【完結】戦う女神の愛し子! 最強少女が仲間と共に駆け上がる。冒険? それともただのファンタジー?

との

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アカデミー、後期

9.ドラゴンの里

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 ドラゴンが降り立ったのは、濃い緑の木々が広く切り開かれた場所だった。

 正面に白亜の巨大な城が建っていた。噴水の周りには、所々にベンチが配置されている。芝生の敷き詰められた広場には、涼しげな木陰が出来ていた。

 城の後ろは高い崖になっていて、その上を様々な色のドラゴンが飛び交っている。

「壮観だな、空の上にあったんだ」

「キュッ」
「こいつ、自慢げな顔しやがって」
 ノアとミリアが笑い出した。

「こちらへどうぞ」
 人型に変身した親ドラゴンが、2人を城に案内してくれた。正面の広い入り口を入ると、見た事もないほど巨大な空間が広がっていた。

「うっかり変身を解いてしまった時用に、このような広さになりましたの」
「確かに、これだけあったら大丈夫だな」
 キョロキョロしているミリアの横を、ちびドラが歩いている。
「キュイ」
「お二人はお腹は空いていませんか? うちの子はお腹が空いたようです」
「まぁ、少し」

 20人はゆうに座れそうな食卓に、豪華な食事が並べられた。座っているのは、ちびドラの両親とノアとミリアだけ。ちびドラは近くで、元気に肉を頬張っている。

「この子は、悪戯好きの怖いもの知らずでね。今回は人の暮らしが気になったらしい」

「こっそりと下界に降りて、罠にかかってしまったのです。見つけた時には、傷だらけで毒が全身に回っていました」

「キュウ」

「ドラゴンは長命だからか、子供は中々授からなくて。今いる子供は、この子を合わせて5頭しかいないの」

「もう助からないと諦めていたんだ。ありがとう」


 食事の後、2人は宝物庫に案内された。ちびドラが後ろからついてくる。
 そこには、大量の金貨が箱から溢れ、宝石がついた貴金属が山になっていた。

「すご」
「キラキラですね」

「お好きなものをどうぞ」

 ノアが近くまで歩いて行き、金銀財宝の山をしげしげと見ていた。その中のティアラを持ち上げ、

「これ一つで一生生きていけそうだ」
 元の場所にティアラを置き、戻ってくるノア。

「どれにしますか?」
「いや、いらない。伝説のドラゴンの財宝を、見れただけで十分だ。アメリアは?」
「私もです。ここに来れて楽しかったから、それで十分です」

 ちびドラの親達は、顔を見合わせている。

「さて、お暇するか? 下まで送ってもらえますか? ぼちぼち帰らないとな」
「はい」
「キュイィ」

「何もいらないのですか?」
「ですね、大したことはしてないんで。ちょっとビビったくらい?」

 ノアが照れ笑いをした。全員で城の前の広場に移動した。

「もう、怪我しないんだよ? 罠には気をつけてね」
「キュイ、キュイキュ」
 ちびドラがミリアに顔を擦り付けて、離れようとしない。

「アメリア? この子に名前をつけて貰えますか?」
「駄目だ。アメリア」
 ノアが慌てる。
「?」

「この子が、アメリアと一緒に行きたいと言っています」
「キュウ」
「多分放っておいても、くっついて行きそうだね。アメリアの匂いは覚えたと言っている」
「駄目ですか?」
「アメリア、マジで駄目だ」

「うーん、構わないですけど。ここの方が自由で楽しいと思いますよ」
「キュキュウ」

「ドラゴンには、名前をつけると言う習慣がないのです」
「では、人々を悪霊や悪霊から守ると言われてる“ギータ” からとって、ギーは?」
「キュウ」
「気に入ったようですね」

「お前、名前つけるのがどういう意味か分かってんのか?」

 ノア、大激怒。
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