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決意

6.力比べ

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「初めまして。ノアさんのパーティーメンバーのヴィルとギー。私はアメリアです」

 白銀のメンバー全員が、1人と2匹を見て呆然としている。

「ノア、あんた(お前)」
「・・ぶっ、ぶわっはっは」
「マジかよ、想像してたのよりひでぇじゃん」

 ギルマスとエラが、
「お前らがな(あんた達がね)」

「さて、俺は漸く仲間が戻ってきたから、仕事するか」
「その前に、アメリア着替えはどうしたの?」
「あー、全部ダメになっちゃいました」

「んじゃ、父さんに依頼を選んでもらって、その間に服買いに行く?」
「エラさん、仕事は?」
「勿論お休みする」
「エラ? 俺聞いてねぇけど?」
「さぁ、アメリア行こう。父さん、直ぐ戻るから」

「待って、エラさん。ノアさんに聞きたいことがあるの」

「何だ?」

 ミリアが真剣な顔になった。
「ノアさんが、本当に一緒にパーティーを組みたいのは誰ですか?」

「ちび、決まってんだろ」
 ニールが馬鹿にする。
「お子ちゃまは、お家でおままごとしといで」

 ノアが、
「ちび助、ガンガン依頼受けるぞ。さっさと行ってこい」

「「ノア(さん)」」
「はい! 行ってきます」

「待って下さい。ノアさん、俺納得できません。こんな」
「カイル、俺はちび助を選んだんだ」

「なら、勝負して下さい。負けたら諦めます」
「分かった」

「なら、あたしもー。何だかノアが、あたしよりそのチビ選んだ気がして胸糞悪いし」

「チビ? どうする?」
「良いですよ、但し名前はアメリアです」

「なら、訓練場に行くか。それからちび助、後でお仕置きな。色んなとこで、不審者情報出てんぞ」
「げっ」


 全員で訓練場に移動する。ギルド内に残っていた冒険者や、職員が全員ついてきた。

「お前ら、仕事は?」
「こっちの方が面白そうなんで」

 どっちか勝つか、賭けが始まった。


「先に言っとくがなお前ら、訓練場壊したら弁償だかんな」
 ギルマスが睨みつけてきた。

「いいわよ。どうせこのチビには払えないだろうから、あたしが全額払ったげるわ」
「ほんとですか? 絶対ですよ? ギルマス聞きました?」
 目を輝かせるミリア。

「あぁ、イライザ大丈夫なのか?」
「当たり前でしょ。まぁ訓練場が壊れる前に、このチビが気絶してるかもね」
 上から目線で笑うイライザ。

 ギルマスは、よしっ! とガッツポーズのミリアに、
「あー、手加減って知ってるか?」
「全力で頑張ります!」

「おじちゃん、知らないからね」

 2人が訓練場の中程で対峙した。スタッフを構えたイライザが、
「あんた、杖は?」
「あった方が良いですか?」
「はぁ? 当たり前じゃん。魔法使いが杖なしでどうすんのよ」
「わかりました」

 インベントリからワンドを取り出し構える。
「今どこから出した?」

 ミリアは、イライザの質問を無視して、
「ギルマスー、準備出来ましたー」


 ミリアVSイライザ、開戦。
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