【完結】戦う女神の愛し子! 最強少女が仲間と共に駆け上がる。冒険? それともただのファンタジー?

との

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ギルドへ

1.誕生日

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 4月25日水曜日、ミリアの13歳の誕生日。特にこれと言って何の変化もない。

 授業を受け、図書室で本を読む。試験が終わったばかりだからか、今日の図書室はいつもよりますます人がいない気がする。
 こっそりと冒険者に関する本を持ってきて、窓の近くの机で読む。何度も読み直した本だけど、今1番のお気に入りだ。

 放課後は、図書室に寄らず寮に帰った。部屋の戸締りを確認し、

 【ワープ】

 6年ぶりに我が家に帰って来た。

 小屋の中は昔のまま。囲炉裏には鍋が下がっていて、蜘蛛の巣がはっている。隅に置いてあるマットを外に出して埃を叩き、毛布に【クリーン】をかけて、近くの木に広げて干す。箒を取り出し、部屋の掃除をした。

 マットと毛布を小屋に入れ、ベットメイク。鍋やお皿を洗って片付けた。

 外はもう真っ暗になっている。【ライト】で灯りを灯し、売店で買ったパンを食べる。

 部屋の隅のひとつきりの衣装箱を開けて、中身を取り出す。
 昔着ていたチュニックが1枚と、母さんのドレスが2枚。ドレスの下に手帳が一冊あった。シーツに包んで持って帰ろう。

 楽しい思い出は沢山ある。野苺・ドングリ・きのこ狩りに、山菜摘み。

 母さんが教えてくれたのは、ラテン語・天文学・数学etc.
 アカデミーに行くことになって、初めて気がついた。絶対に負けない。


 金曜日がやって来た。授業が終わって図書室に行ったが、気持ちが落ち着かないので寮に戻ってきた。

 明日の荷物を再確認する。と言っても、あるのはマントと貯金を入れた布の袋だけ。
 袋の中身を出して、硬貨を数える。4ヶ月でかなり貯まった。マントを広げて、解れがないか確認してたたみ直す。これでお終い。
 明日の朝は、ギルドに直行しよう。場所は今日の昼間もまた、図書室で再確認してきた。王都の中を歩くのは初めてなので、それだけでもドキドキする。

 夕食とお風呂を済ませ、ベッドに入った。


 冒険者ギルドは、直ぐに見つかった。中央広場の北側に、剣と盾が大きく描かれた立派な建物があった。何より出入りしている人達が、とても胡散臭い。

 鎧を身に纏って大きな刀を下げている人や、薄汚れて大きな荷物を背負っている人。ボンキュッボンでセクシーな装束の女性や、マントを着て杖を持った人等々。
 まさに、想像通りの冒険者達が出入りしている。

 沢山の人が出入りしているので、中々勇気が湧かない。中央広場のベンチに腰掛けて、様子を伺っていた。

「なあ、広場に家出したガキが座ってるぜ」
「迷子じゃね?」
「あれは絶対家出だって」
「賭けるか?」

 そんな会話が交わされていたとは知らず、ミリアは重い腰を上げた。真っ直ぐギルドに向かう。フードは被ったまま、認識阻害もかけてある。両開きのドアを開けようとしたが、重くて動かない。暫くドアと格闘していたら、中から人が出てきた。開いたドアに吹っ飛ばされて尻餅をついた。
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