61 / 65
61.グリーンで良かった
しおりを挟む
緊張して顔を引き攣らせていたレオは店の入り口で久々に『ひいっ』と怯えられソフィーにくすくすと笑われた。
広々とした店はほとんどの席が埋まっている。美しく着飾ったドレス姿の女性のつけた宝石がランプの灯りに煌めき、凝った結び目のクラバットと上品なコートの男性がワイングラスを傾けている。
蜜蝋で艶出しした家具とテーブルに掛けられた軽やかで繊細可憐なロココレース。壁際には葉に切れ込みが入ったモンステラが置かれ幾つもの絵画が飾られている。
2人が案内された個室にはディナンドリーと呼ばれる真鍮シャンデリアと複雑な花模様のタペストリー。ダイニングテーブルにはそれと同じ花模様が編み込まれたシルクのボビンレースがかけられ中央に一輪の薔薇が飾られている。
『ここのオーナーは無名の画家を支援しているそうで、さっき飾られていたのは全部彼らの作品なんだそうだ』
前回の気合の入りすぎた豪奢なレストランではなくソフィーに似合う店を教えてもらったレオは足を運び店の雰囲気と料理を確認してここを選んだ。
『この間のレストランも素敵だったけどここはとても落ち着くわね。連れてきてくれてありがとう』
セーブル焼きの繊細な皿に盛られて出てきた料理は真鴨のスープにはじまり赤ワインとチョコレートソースをかけた鹿肉のローストやキャセロール。高価なメルルーサの石窯焼きや鰻のゼリー寄せ。
デザートは砂糖漬けのバラを飾ったアーモンドクリームとマロングラッセ。
『保存が効くからって遠征中に栗はよく食べたな。カスタニャッチョにしたりスープにも入れたし・・』
食の細いソフィーの前には少なめ、レオの前には豪快に盛られた皿が置かれた。
デザートが半分くらいに減った頃テーブルに飾られた薔薇を手にしたレオが席を立ちソフィーの横に跪いた。
『この薔薇を入れると12本になる。ソフィーの気持ちを教えて欲しい』
ソフィーを迎えに行った時手渡した薔薇が11本。
『1本の薔薇は一目惚れ。11本なら最愛の人、12本なら結婚して下さい・・合ってるかな?』
『ええ』
『愛してる。これから先ずっとソフィーのそばにいさせてくれないか?』
『門番や庭師の見習いは無理だけどピクニックのお相手としてなら』
頬を染めたソフィーが薔薇を受け取るとポケットから出した指輪をソフィーの薬指に嵌めた。
『サイズ・・ピッタリだわ』
『宝飾店の店主から、渡す時にサイズが合わないと慌てると聞いたんでハンナに教えてもらったんだ。石は亡くなった母が俺の誕生日に贈ってくれたものなんだが気に入ってくれると嬉しい』
『ペリドットね。とても綺麗』
レオ達の母は子供が一歳になると其々に目の色に似た宝石をプレゼントしてくれた。
マーカスはブルーイッシュグリーンのエメラルド。生命エネルギーや運を上昇させる幸運の宝石と言われ、記憶力や直観力を高めてくれる。
4人兄弟のうち1人だけ濃い碧眼のギルは珍しいアレキサンドライト。時によって青緑から赤色に変色する石は「高貴・光栄・出発」などを意味する。
レオは透明度の高いオリーブグリーンのペリドット。闇を祓う太陽の宝石で知恵と分別が与えられる石と言われる。
ジョシュアは強い色合いのネオングリーンのグリーンサファイア。石言葉は「慈愛、誠実、貞操、高潔」精神の調和やバランスを保つと言われている。
指輪を嵌めて漸く安心したレオは大きく息を吸って立ち上がりソフィーの頬にキスをして席に戻った。
『俺は生まれたばかりの頃明るいグリーンとピンクのオッドアイだったそうなんだ。その記念にファンシーヴィヴィッドとやらのピンクダイヤモンドとペリドットを贈られたんだが今は両目ともグリーンだからペリドットにしたんだ』
ピンクダイヤモンドは「完全無欠の愛」婚約指輪や結婚指輪には最適だが、ソフィーはペリドットの指輪を気に入った。
『両目ともピンクにならなくて良かったわね』
『ああ、この見た目でピンクの目は辛すぎる』
『そう言えばエメラルドには浮気封じの意味があるそうで、婚約中に投げつけられたってマーカスが言ってたな』
『マーカス様が浮気をしたの?』
『いや、単なる誤解だったらしい。ラッキーな事に石に傷はつかなかったらしくて今もアイリーンの指に嵌まってて、マーカスが酔うと常に武器を所持してるレディの前では細心の注意が必要だって必ず言い出すんだ』
(そう言えば、石や花の意味には注意しろって言われたな)
『ペリドットの石言葉は幸福や希望だから武器にはならないわね』
くすくすと笑いながらソフィーが指輪を光に翳し目を細めた。
ソフィーを送りレオが屋敷に帰ってきたと同時にいつものごとく元気良く部屋に飛び込んできたジョシュアに背中を向けたままのレオがクラバットを外しながら呟いた。
「断られた」
「その割に背中がニヤけてるんですけど?」
「背中はニヤけない。門番は無理だそうだ」
チラリと振り向いたレオは今まで見たことがないほど晴れやかな顔をしていた。
「何時も揶揄われてばかりだからな、たまには揶揄ってやろうと思ったんだが失敗したな」
「レオ兄様、おめでとう! これで漸く脱童○ね! 聖職者になるなら閨の教育は不要だって言ってたけど大丈夫かしら?」
顔を真っ赤にしたレオはやはりジョシュアには太刀打ちできないらしい。
広々とした店はほとんどの席が埋まっている。美しく着飾ったドレス姿の女性のつけた宝石がランプの灯りに煌めき、凝った結び目のクラバットと上品なコートの男性がワイングラスを傾けている。
蜜蝋で艶出しした家具とテーブルに掛けられた軽やかで繊細可憐なロココレース。壁際には葉に切れ込みが入ったモンステラが置かれ幾つもの絵画が飾られている。
2人が案内された個室にはディナンドリーと呼ばれる真鍮シャンデリアと複雑な花模様のタペストリー。ダイニングテーブルにはそれと同じ花模様が編み込まれたシルクのボビンレースがかけられ中央に一輪の薔薇が飾られている。
『ここのオーナーは無名の画家を支援しているそうで、さっき飾られていたのは全部彼らの作品なんだそうだ』
前回の気合の入りすぎた豪奢なレストランではなくソフィーに似合う店を教えてもらったレオは足を運び店の雰囲気と料理を確認してここを選んだ。
『この間のレストランも素敵だったけどここはとても落ち着くわね。連れてきてくれてありがとう』
セーブル焼きの繊細な皿に盛られて出てきた料理は真鴨のスープにはじまり赤ワインとチョコレートソースをかけた鹿肉のローストやキャセロール。高価なメルルーサの石窯焼きや鰻のゼリー寄せ。
デザートは砂糖漬けのバラを飾ったアーモンドクリームとマロングラッセ。
『保存が効くからって遠征中に栗はよく食べたな。カスタニャッチョにしたりスープにも入れたし・・』
食の細いソフィーの前には少なめ、レオの前には豪快に盛られた皿が置かれた。
デザートが半分くらいに減った頃テーブルに飾られた薔薇を手にしたレオが席を立ちソフィーの横に跪いた。
『この薔薇を入れると12本になる。ソフィーの気持ちを教えて欲しい』
ソフィーを迎えに行った時手渡した薔薇が11本。
『1本の薔薇は一目惚れ。11本なら最愛の人、12本なら結婚して下さい・・合ってるかな?』
『ええ』
『愛してる。これから先ずっとソフィーのそばにいさせてくれないか?』
『門番や庭師の見習いは無理だけどピクニックのお相手としてなら』
頬を染めたソフィーが薔薇を受け取るとポケットから出した指輪をソフィーの薬指に嵌めた。
『サイズ・・ピッタリだわ』
『宝飾店の店主から、渡す時にサイズが合わないと慌てると聞いたんでハンナに教えてもらったんだ。石は亡くなった母が俺の誕生日に贈ってくれたものなんだが気に入ってくれると嬉しい』
『ペリドットね。とても綺麗』
レオ達の母は子供が一歳になると其々に目の色に似た宝石をプレゼントしてくれた。
マーカスはブルーイッシュグリーンのエメラルド。生命エネルギーや運を上昇させる幸運の宝石と言われ、記憶力や直観力を高めてくれる。
4人兄弟のうち1人だけ濃い碧眼のギルは珍しいアレキサンドライト。時によって青緑から赤色に変色する石は「高貴・光栄・出発」などを意味する。
レオは透明度の高いオリーブグリーンのペリドット。闇を祓う太陽の宝石で知恵と分別が与えられる石と言われる。
ジョシュアは強い色合いのネオングリーンのグリーンサファイア。石言葉は「慈愛、誠実、貞操、高潔」精神の調和やバランスを保つと言われている。
指輪を嵌めて漸く安心したレオは大きく息を吸って立ち上がりソフィーの頬にキスをして席に戻った。
『俺は生まれたばかりの頃明るいグリーンとピンクのオッドアイだったそうなんだ。その記念にファンシーヴィヴィッドとやらのピンクダイヤモンドとペリドットを贈られたんだが今は両目ともグリーンだからペリドットにしたんだ』
ピンクダイヤモンドは「完全無欠の愛」婚約指輪や結婚指輪には最適だが、ソフィーはペリドットの指輪を気に入った。
『両目ともピンクにならなくて良かったわね』
『ああ、この見た目でピンクの目は辛すぎる』
『そう言えばエメラルドには浮気封じの意味があるそうで、婚約中に投げつけられたってマーカスが言ってたな』
『マーカス様が浮気をしたの?』
『いや、単なる誤解だったらしい。ラッキーな事に石に傷はつかなかったらしくて今もアイリーンの指に嵌まってて、マーカスが酔うと常に武器を所持してるレディの前では細心の注意が必要だって必ず言い出すんだ』
(そう言えば、石や花の意味には注意しろって言われたな)
『ペリドットの石言葉は幸福や希望だから武器にはならないわね』
くすくすと笑いながらソフィーが指輪を光に翳し目を細めた。
ソフィーを送りレオが屋敷に帰ってきたと同時にいつものごとく元気良く部屋に飛び込んできたジョシュアに背中を向けたままのレオがクラバットを外しながら呟いた。
「断られた」
「その割に背中がニヤけてるんですけど?」
「背中はニヤけない。門番は無理だそうだ」
チラリと振り向いたレオは今まで見たことがないほど晴れやかな顔をしていた。
「何時も揶揄われてばかりだからな、たまには揶揄ってやろうと思ったんだが失敗したな」
「レオ兄様、おめでとう! これで漸く脱童○ね! 聖職者になるなら閨の教育は不要だって言ってたけど大丈夫かしら?」
顔を真っ赤にしたレオはやはりジョシュアには太刀打ちできないらしい。
40
あなたにおすすめの小説
婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。
aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる