2 / 49
2.仕方ないから顔合わせ
しおりを挟む
ライラがビクトールとの婚約を知ってから2ヶ月が経った。
両親の前では気落ちして何もする気力がないふりをしながら、ライラはここ数年に起きた婚約破棄騒動の詳細と末路を調べていた。
表立って動けないライラの代わりに専属護衛騎士のノアが調査員との架け橋になり情報を集めてくれた。
「高位貴族が婚約破棄騒動を起こした後は殆どの男性は廃嫡や領地送りにされていて、女性は修道院送りか評判の悪い家に売り飛ばされているのね」
「そのようですね。高位貴族は名誉を重んじますから家名に傷をつけた者をそのままにしておく事はほとんどありません」
「恐らく他家からの評判の為ね。我が家の子供が騒ぎを起こしましたがこのような厳しい罰を与えました。我らはそのような正義感のある者だと知らしめて自身の損失を最低限にしようとしている。
中には単なる被害者の女性だっているのに、傷物は役立たずだと切り捨ててるとしか思えないわ」
「貴族社会ではそれが当然なのでしょう」
「ええ、だからムカつくの。例えば今回わたくしが婚約破棄されるとしたら全面的にビクトール有責だけど、お父様はわたくしを修道院へ送るはず。
自分で決めていくのなら構わないけれど逃げ出す為や無理矢理行かされるのは我慢できないわ」
幼い頃からライラの護衛騎士となったノアはライラの性格をよく知っている。家柄だけではなく貴族令嬢として必要な資質の全てを備えており年齢さえ合えば王子妃にもなれただろう。
(女性騎士になっていれば男性騎士達が青褪めていただろうし)
「では、残りの調査を待ちましょう。そちらに良い情報があれば話は早いんだけど」
残りの調査の一つは歴代のターンブリー侯爵家とプリンストン侯爵家の家系を辿るもの。特に公にされていない⋯⋯庶子の存在も調べている。
もう一つは同じく両家の徹底調査。交友関係や金の流れなどを徹底的に洗っている。
(ターンブリー側は庶子が1人いらっしゃるのだから他にもいる可能性は高いし、お父様に愛人がいらっしゃるのは今にはじまったことでもないしね)
ライラが引き篭もっている間にプロムが終わり学年末の休みも明日で終わる。明後日から2年生になるのでこれ以上は顔合わせから逃げられないと覚悟を決めた。
「ハーヴィーみたいな軟弱な奴じゃあ、ターンブリー侯爵家の行く末は散々だったもんなぁ。ま、会社も爵位も俺様がちゃーんと引き継ぐし?
大人しく言うことを聞くならお前にも贅沢させてやらなくもないから、これからは俺様の前で奴隷のようにひれ伏すんだな」
父親に言われて仕方なくやってきた顔合わせで、応接室に案内されたライラが挨拶をはじめる前にビクトールが言った言葉でライラはブチ切れそうになった。
(カーテシーで顔を下に向けていて良かったわ。それに近くにいたら殴りかかっていたかも)
ふんぞり返ってソファに座るビクトールの腕の中には最新の恋人がいてビクトールの肩に顔を寄せている。
「おい、サッサと挨拶しないか!」
「お久しぶりでございます」
無表情を意識しながらゆっくりと顔を上げビクトール達を視線に入れた。
(間違いないわ、報告書にあったリリア・キャンベル子爵令嬢ね。学園に入る前は平民で養子になった数ヶ月後に入学した⋯⋯トラブルメーカー)
「は! お高くとまったライラ様は真面な挨拶も出来んらしい。俺様のリリアにもちゃーんと挨拶をしたらどうなんだ?」
「⋯⋯ライラ・プリンストンと申します」
「あたしはぁリリアって言うんだけど、ご立派なプリンストン侯爵令嬢は知らないわよねぇ」
「クラスが違うのでお話しした事はございませんが、お名前だけは存じておりますわ」
「きゃ、こわ~い。睨まれちゃったぁ」
(ありがとうって思っているのに睨むわけないじゃない)
学園に入学してまだ1年だというのに既に数件の婚約破棄事件を起こしているリリアはライラにとっては希望の星のひとつだと思っている。
(少し役不足だからこのままでは上手くいかないけど、キャンベル子爵の調査報告の結果次第ではリリア嬢の夢を叶えて差し上げるつもりなんだから)
爵位が高く贅沢できる資産があれば婚約者がいようがいまいが気にしないで付き合うリリアだが、婚約破棄に持ち込めてもその後が続かなくて未だに獲物を探している。
『婚約破棄になっちゃうなんてぇ⋯⋯リリア、そんなつもりじゃなかったんですぅ』
『こないだまで平民だったからぁ、貴族の方のルールがよくわからなくてぇ。お友達だって思ってたのにぃ』
『クラスでは意地悪ばっかりされてたからぁ、その代わりに色々教えてくれる優しい方だとしか思ってませんでしたよ~』
リリアの嘘泣きと言い訳に騙された愚か者達は婚約破棄・親からの叱責と廃嫡ルートを辿っているが本人はケロッとして学園に通っている。
『だって、リリアは悪くないもん! 勝手に婚約者よりリリアの事を好きになられちゃっただけだよ~』
1年間で付き合う男の爵位と資産が上がっていっているリリアはビクトールが侯爵家を継ぐ可能性が出てきてからの付き合い。毎月恋人が変わるビクトールからすれば割と長い方になる。
(そろそろ変更になるのかもって想っていたけれど、この様子だともう暫く持ちそうだわ。報告書が届くまで頑張ってね)
ライラが狙っているのは他にもいる。コロコロと変わるビクトールの恋人の隙間を縫うように暗躍する『幼馴染のイライザ』
ビクトールの母親はアスローン男爵令嬢で、ターンブリー侯爵とは学園生の頃から付き合いが今も続いている。低位貴族だった為結婚に反対されるとそのまま愛人の座におさまり、多額の資金援助を受けて平民向けの商会を立ち上げた。
本人に商才はなく贅沢三昧の暮らしをしているが、商会が立ち行かなくなる度に追加の資金をターンブリー侯爵が補填するので商会自体は王都の一等地にある。
可愛がっている幼馴染イライザはビクトールの母親の親友の娘。
(本当は入学試験に落ちたのだけど補欠合格したラッキーガールって有名なのよね)
婚約破棄された後母親の後押しがあればイライザを新しい婚約者にできる可能性がないわけではないので頑張って欲しいと思っている。
「辛気臭い顔は見てやったんだ。いつまでもそんなところに突っ立ってないでサッサと消えろ!」
(帰っていいなんてラッキーだわ)
満面の笑みを浮かべたライラの顔を見たビクトールがポカンと口を開けた。
両親の前では気落ちして何もする気力がないふりをしながら、ライラはここ数年に起きた婚約破棄騒動の詳細と末路を調べていた。
表立って動けないライラの代わりに専属護衛騎士のノアが調査員との架け橋になり情報を集めてくれた。
「高位貴族が婚約破棄騒動を起こした後は殆どの男性は廃嫡や領地送りにされていて、女性は修道院送りか評判の悪い家に売り飛ばされているのね」
「そのようですね。高位貴族は名誉を重んじますから家名に傷をつけた者をそのままにしておく事はほとんどありません」
「恐らく他家からの評判の為ね。我が家の子供が騒ぎを起こしましたがこのような厳しい罰を与えました。我らはそのような正義感のある者だと知らしめて自身の損失を最低限にしようとしている。
中には単なる被害者の女性だっているのに、傷物は役立たずだと切り捨ててるとしか思えないわ」
「貴族社会ではそれが当然なのでしょう」
「ええ、だからムカつくの。例えば今回わたくしが婚約破棄されるとしたら全面的にビクトール有責だけど、お父様はわたくしを修道院へ送るはず。
自分で決めていくのなら構わないけれど逃げ出す為や無理矢理行かされるのは我慢できないわ」
幼い頃からライラの護衛騎士となったノアはライラの性格をよく知っている。家柄だけではなく貴族令嬢として必要な資質の全てを備えており年齢さえ合えば王子妃にもなれただろう。
(女性騎士になっていれば男性騎士達が青褪めていただろうし)
「では、残りの調査を待ちましょう。そちらに良い情報があれば話は早いんだけど」
残りの調査の一つは歴代のターンブリー侯爵家とプリンストン侯爵家の家系を辿るもの。特に公にされていない⋯⋯庶子の存在も調べている。
もう一つは同じく両家の徹底調査。交友関係や金の流れなどを徹底的に洗っている。
(ターンブリー側は庶子が1人いらっしゃるのだから他にもいる可能性は高いし、お父様に愛人がいらっしゃるのは今にはじまったことでもないしね)
ライラが引き篭もっている間にプロムが終わり学年末の休みも明日で終わる。明後日から2年生になるのでこれ以上は顔合わせから逃げられないと覚悟を決めた。
「ハーヴィーみたいな軟弱な奴じゃあ、ターンブリー侯爵家の行く末は散々だったもんなぁ。ま、会社も爵位も俺様がちゃーんと引き継ぐし?
大人しく言うことを聞くならお前にも贅沢させてやらなくもないから、これからは俺様の前で奴隷のようにひれ伏すんだな」
父親に言われて仕方なくやってきた顔合わせで、応接室に案内されたライラが挨拶をはじめる前にビクトールが言った言葉でライラはブチ切れそうになった。
(カーテシーで顔を下に向けていて良かったわ。それに近くにいたら殴りかかっていたかも)
ふんぞり返ってソファに座るビクトールの腕の中には最新の恋人がいてビクトールの肩に顔を寄せている。
「おい、サッサと挨拶しないか!」
「お久しぶりでございます」
無表情を意識しながらゆっくりと顔を上げビクトール達を視線に入れた。
(間違いないわ、報告書にあったリリア・キャンベル子爵令嬢ね。学園に入る前は平民で養子になった数ヶ月後に入学した⋯⋯トラブルメーカー)
「は! お高くとまったライラ様は真面な挨拶も出来んらしい。俺様のリリアにもちゃーんと挨拶をしたらどうなんだ?」
「⋯⋯ライラ・プリンストンと申します」
「あたしはぁリリアって言うんだけど、ご立派なプリンストン侯爵令嬢は知らないわよねぇ」
「クラスが違うのでお話しした事はございませんが、お名前だけは存じておりますわ」
「きゃ、こわ~い。睨まれちゃったぁ」
(ありがとうって思っているのに睨むわけないじゃない)
学園に入学してまだ1年だというのに既に数件の婚約破棄事件を起こしているリリアはライラにとっては希望の星のひとつだと思っている。
(少し役不足だからこのままでは上手くいかないけど、キャンベル子爵の調査報告の結果次第ではリリア嬢の夢を叶えて差し上げるつもりなんだから)
爵位が高く贅沢できる資産があれば婚約者がいようがいまいが気にしないで付き合うリリアだが、婚約破棄に持ち込めてもその後が続かなくて未だに獲物を探している。
『婚約破棄になっちゃうなんてぇ⋯⋯リリア、そんなつもりじゃなかったんですぅ』
『こないだまで平民だったからぁ、貴族の方のルールがよくわからなくてぇ。お友達だって思ってたのにぃ』
『クラスでは意地悪ばっかりされてたからぁ、その代わりに色々教えてくれる優しい方だとしか思ってませんでしたよ~』
リリアの嘘泣きと言い訳に騙された愚か者達は婚約破棄・親からの叱責と廃嫡ルートを辿っているが本人はケロッとして学園に通っている。
『だって、リリアは悪くないもん! 勝手に婚約者よりリリアの事を好きになられちゃっただけだよ~』
1年間で付き合う男の爵位と資産が上がっていっているリリアはビクトールが侯爵家を継ぐ可能性が出てきてからの付き合い。毎月恋人が変わるビクトールからすれば割と長い方になる。
(そろそろ変更になるのかもって想っていたけれど、この様子だともう暫く持ちそうだわ。報告書が届くまで頑張ってね)
ライラが狙っているのは他にもいる。コロコロと変わるビクトールの恋人の隙間を縫うように暗躍する『幼馴染のイライザ』
ビクトールの母親はアスローン男爵令嬢で、ターンブリー侯爵とは学園生の頃から付き合いが今も続いている。低位貴族だった為結婚に反対されるとそのまま愛人の座におさまり、多額の資金援助を受けて平民向けの商会を立ち上げた。
本人に商才はなく贅沢三昧の暮らしをしているが、商会が立ち行かなくなる度に追加の資金をターンブリー侯爵が補填するので商会自体は王都の一等地にある。
可愛がっている幼馴染イライザはビクトールの母親の親友の娘。
(本当は入学試験に落ちたのだけど補欠合格したラッキーガールって有名なのよね)
婚約破棄された後母親の後押しがあればイライザを新しい婚約者にできる可能性がないわけではないので頑張って欲しいと思っている。
「辛気臭い顔は見てやったんだ。いつまでもそんなところに突っ立ってないでサッサと消えろ!」
(帰っていいなんてラッキーだわ)
満面の笑みを浮かべたライラの顔を見たビクトールがポカンと口を開けた。
6
あなたにおすすめの小説
とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、
屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。
そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。
母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。
そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。
しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。
メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、
財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼!
学んだことを生かし、商会を設立。
孤児院から人材を引き取り育成もスタート。
出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。
そこに隣国の王子も参戦してきて?!
本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る
とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。
さこの
恋愛
ある日婚約者の伯爵令息に王宮に呼び出されました。そのあと婚約破棄をされてその立会人はなんと第二王子殿下でした。婚約破棄の理由は性格の不一致と言うことです。
その後なぜが第二王子殿下によく話しかけられるようになりました。え?殿下と私に婚約の話が?
婚約破棄をされた時に立会いをされていた第二王子と婚約なんて無理です。婚約破棄の責任なんてとっていただかなくて結構ですから!
最後はハッピーエンドです。10万文字ちょっとの話になります(ご都合主義な所もあります)
田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました
さこの
恋愛
田舎の子爵家の令嬢セイラと男爵家のレオは幼馴染。両家とも仲が良く、領地が隣り合わせで小さい頃から結婚の約束をしていた。
時が経ちセイラより一つ上のレオが王立学園に入学することになった。
手紙のやり取りが少なくなってきて不安になるセイラ。
ようやく学園に入学することになるのだが、そこには変わり果てたレオの姿が……
「田舎の色気のない女より、都会の洗練された女はいい」と友人に吹聴していた
ホットランキング入りありがとうございます
2021/06/17
捨てられた私は遠くで幸せになります
高坂ナツキ
恋愛
ペルヴィス子爵家の娘であるマリー・ド・ペルヴィスは来る日も来る日もポーションづくりに明け暮れている。
父親であるペルヴィス子爵はマリーの作ったポーションや美容品を王都の貴族に売りつけて大金を稼いでいるからだ。
そんな苦しい生活をしていたマリーは、義家族の企みによって家から追い出されることに。
本当に家から出られるの? だったら、この機会を逃すわけにはいかない!
これは強制的にポーションを作らせられていた少女が、家族から逃げて幸せを探す物語。
8/9~11は7:00と17:00の2回投稿。8/12~26は毎日7:00に投稿。全21話予約投稿済みです。
【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。
朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。
ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる