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ギルド、初依頼
3.どぶ浚い
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ギルドを出て西に20分くらいの所に、依頼主の商工会議所があった。
「おはようございます。冒険者ギルドから参りました。担当のホックリーさんはいらっしゃいますでしょうか」
「俺がホックリーだけど、あんたは?」
「はい、依頼を受けて、どぶ浚いに参りました」
「・・あんたがするの?」
「はい、場所を教えて頂けますか?」
「まあ、いいけど。ずっと誰も来てくれなかったから」
ホックリーとミリアは、商工会議所の建物から少し歩いた所の溝に到着した。
「これなんだけどね」
「わぁ、凄いですね」
「ずっと手付かずだから、もうとんでもないことになってる。あっちの教会から流れてくる水が、どんどん汚くなってさ。掃除が間に合わないし、ギルドは人をよこしてくんないし。漸く来たと思ったら、ちびちゃんだし」
ホックリーは虚な目をして宙を見つめている。
「大変だったんですね。頑張ります」
「うん、期待せずに待ってるよ。じゃあ、道具はこれね。で、ゴミは全部あそこのボックスに入れといて。後でスライムが処理してくれるから」
「えっ? スライムが手伝ってくれるんですか?」
「そう、グリーンスライムは何でも食べるから。じゃあそう言う事で。はぁ」
ミリアは靴を脱ぎ、自分自身にシールドをかけた。バケツとブラシを持って溝の中に入っていく。暫く汚れと格闘していたが、眉間に皺を寄せて悩み始めた。
「アメリア、大丈夫か? 何なら手伝うぞ」
ノアが声をかけた。
「駄目ですよ、これは私の仕事ですからね。ノアさんは、あっちに行ってください」
ミリアは、自分の周りの水に【クリーン】をかけてみた。水が透明になり、溝の底が見えてきた。
(こびりついた汚れも落とさなくちゃ)
(そうだ、洗濯だわ)
ミリアは、【トルネード】で、足元に小さな竜巻を起こした。溝の汚れがみるみる落ちていく。少しずつ下流に進みながら作業を続け、溜まったゴミを土魔法で固める。
固めたゴミを【ムーブメント】でボックスに移動して、解体。
2時間ほど作業を続けた。
「ホックリーさん、終わりました」
「もう? だよね。あんまり期待してなかったから良いけどさ」
ホックリーと一緒に現場を確認しに行った。
「えっ? 何これ」
「あの、駄目だったでしょうか?」
「違う、逆だって。凄い綺麗になってる、終わってる。マジで?」
「これにサイン頂けますか?」
「うん、勿論。最上級の評価にしとくね。いやー、助かった。また頼んで良い?」
「はい、もし時間が合えば」
「アメリア、あれって」
「洗濯です」
「?」
「大量のシーツを洗う時に、考え出した方法なんです。
手で洗っただけだと、綺麗にならないのがあって。それに早く干さないと乾かない。《トルネード》で水をかき回すと、酷い汚れも落ちるんです。
その後、濡れたシーツが重すぎて物干しまで持ち上がらなかったので、風魔法の《ムーブメント》をシーツにかけたらうまくいったんです」
ミリアは、ニコニコして話している。話を聞いているノアは、複雑な気分になった。
(一体、どんな生活をさせられてたのやら)
「おはようございます。冒険者ギルドから参りました。担当のホックリーさんはいらっしゃいますでしょうか」
「俺がホックリーだけど、あんたは?」
「はい、依頼を受けて、どぶ浚いに参りました」
「・・あんたがするの?」
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「まあ、いいけど。ずっと誰も来てくれなかったから」
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「これなんだけどね」
「わぁ、凄いですね」
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「大変だったんですね。頑張ります」
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「えっ? スライムが手伝ってくれるんですか?」
「そう、グリーンスライムは何でも食べるから。じゃあそう言う事で。はぁ」
ミリアは靴を脱ぎ、自分自身にシールドをかけた。バケツとブラシを持って溝の中に入っていく。暫く汚れと格闘していたが、眉間に皺を寄せて悩み始めた。
「アメリア、大丈夫か? 何なら手伝うぞ」
ノアが声をかけた。
「駄目ですよ、これは私の仕事ですからね。ノアさんは、あっちに行ってください」
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(こびりついた汚れも落とさなくちゃ)
(そうだ、洗濯だわ)
ミリアは、【トルネード】で、足元に小さな竜巻を起こした。溝の汚れがみるみる落ちていく。少しずつ下流に進みながら作業を続け、溜まったゴミを土魔法で固める。
固めたゴミを【ムーブメント】でボックスに移動して、解体。
2時間ほど作業を続けた。
「ホックリーさん、終わりました」
「もう? だよね。あんまり期待してなかったから良いけどさ」
ホックリーと一緒に現場を確認しに行った。
「えっ? 何これ」
「あの、駄目だったでしょうか?」
「違う、逆だって。凄い綺麗になってる、終わってる。マジで?」
「これにサイン頂けますか?」
「うん、勿論。最上級の評価にしとくね。いやー、助かった。また頼んで良い?」
「はい、もし時間が合えば」
「アメリア、あれって」
「洗濯です」
「?」
「大量のシーツを洗う時に、考え出した方法なんです。
手で洗っただけだと、綺麗にならないのがあって。それに早く干さないと乾かない。《トルネード》で水をかき回すと、酷い汚れも落ちるんです。
その後、濡れたシーツが重すぎて物干しまで持ち上がらなかったので、風魔法の《ムーブメント》をシーツにかけたらうまくいったんです」
ミリアは、ニコニコして話している。話を聞いているノアは、複雑な気分になった。
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