【完結】戦う女神の愛し子! 最強少女が仲間と共に駆け上がる。冒険? それともただのファンタジー?

との

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アースドラゴン

3.討伐 ②

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 小ぶりな岩石が、降り注ぐ。小さくても当たれば痛い。逃げ惑う冒険者達は、壊れた小屋や木の陰に隠れた。

「ヤバいぞ、アースドラゴンが怒ってる」
「失敗か?」
「どうなるんだ?」
「まさか噴火とかしねえよな」

 真夜中、[白銀の狼]達が逃げ帰ってきた。彼らは岩の直撃を受けたのか、血だらけでボロボロになっている。

 小さな地震は相変わらず続いていて、アースドラゴンの怒りが伝わってくる。

「この後、どうすんだよ!」

「煩い、俺達は疲れてるんだ。飲み物と飯を準備しろ」
「俺達は、お前らの召使いじゃねぇんだよ」
「失敗した癖に、偉そうにすんじゃねえ」

 [白銀の狼]達は、テントに戻って座り込んだ。
「どうする?」
「イライザ、ダメダメじゃんか」
「1mも進めなかったな」
「煩いわね、あんた達は見てただけじゃん」
「元々、お前が道を切り開くって言ったんだろうが」

 一頻り文句を言い合い、テントの中はしんと静まりかえった。

「で、どうする?」
「MPポーション全部なくなったからね」
「・・」
「それはまずい」
「素直に失敗しましたって言うしか」

「無理、こんだけ沢山の冒険者がいんだぜ?」
「なぁ、あいつらここに来てるよな」
「頼むか?」
「あのちびがいりゃあ」
「俺達が何をしたか忘れたのか?」

「やったのはイライザだ」
「みんな仲間だろ?」
「ノアのおっさんに負けた癖に、偉そうにすんなよ」

「少し頭を冷やしてくる」
 カイルが立ち上がり、テントを出て行った。

 カイルは、地震で壊れた家の前にやってきた。柱が折れ曲がり、屋根が崩れ落ちている。

「カイル」
「・・ノアさん、失敗しました」
 カイルが頭を下げた。

「だな。これからどうする?」
「地震は収まるでしょうか」
「どうかな、俺には分からん」
「家や畑の被害は」
「ほとんどは、使い物にならんだろう。畑も」

「・・だから言っただろうって言わないんですね」
「そう言うのは好きじゃない」

「昔と変わりませんね」
 カイルが寂しそうに笑った。

「訓練場の修理費用と、ここの賠償金で奴隷落ちかも」
「あいつらは?」
「多分いなくなると思います」

「・・その為に出てきたのか」

 カイルは何も言わない。


 夜が明けた。カイルがテントに戻った時、案の定メンバーは皆いなくなっていた。

「だよな」


「申し訳ありません。今回の討伐、失敗しました。皆さんへの報酬と、この村への賠償は責任持っ「出来んのかよ、偉そうなことばかり言いやがって」」
「お前ら、実力もない癖にえらそ「その辺でやめとけ」」

「ノア、お前だって散々コケにされただろうが」
「昔の事だ。こいつは頭を下げた。責任を取ると言ってる。それ以上必要なものがあるか?」

「だったら、アースドラゴンはどうすんだよ」
「地震、まだ続いてるだろうが」


「俺たちがやる。俺とちび助と仲間でな」
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