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19.ソフィーは甘いんだよなあ byグレッグ
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ソフィーの仕事部屋にソフィー・ハンナ・ルイス・グレッグ・ジュードの計5人が集まった。ルイスとジュードが並んで座りその前にソフィーとハンナが座っている。グレッグは部屋の隅に置いたスツールに腰掛けて足を組んでおり話し合いには参加しないつもりでいた。
「一緒に出かけたのは合計9回ね。その内6回は平日の昼間みたいだけど仕事はどうしたの?」
「・・休みをもらったり、一時外出を」
既に夜10時近くになっており部屋には複数のランプが煌々と灯されていた。全員が読み終わった報告書だけがテーブルの上に置かれジュードは背中を丸めて俯き加減でボソボソと説明した。
「俺の記憶ではここんとこジュードが休みを取った覚えはないんだが?」
「・・」
俯いたまま無言のジュード。
「今朝話した事を覚えてるかしら」
『誤魔化しや漏れは一切許さないわ。
被害を最小限に抑えるために必要なのは正直さと真摯な態度だって覚えておいて』
「・・はい」
「もう一度聞くわね。平日の昼間にも会っているようだけど仕事はどうしたの?」
「さ、サボって出かけました」
ルイスの眉間の皺がより深くなり大きく息を吸い込んで『はあ』っと溜息をついた。
「お前出退勤の報告は・・まさか・・。会社へ私用による外出って届を出してないのか? もしこれが裁判になったら」
「ええ、その時はジュードの行動は会社の許可を得ただとか会社の指示だとか言われかねない」
ソフィーの言葉にジュードがパッと顔を上げた。驚愕に目を見開き口がはくはくと動いている。
「色仕掛けってあるでしょう? 例えばだけど、打ち合わせに参加していたデイジーと仲良くなって金額の交渉をしてもらおうと画策したとか、男爵が予定している以上の設備を入れさせようとしたとか。
もしも交際にかかった費用が会社の経費として落とされていたりしたら間違いなく全面敗訴するわね」
「もっ、申し訳ありません」
俯いたジュードの膝に置いた握り拳がカタカタと震えている。
「何に対して謝ってるのか詳しく教えてくれるかしら」
「・・」
俯いたまま口を開かないジュード。しんと静まりかえった部屋に時計のカチカチと言う音が響き時折ランプの芯が燃えるジュッと言う音が混じる。
元々重苦しかった空気はジュードの沈黙でますます重く澱んでいき、グレッグはこっそりとあくびを噛み殺した。
「これ以上待っても無駄かしら。ジュードが話せないなら私から現状わかってる事を話して対策を立てるべき?」
ソフィーの最後通告を聞いて漸くジュードがポツポツと話しはじめた。
「交際にかかった費用の一部を・・少し・・経費で落とし・・すみません。あの、相手が貴族だから思ったより・・食事とか・・高い店ばかり行きたがって」
「それで?」
「・・出退勤の記録を少し書き換えてもらって・・領収書を何枚か・・使用目的を誤魔化して・・」
「ジュードからの報告はそれで全部? 時間も遅いし少し急いでもらえるかしら。他に会社に報告をするべきものはない?」
「・・たぶん」
出来れば全てをジュードの口から話して欲しくて待っていたがこれ以上待っても無駄に時間がかかるばかりだとソフィーは諦めた。
「じゃあ確認作業に入るわ。
1つ、出退勤の改竄は誰に頼んだのか。
2つ、遅刻・外出以外の不明な残業時間。
3つ、領収書の会計処理の不審」
「出退勤の改竄における給与の不当請求と経費の横領。犯罪の教唆にも当てはまるかも」
怒りを抑える為かそれ迄一度もジュードの方を見なかったハンナが低い声で呟いた。
「今日の午後、ルイスとジュードの勤務表と作業日報、男爵邸の打ち合わせがはじまった時以降の会計帳簿を確認したの。出退勤の改竄と不正な会計処理は受付のサラが協力した。そして、領収書はルイスの名前で提出してる」
腕を組んで目を瞑っていたルイスがソフィーの口から自分の名前が出た事に驚き息を呑んでハンナの顔を見た。
「そ、ルイスの名前とヘッタクソなサインで何枚か怪しい領収書が見つかったの。会計処理をしたのは全部サラだった。サラは元々受付だったんだけど4ヶ月前から少しずつ事務所の仕事を手伝いはじめてたからね。
多分、ジュードの名前では決済がおりない金額だったからなんでしょ? そんな金額でも第一設計部部長のルイスの名前だから今まで気づかれなかった。
この問題が解決したら全ての会計帳簿を調べ直すつもりだから」
「明日男爵に謝罪に行って今後の事を話し合ってくるんだけど、ジュードには当面自宅待機をしてもらうわ。今のところ法的手段を取るつもりはないから問題が解決するまで自宅にいると約束してくれるかしら」
「はい」
ずっと俯いたままのジュードが小さな声で返事をした横でルイスが大きく息をすると、ジュードがビクッと体をこわばらせた。
「ルイスさん、済みませんでした。第一設計部に入れて仕「ジュード、俺が今何に一番腹を立ててるか分かるか?」」
「いや、あの。ルイスさんの名前を使って領収書を・・」
ルイスが立ち上がりジュードの胸ぐらを掴み上げた。余程強く掴んでいるのか青褪めていたジュードの顔が一瞬で赤黒く変色した。
「馬鹿な事をやりたきゃてめえ1人でやりやがれ! 何でサラを巻き込んだ!? 真面目に働いてる奴をてめえの勝手で巻き込むんじゃねえ!!」
ルイスが右手を振り上げ思い切り殴りつけると吹っ飛んで壁に激突したジュードの口の端から血が流れ落ちた。
「サラは真面目に働いて、その頑張りが認められて事務の仕事を覚えはじめたとこだったんだぞ! てめえのせいでサラは一生犯罪に手を貸したって思いながら生きることになんだ! それがどう言う意味かわかってんのか!!」
「すっすんません。ごめ、ごめんなさい」
「本気で謝る気持ちがあるなら一番にサラに言うべきね。もし悪あがきしたり逃げ出したりしたらアタシがあんたを即犯罪者として訴えてやる。それが嫌なら自宅で大人しくしてるのね」
「はい!」
こくこくと頭を縦に振ったジュードは正座して床に頭を擦り付けた。
「一緒に出かけたのは合計9回ね。その内6回は平日の昼間みたいだけど仕事はどうしたの?」
「・・休みをもらったり、一時外出を」
既に夜10時近くになっており部屋には複数のランプが煌々と灯されていた。全員が読み終わった報告書だけがテーブルの上に置かれジュードは背中を丸めて俯き加減でボソボソと説明した。
「俺の記憶ではここんとこジュードが休みを取った覚えはないんだが?」
「・・」
俯いたまま無言のジュード。
「今朝話した事を覚えてるかしら」
『誤魔化しや漏れは一切許さないわ。
被害を最小限に抑えるために必要なのは正直さと真摯な態度だって覚えておいて』
「・・はい」
「もう一度聞くわね。平日の昼間にも会っているようだけど仕事はどうしたの?」
「さ、サボって出かけました」
ルイスの眉間の皺がより深くなり大きく息を吸い込んで『はあ』っと溜息をついた。
「お前出退勤の報告は・・まさか・・。会社へ私用による外出って届を出してないのか? もしこれが裁判になったら」
「ええ、その時はジュードの行動は会社の許可を得ただとか会社の指示だとか言われかねない」
ソフィーの言葉にジュードがパッと顔を上げた。驚愕に目を見開き口がはくはくと動いている。
「色仕掛けってあるでしょう? 例えばだけど、打ち合わせに参加していたデイジーと仲良くなって金額の交渉をしてもらおうと画策したとか、男爵が予定している以上の設備を入れさせようとしたとか。
もしも交際にかかった費用が会社の経費として落とされていたりしたら間違いなく全面敗訴するわね」
「もっ、申し訳ありません」
俯いたジュードの膝に置いた握り拳がカタカタと震えている。
「何に対して謝ってるのか詳しく教えてくれるかしら」
「・・」
俯いたまま口を開かないジュード。しんと静まりかえった部屋に時計のカチカチと言う音が響き時折ランプの芯が燃えるジュッと言う音が混じる。
元々重苦しかった空気はジュードの沈黙でますます重く澱んでいき、グレッグはこっそりとあくびを噛み殺した。
「これ以上待っても無駄かしら。ジュードが話せないなら私から現状わかってる事を話して対策を立てるべき?」
ソフィーの最後通告を聞いて漸くジュードがポツポツと話しはじめた。
「交際にかかった費用の一部を・・少し・・経費で落とし・・すみません。あの、相手が貴族だから思ったより・・食事とか・・高い店ばかり行きたがって」
「それで?」
「・・出退勤の記録を少し書き換えてもらって・・領収書を何枚か・・使用目的を誤魔化して・・」
「ジュードからの報告はそれで全部? 時間も遅いし少し急いでもらえるかしら。他に会社に報告をするべきものはない?」
「・・たぶん」
出来れば全てをジュードの口から話して欲しくて待っていたがこれ以上待っても無駄に時間がかかるばかりだとソフィーは諦めた。
「じゃあ確認作業に入るわ。
1つ、出退勤の改竄は誰に頼んだのか。
2つ、遅刻・外出以外の不明な残業時間。
3つ、領収書の会計処理の不審」
「出退勤の改竄における給与の不当請求と経費の横領。犯罪の教唆にも当てはまるかも」
怒りを抑える為かそれ迄一度もジュードの方を見なかったハンナが低い声で呟いた。
「今日の午後、ルイスとジュードの勤務表と作業日報、男爵邸の打ち合わせがはじまった時以降の会計帳簿を確認したの。出退勤の改竄と不正な会計処理は受付のサラが協力した。そして、領収書はルイスの名前で提出してる」
腕を組んで目を瞑っていたルイスがソフィーの口から自分の名前が出た事に驚き息を呑んでハンナの顔を見た。
「そ、ルイスの名前とヘッタクソなサインで何枚か怪しい領収書が見つかったの。会計処理をしたのは全部サラだった。サラは元々受付だったんだけど4ヶ月前から少しずつ事務所の仕事を手伝いはじめてたからね。
多分、ジュードの名前では決済がおりない金額だったからなんでしょ? そんな金額でも第一設計部部長のルイスの名前だから今まで気づかれなかった。
この問題が解決したら全ての会計帳簿を調べ直すつもりだから」
「明日男爵に謝罪に行って今後の事を話し合ってくるんだけど、ジュードには当面自宅待機をしてもらうわ。今のところ法的手段を取るつもりはないから問題が解決するまで自宅にいると約束してくれるかしら」
「はい」
ずっと俯いたままのジュードが小さな声で返事をした横でルイスが大きく息をすると、ジュードがビクッと体をこわばらせた。
「ルイスさん、済みませんでした。第一設計部に入れて仕「ジュード、俺が今何に一番腹を立ててるか分かるか?」」
「いや、あの。ルイスさんの名前を使って領収書を・・」
ルイスが立ち上がりジュードの胸ぐらを掴み上げた。余程強く掴んでいるのか青褪めていたジュードの顔が一瞬で赤黒く変色した。
「馬鹿な事をやりたきゃてめえ1人でやりやがれ! 何でサラを巻き込んだ!? 真面目に働いてる奴をてめえの勝手で巻き込むんじゃねえ!!」
ルイスが右手を振り上げ思い切り殴りつけると吹っ飛んで壁に激突したジュードの口の端から血が流れ落ちた。
「サラは真面目に働いて、その頑張りが認められて事務の仕事を覚えはじめたとこだったんだぞ! てめえのせいでサラは一生犯罪に手を貸したって思いながら生きることになんだ! それがどう言う意味かわかってんのか!!」
「すっすんません。ごめ、ごめんなさい」
「本気で謝る気持ちがあるなら一番にサラに言うべきね。もし悪あがきしたり逃げ出したりしたらアタシがあんたを即犯罪者として訴えてやる。それが嫌なら自宅で大人しくしてるのね」
「はい!」
こくこくと頭を縦に振ったジュードは正座して床に頭を擦り付けた。
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