対むりぃぃぃ⋯⋯あ、あれ?)
パニックになり走り出したロクサーナは、周りの様子を考えずに走り続け、足が宙を蹴った。
ジャバーン
崖から見事な勢いで飛び出し、そのまま海に落下して行った。
「ロクサーナ!」
走りながらローブを脱ぎ捨てたジルベルト司祭が、海に飛び込み沈んでいくロクサーナを追いかけた。
ザブーン
(あ、飛べば良か⋯⋯水の中きれ⋯⋯金ぃ⋯⋯)
水面に激突したロクサーナの意識が途絶えた。
(いない⋯⋯どこだ!?)
底の見えない深い海からコポコポと湧き上がってきた気泡がロクサーナを包み込み、解けた髪と地味な麻の作業着が海と同化して見えなくなっていく。
(くそっ! このままじゃ、見つけられ⋯⋯いた、あそこだ!)
ゆらゆらと揺れながら沈んでいくロクサーナに手が届いた時、パチンと音を立てて気泡が割れ、お腹に手を回したジルベルト司祭が右手一本で水をかき海面に向けて泳いでいく。
(くそ! 息が⋯⋯風を⋯⋯)
ジルベルト司祭が風魔法を海底に向けて撃つと、浮かび上がる勢いが増したが、着衣のままの2人を潮が⋯⋯まるで何かに掴まれたように、もっと深くもっと沖へと押し流そうとする。
【全く、手のかかる子供達だな⋯⋯】
かなり苛立ったカイロスの声が聞こえると周囲が空気で満たされて、ゴボッという音と共にロクサーナが水を吐き出した。
(よし! これなら)
気を失ったままのロクサーナを抱えて上を目指しなんとか海面まで上がれたが、目の前にあるのは切り立った断崖だけ。
(足場も何もない⋯⋯どうやって上がれば)
見上げた高さは3メートルくらいの断崖絶壁で、足をかけるどころかしがみつける場所もない。
それほど波は荒くないのに不意に大きく潮が流れ、海の底に引き摺り込もうとしたかと思うと、崖に叩きつけられそうになる。
海の底から湧き上がる気泡でさえ、ロクサーナを狙っているように思えて苛立ちが止まらない。
青い顔で意識を失ったままのロクサーナの頭を肩に乗せ、周りを見渡した。
(息はある⋯⋯後は、ここからどうやって上がるか)
ロクサーナの目が覚めれば浮遊魔法で上がれる可能性はあるが、それまで立ち泳ぎを続けていては体力が持ちそうにない。
(意思があるみたいに引き摺り込もうとする海も厄介だ。確か、港を作ったと言っていたはず⋯⋯右か左か⋯⋯くそっ! どっちだ!?)
船を異空間から出したり入れたりするロクサーナなら、トランザニア王国の本土から見えないように港を作るはず。
ジルベルト司祭は島の簡単な地図を頭に描いた。
(本土はドラゴンの住む山の向こうだと言ってたよな。山の手前に家を⋯⋯そこから⋯⋯よし、右だ!)
ロクサーナの顔ができる限り海水に浸からないよう用心しながら泳ぎはじめた。
予測が当たり港らしい場所を見つけたが、次の問題にぶち当たった。
断崖を真っ直ぐ下まで削った跡と、海面から少し上に船を係留できる桟橋状の平らな岩場があるだけのその場所にも、登る方法が見当たらない。
(知ってないと港に見えないのは、防衛面としては良いと思うが⋯⋯海に落ちたら終わりとかヤバすぎる)
平らな岩場は潮の満ち引きによって海に沈むくらいの高さだが、今は海面より1メートルくらい上にある。
【仕方ないから、1個貸しにしといてやる。でも、僕はジルベルト反対派だって覚えといて】
ミュウの声が聞こえ岩場まで氷の階段が出来上がった。
礼を言う元気もないジルベルト司祭はロクサーナを抱えて岩場に上がり、崩れ落ちるように座り込んだ。
(助かりました。後はここは⋯⋯どうやって登るんだ? 昇降機をつけたって言ってたが⋯⋯もっと詳しく聞いとけば良かった)
ロクサーナの話を適当に聞き流していたわけではないのに⋯⋯と自分に言い訳しながら上を見上げて溜め息をついた。
(こうしていると人の卑小さを思い知るな。神・精霊・自然⋯⋯彼等に何ひとつ勝てるものもないのに、驕り高ぶり我こそ地上の主だと言うかの如く、地を荒らし生命を奪う。狭い土地や財を狙い、他種族を迫害し⋯⋯。全く嫌になる。神と精霊に見放されたのも当然の結果だな)
白い顔と真っ青な唇のロクサーナを抱きしめて、少しでも暖かさが戻るようにと身体を擦りながら、上に上がる方法を思案していた。
【僕も人間は嫌いなんだけどね、ロクサーナの事だけは大好きなんだ~。だから⋯⋯】
ウルウルが透き通った小さな羽根をパタパタと揺らしながら両手を広げた。
ふわっと暖かい風が2人の周りで渦を巻き、浮き上がった身体を地上へと運ぶ。
【ロクサーナのためだから⋯⋯】
「よう寝とりんさる。顔色も良うなったけん、もう大丈夫じゃろう。あんたには、ドワーフ特製のスープを作っとくけん、食べにきんさい。そんとうな青い顔をしとったら、ロクサーナがまた逃げ出すかもしれんけんね」
ロクサーナの上にかがみ込んでいたドワーフのカジャおばさんが、足踏み台から飛び降りて部屋を出て行った。
あれから一度も目を覚まさないロクサーナの横には、真っ黒なクマを育てたジルベルト司祭が椅子に腰掛けている。
海に落ちてから既に3日経っているが、教会には魔鳥で無期の休暇申請を送ってから一度も帰っていない。
【教会から破門されちゃうよ?】
「それも良いかもですね」
ジルベルト司祭に友好な態度をとる数少ない精霊のピッピが、ロクサーナのベッドに潜り込んだ。
【心がね、冷た~いってなってるの~】
「私のせいでしょうか⋯⋯いや、私のせいですね」
【う~ん、この間再生したばっかりだから~、ピッピにはよくわかんないの~。ミュウとか⋯⋯カイちゃんとクロちゃんならわかるかも~】
ミュウ達はロクサーナを助けた後は、ジルベルト司祭のいる時限定で顔を出さない。
(私は嫌われていますから。相談を受け付けてはもらうどころかお会いすることもできません)
【あのね~、ミュウが言ってたんだけど~、海(?)が悪い子だって】
「海が? そう言えば⋯⋯穏やかそうな海だと思っていたのに、執拗に海底に引き摺り込もうとしていたり、断崖にぶつけようとしていたり。違和感を感じた覚えがあります」
海と言えばリューズベイを思い出したジルベルト司祭は眉間に皺を寄せた。
(シーサーペントを殺ったせいか? しかしあれはただの海獣だったはずで⋯⋯そう言えば、シーサーペントが定期的に港を襲ってくる理由は聞いてなかったな。調査してないのか、報告漏れなのか⋯⋯)
ロクサーナは『シーサーペントはそのまま討伐して良い』と指示された為、セイレーン達がいた事は報告の必要がないと決めた。
討伐後、セイレーン達が騒いでいる様子はなく、リューズベイは以前より繁栄していると知って安心していた。
『少し落ち着いてからにするつもりなんだ~』
島への移住計画、ドワーフの引越しや卒業パーティーへの強制参加の準備で、すっかり忘れていたと言うのが本音だが⋯⋯。
【だ~か~ら~、ジルベルトは嫌いなの。だってさぁ、教会が指示したんだから最後まで責任取るべきだろ? ほんと、無責任だよなぁ】
100
あなたにおすすめの小説
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
婚約破棄された地味伯爵令嬢は、隠れ錬金術師でした~追放された辺境でスローライフを始めたら、隣国の冷徹魔導公爵に溺愛されて最強です~
ふわふわ
恋愛
地味で目立たない伯爵令嬢・エルカミーノは、王太子カイロンとの政略婚約を強いられていた。
しかし、転生聖女ソルスティスに心を奪われたカイロンは、公開の舞踏会で婚約破棄を宣言。「地味でお前は不要!」と嘲笑う。
周囲から「悪役令嬢」の烙印を押され、辺境追放を言い渡されたエルカミーノ。
だが内心では「やったー! これで自由!」と大喜び。
実は彼女は前世の記憶を持つ天才錬金術師で、希少素材ゼロで最強ポーションを作れるチート級の才能を隠していたのだ。
追放先の辺境で、忠実なメイド・セシルと共に薬草園を開き、のんびりスローライフを始めるエルカミーノ。
作ったポーションが村人を救い、次第に評判が広がっていく。
そんな中、隣国から視察に来た冷徹で美麗な魔導公爵・ラクティスが、エルカミーノの才能に一目惚れ(?)。
「君の錬金術は国宝級だ。僕の国へ来ないか?」とスカウトし、腹黒ながらエルカミーノにだけ甘々溺愛モード全開に!
一方、王都ではソルスティスの聖魔法が効かず魔瘴病が流行。
エルカミーノのポーションなしでは国が危機に陥り、カイロンとソルスティスは後悔の渦へ……。
公開土下座、聖女の暴走と転生者バレ、国際的な陰謀……
さまざまな試練をラクティスの守護と溺愛で乗り越え、エルカミーノは大陸の救済者となり、幸せな結婚へ!
**婚約破棄ざまぁ×隠れチート錬金術×辺境スローライフ×冷徹公爵の甘々溺愛**
胸キュン&スカッと満載の異世界ファンタジー、全32話完結!
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました
似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる