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48.ストーカーは愛を語る
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「あのー、つまりレオナルド様は12歳の時ソフィーに恋をして? またソフィーに恋をした?」
「その通り! これっても~運命だと思うでしょ!? 紅茶が結ぶ大・恋・愛!!
恋に敗れ父の横暴に人生を諦めた男が清貧の誓いを立てて、十数年ぶりに偶然その人とは知らず再会してまた恋をしたの。
こんなロマンチックな恋愛をクソ親なんかに邪魔させちゃつまんな・・悲しすぎる!!」
((今、つまんないって言いかけた!!))
「偶然再会の件には他者の思惑と策が感じられますけど・・」
「何か言ったかしら? ハンナ?」
ジョージアナが横目でチラッとハンナを見た。
「ハンナの言う通り、レオ兄様を悪の巣窟から誘き出して偽の情報で目的地へ送り込んだのは私。でも、その後は関与してないわ。
レオ兄様が右往左往するのが面白くてちょくちょく事情聴取はしてたけど」
「レオには話したのですが今はその・・誰かとそう言う事を考えられる時期じゃないので。レオは終生請願をするかどうかの大切な時期だと聞いてますし。だから「ノーコメントって言ったのよね」」
「レオ兄様は断られたと思ってる。態とそう思わせたんでしょ?」
有無を言わせないジョージアナの迫力にソフィーは黙り込んだ。
「ねえソフィー、それは断りたくなかったって事? なんにもソフィーから聞いてないから違うかもしれないけど、レオナルド様に交際を申し込まれたけど毒親を理由に逃げ出したって事? でも付き合いたくないわけじゃない」
「ハンナ、貴方って予想以上に頭がいいのね。その通りよ。
この臆病ハリネズミは棘を見せて威嚇してとっとと逃げ出したの。
で、レオ兄様はいじけて巣穴に逃げ込む準備をはじめてる」
「レオナルド様ってベルセルクとか魔王って聞いてますけど?」
「見た目はね。でもよーく見るとすっごく素敵なのよ。見た目も中身も最上級。長年ストーキングしてる私が言うんだから間違いないわ。あの見た目で損をしてるけどそれって裏を返したらゴミが寄ってこないって事だったの。
ところがこの可愛い顔したトガリネズミのせいで凶悪な魔王の仮面が外れて、あっという間にハイエナがやってきて」
(サラの事ね。ジェニーの手紙では相当やらかしてるみたいだもん。サラを雇うのは反対だって言ったのにソフィーが断行するから。恋愛がらみのことだけは一切わかんない子なのよね・・お姉ちゃんは心配)
「トガリネズミは全長約8センチで体重は2グラム。小さすぎてエネルギーを蓄えておけないから、食事を摂り続けないと餓死してしまうの。
ソフィーにそっくりでしょ? クソ親のせいでお金を貯めて置けないから仕事をし続けないと死んじゃうの」
「サラの事は私の判断ミスで、申し訳ないと思ってます」
「いーの、いーの。ボンクラ兄様の勉強にピッタリの教材だったから。ねえソフィー、一度くらい人に頼ってもいいと思うの。逃げずにもう一度考えてみない?
私はレオ兄様に大きな借りがある。そうでなくてもレオ兄様限定のブラコンだしね。こう見えても私、結構役に立つのよ。クソ親に振り回されるのはもうやめたら?」
「あたしも頼って欲しいかな。アンタってここ一番では絶対人に甘えないでしょ? 長い付き合いなのに、結構寂しいんだよね」
紅茶を淹れ直し秘蔵のチョコレートやお菓子を出して女子会がはじまった。話の大半はジョージアナのレオ自慢と如何にバレずにストーキングしているかだったが・・。
夜の帳が下りる頃閉店した店のドアを叩く者達がいた。様子を見に行った事務員が慌ててソフィーの仕事場に駆け上がってきたが、その後ろを複数の武装した近衛兵がついてきた。
近衛兵たちは問答無用でソフィーを拘束し連行しようとした。
「お待ちなさい!! これはどう言うことなの!?」
「我々は王命により犯罪者ソフィーを逮捕した」
「王命ですって!? 逮捕理由をおっしゃい!!」
ジョージアナの言葉を無視した近衛兵がソフィーを小突いて部屋を出ようとした。
「少しだけ話をさせてください。ハンナ、ここはルイスと2人に任せる。学校はローリーに頼んで。それからグレンジャー弁護士に書類を預けてるから3人とも速攻でそれにサインをして。絶対に、お願い!」
「分かった。ルイスとローリーの3人でグレンジャー弁護士のとこに行けばいいのね」
蒼白の顔に微笑みを浮かべたソフィーが小さく頷き近衛兵に連行されて行った。
「何があったの? 王命だなんて」
「グレッグを探さなくちゃ。彼なら何か知ってるかも。もー、一体なんなのよ!! 次から次へと、ソフィーが何をしたって言うの。ずっと一緒にいたのよ。あの子が犯罪を犯すような子じゃないって知ってる。そんな暇もないわよ!!」
呆然と立ち尽くす2人をドアの外から事務員が覗いていた。事務員に状況がわかるまで口外しないように口止めをして帰宅させたが、今回の件は流石にすぐ公になるだろう。
「・・犯罪・・犯罪? ねえ、ソフィーのクソ親って帝国でやらかしてるんだっけ?」
「そう、最近は帝国の貴族相手に詐欺を・・くそっ!!」
「帰って調べてみる。ハンナ、何か分かったら教えて。私のド派手な屋敷は知ってるでしょ?」
「分かった。近衛相手じゃ城に行ってもソフィーには会えないじゃん。それに近衛兵の尋問は・・」
ハンナは近衛兵の噂を思い出して立ち尽くした。
苛烈な性格の現国王は不正を行ったものに対して容赦ない処罰を与えることで有名。国王の手足として動く近衛兵のそれは尋問ではなく単なる拷問とまで言われている。
「近衛兵に捕まったら終わりだって。グレッグは帝国に行った後連絡が取れないのに」
「ハンナ、兎に角できる事からはじめるわよ。私は情報収集と・・ヤバい! バレる前にレオ兄様を監禁しなきゃ!!」
「ルイスんちに行かなくちゃ」
「その通り! これっても~運命だと思うでしょ!? 紅茶が結ぶ大・恋・愛!!
恋に敗れ父の横暴に人生を諦めた男が清貧の誓いを立てて、十数年ぶりに偶然その人とは知らず再会してまた恋をしたの。
こんなロマンチックな恋愛をクソ親なんかに邪魔させちゃつまんな・・悲しすぎる!!」
((今、つまんないって言いかけた!!))
「偶然再会の件には他者の思惑と策が感じられますけど・・」
「何か言ったかしら? ハンナ?」
ジョージアナが横目でチラッとハンナを見た。
「ハンナの言う通り、レオ兄様を悪の巣窟から誘き出して偽の情報で目的地へ送り込んだのは私。でも、その後は関与してないわ。
レオ兄様が右往左往するのが面白くてちょくちょく事情聴取はしてたけど」
「レオには話したのですが今はその・・誰かとそう言う事を考えられる時期じゃないので。レオは終生請願をするかどうかの大切な時期だと聞いてますし。だから「ノーコメントって言ったのよね」」
「レオ兄様は断られたと思ってる。態とそう思わせたんでしょ?」
有無を言わせないジョージアナの迫力にソフィーは黙り込んだ。
「ねえソフィー、それは断りたくなかったって事? なんにもソフィーから聞いてないから違うかもしれないけど、レオナルド様に交際を申し込まれたけど毒親を理由に逃げ出したって事? でも付き合いたくないわけじゃない」
「ハンナ、貴方って予想以上に頭がいいのね。その通りよ。
この臆病ハリネズミは棘を見せて威嚇してとっとと逃げ出したの。
で、レオ兄様はいじけて巣穴に逃げ込む準備をはじめてる」
「レオナルド様ってベルセルクとか魔王って聞いてますけど?」
「見た目はね。でもよーく見るとすっごく素敵なのよ。見た目も中身も最上級。長年ストーキングしてる私が言うんだから間違いないわ。あの見た目で損をしてるけどそれって裏を返したらゴミが寄ってこないって事だったの。
ところがこの可愛い顔したトガリネズミのせいで凶悪な魔王の仮面が外れて、あっという間にハイエナがやってきて」
(サラの事ね。ジェニーの手紙では相当やらかしてるみたいだもん。サラを雇うのは反対だって言ったのにソフィーが断行するから。恋愛がらみのことだけは一切わかんない子なのよね・・お姉ちゃんは心配)
「トガリネズミは全長約8センチで体重は2グラム。小さすぎてエネルギーを蓄えておけないから、食事を摂り続けないと餓死してしまうの。
ソフィーにそっくりでしょ? クソ親のせいでお金を貯めて置けないから仕事をし続けないと死んじゃうの」
「サラの事は私の判断ミスで、申し訳ないと思ってます」
「いーの、いーの。ボンクラ兄様の勉強にピッタリの教材だったから。ねえソフィー、一度くらい人に頼ってもいいと思うの。逃げずにもう一度考えてみない?
私はレオ兄様に大きな借りがある。そうでなくてもレオ兄様限定のブラコンだしね。こう見えても私、結構役に立つのよ。クソ親に振り回されるのはもうやめたら?」
「あたしも頼って欲しいかな。アンタってここ一番では絶対人に甘えないでしょ? 長い付き合いなのに、結構寂しいんだよね」
紅茶を淹れ直し秘蔵のチョコレートやお菓子を出して女子会がはじまった。話の大半はジョージアナのレオ自慢と如何にバレずにストーキングしているかだったが・・。
夜の帳が下りる頃閉店した店のドアを叩く者達がいた。様子を見に行った事務員が慌ててソフィーの仕事場に駆け上がってきたが、その後ろを複数の武装した近衛兵がついてきた。
近衛兵たちは問答無用でソフィーを拘束し連行しようとした。
「お待ちなさい!! これはどう言うことなの!?」
「我々は王命により犯罪者ソフィーを逮捕した」
「王命ですって!? 逮捕理由をおっしゃい!!」
ジョージアナの言葉を無視した近衛兵がソフィーを小突いて部屋を出ようとした。
「少しだけ話をさせてください。ハンナ、ここはルイスと2人に任せる。学校はローリーに頼んで。それからグレンジャー弁護士に書類を預けてるから3人とも速攻でそれにサインをして。絶対に、お願い!」
「分かった。ルイスとローリーの3人でグレンジャー弁護士のとこに行けばいいのね」
蒼白の顔に微笑みを浮かべたソフィーが小さく頷き近衛兵に連行されて行った。
「何があったの? 王命だなんて」
「グレッグを探さなくちゃ。彼なら何か知ってるかも。もー、一体なんなのよ!! 次から次へと、ソフィーが何をしたって言うの。ずっと一緒にいたのよ。あの子が犯罪を犯すような子じゃないって知ってる。そんな暇もないわよ!!」
呆然と立ち尽くす2人をドアの外から事務員が覗いていた。事務員に状況がわかるまで口外しないように口止めをして帰宅させたが、今回の件は流石にすぐ公になるだろう。
「・・犯罪・・犯罪? ねえ、ソフィーのクソ親って帝国でやらかしてるんだっけ?」
「そう、最近は帝国の貴族相手に詐欺を・・くそっ!!」
「帰って調べてみる。ハンナ、何か分かったら教えて。私のド派手な屋敷は知ってるでしょ?」
「分かった。近衛相手じゃ城に行ってもソフィーには会えないじゃん。それに近衛兵の尋問は・・」
ハンナは近衛兵の噂を思い出して立ち尽くした。
苛烈な性格の現国王は不正を行ったものに対して容赦ない処罰を与えることで有名。国王の手足として動く近衛兵のそれは尋問ではなく単なる拷問とまで言われている。
「近衛兵に捕まったら終わりだって。グレッグは帝国に行った後連絡が取れないのに」
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「ルイスんちに行かなくちゃ」
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