32 / 49
32.このタイミングで登場?
しおりを挟む
ビクトールが俺様はなんでもありだと豪語してから2週間経ったが、今までと違うのはライラの顔を見ても馬鹿にしたように笑うだけで絡んでこない事くらい。
生徒会の打ち合わせが急遽キャンセルになったがミリセントは既に別のクラスメイトと食事中だったので、ノアと2人でパンを買って中庭にやって来た。
肌寒い風のせいでどのテーブルも空いていたが一番端を選んで座りパンと飲み物を並べた。
「一年生のあいだではそんなに有名になってるの?」
「ええ、かなり有名ですね。彼に顔繋ぎしたい奴等がご注進に及んだようですが、未だにサロンに顔を出してシエナ様と楽しく過ごしています。ただ、新しい恋人も物色していますね」
シエナの取り巻きの妹ロザンナがかなり積極的に広めているらしく、それに合わせて『我こそは次期ターンブリー侯爵夫人に!』と張り切った女性達がビクトールの周りに集結しよりどりみどりの状態になっているらしい。
「イライザさんがビクトールのそばにいますからシエナ様と別れたのは間違いないでしょう」
ライラが『隙間家具のよう』だと批評したビクトールの幼馴染イライザがそばにいるなら、今は中休み⋯⋯恋人不在の時でほぼ間違いないだろう。
「先日のジェニーさんは? 最後にビクトールが絡んできた時、腕にぶら下がっていた女性は確かそんな名前じゃなかったかしら?」
「ジェシカだったと思います」
ライラが何度も変わるビクトールの恋人の名前を覚えていないのに気付いてノアは笑いを堪えた。
(本当に興味がないんだな)
「そうだったかしら。まあ、物色中なら今日は別の方の可能性もあるしね」
「それから、彼の実家の商会に張り付いている調査員の話ではまた経営がヤバくなってるそうです」
「それは拙いわね。ターンブリー侯爵家には援助する余裕もないし、拘う暇もないはずだもの。ビクトールに接触するようだったら注意が必要だわ」
「その旨伝えて何かあればすぐ連絡するよう言っておきます」
「あれはどうなったかしら。もんし⋯⋯」
「しっ! 人が」
ライラが話しかけた言葉を遮ったノアが人差し指を口に当てた。
「あの⋯⋯ライラ・プリンストン様ですよね」
おずおずとした様子で声をかけてきたのは見たことのない女性2人組だった。
(お会いした事はないはず、一年生かしら)
「あの、突然お声をおかけして申し訳ありません。ビクトール様の事でご相談があって、その」
「どんなお話かしら、わたくしでお役に立てるかはわかりませんけれど⋯⋯おかけになって」
ノアが席を立ちテーブルの上を片付け、ライラが2人に席を勧めた。
「あの、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。セシリア・ディステイトと申します。彼女は⋯⋯」
「私はセシリアのクラスメイトで、キャサリン・サルーンと申します」
(このタイミングで向こうからやって来るなんて驚いた)
ビクトールの次の婚約者探しで浮上していたキャサリン・サルーン男爵令嬢。報告書によると大人しく真面目な性格だったのであのビクトールと関わりを作るのは可哀想だからと対象から外していた。
「ライラ・プリンストンですわ。で、どのようなお話かお聞きしてもよろしいかしら?」
「私の父は王都でディステイト商会を経営しておりまして⋯⋯」
ディステイト商会はライラも名前を聞いたことのある中堅どころの商会で、主に貴金属やアクセサリーを扱っている。幅広い価格帯の商品を扱い平民層から高位貴族まで取引があり、数年前には支店も出したはず。
(なんだかもう話が見えたわ)
「ビクトール様のような高位貴族の方にご利用いただけるのはとても嬉しいのですが、その⋯⋯支払いが」
(はぁ、やっぱりだわ)
1ヶ月くらい前から取り巻きや恋人を連れて訪れるようになったビクトールは、自分と彼等のアクセサリーやカフスなどをツケで購入していくと言う。
「貴族の方のほとんどはそのようにされますからうちも同じようにサインだけいただいて、ターンブリー侯爵家に支払いのお願いに上がっていました」
今まで取引がなかったので毎回請求書を作成して屋敷を訪れていたと言う。
「執事さんが対応して下さって、今まではお支払いいただけていたのですが今回断られてしまったんです。うちの商会で扱っているものの中でもかなり高価なネックレスとイヤリングのセットだったので、お支払い頂かないと困りますし。今後同じようなことがあっても低位貴族の商会では強くお断りすることも難しく。
このままではうちの商会は立ち行かなくなりそうなんです」
「ビクトールはそれを知っているのかしら?」
「どうでしょうか。よくわかりません」
「そのお話を態々わたくしに聞かせにこられたのはどうしてですの?」
狙いは分かっているがライラは態と素知らぬふりで問いかけた。
「あの、このままでは本当に困るんです。立て替えをお願いするのは間違っているかもしれませんが、せめてビクトール様やターンブリー侯爵家にお話ししていただけませんでしょうか?」
「仰るとおり婚約者のわたくしが立て替えるというのはおかしな話ですものね」
セシリアの顔が青褪めた横で心配そうに友達の顔色を窺っていたキャサリンがライラをチラリと睨んできた。
(正義感かしら、それとも払うのが当然だと思ってる?)
「サルーン嬢はどう思われます?」
「え?」
突然話を振られたキャサリンがセシリアの背から手を離して目を泳がせた。
「ディステイト嬢の状況はよくわかりましたし、本当に大変だと思います。ただ、どのような方法が一番良いのか悩んでしまいましたの。ですからご意見をお聞かせくださらないかしら?」
「わた、私の意見ですか?」
「ええ、ご友人の窮地をお聞きになってどうして欲しいと思われたのか教えていただけると助かりますわ」
(試すような行為はあまり褒められないけれど、さっき確実に睨んでいたのが気になるのよね。報告書通りの真面目な方なら公正な意見が出てくるはず)
「私は⋯⋯失礼を承知で申し上げるなら、立て替えとビクトール様やターンブリー侯爵家への抗議をお願いしたいと思います」
「それをわたくしが?」
「はい、婚約者ということはいずれご結婚なさるわけですし。ビクトール様の行動に意見してくださるのが当然だと思います」
「そう、そういう考えも確かにあるわね。ターンブリー侯爵家は何故支払いを拒否したのかしら。ディステイト嬢は聞いていらっしゃる?」
「いえ、何も⋯⋯次は売らないでくれと言われて困っていたことしか」
「そう言われてもお困りになられるだけよねえ」
ライラがセシリアに同情的で自分の意見を重要視しているに違いないと思ったキャサリンは身を乗り出した。
「ライラ様ならあの程度の立て替えなど造作もないことだと思いますし、その間にビクトール様に今回の状況をお話いただいて支払いの確約をしていただけば問題はなくなると思います」
「そうねぇ⋯⋯」
「順調な経営をしている貿易会社の社長が商会の支払いを踏み倒したなんて外聞が悪すぎます。そんな事が公になれば会社の評価にも影響してしまうかもしれません」
「⋯⋯では、わたくしからひとつ提案させていただいても宜しいかしら?」
セシリアとキャサリンの目が輝いた。
生徒会の打ち合わせが急遽キャンセルになったがミリセントは既に別のクラスメイトと食事中だったので、ノアと2人でパンを買って中庭にやって来た。
肌寒い風のせいでどのテーブルも空いていたが一番端を選んで座りパンと飲み物を並べた。
「一年生のあいだではそんなに有名になってるの?」
「ええ、かなり有名ですね。彼に顔繋ぎしたい奴等がご注進に及んだようですが、未だにサロンに顔を出してシエナ様と楽しく過ごしています。ただ、新しい恋人も物色していますね」
シエナの取り巻きの妹ロザンナがかなり積極的に広めているらしく、それに合わせて『我こそは次期ターンブリー侯爵夫人に!』と張り切った女性達がビクトールの周りに集結しよりどりみどりの状態になっているらしい。
「イライザさんがビクトールのそばにいますからシエナ様と別れたのは間違いないでしょう」
ライラが『隙間家具のよう』だと批評したビクトールの幼馴染イライザがそばにいるなら、今は中休み⋯⋯恋人不在の時でほぼ間違いないだろう。
「先日のジェニーさんは? 最後にビクトールが絡んできた時、腕にぶら下がっていた女性は確かそんな名前じゃなかったかしら?」
「ジェシカだったと思います」
ライラが何度も変わるビクトールの恋人の名前を覚えていないのに気付いてノアは笑いを堪えた。
(本当に興味がないんだな)
「そうだったかしら。まあ、物色中なら今日は別の方の可能性もあるしね」
「それから、彼の実家の商会に張り付いている調査員の話ではまた経営がヤバくなってるそうです」
「それは拙いわね。ターンブリー侯爵家には援助する余裕もないし、拘う暇もないはずだもの。ビクトールに接触するようだったら注意が必要だわ」
「その旨伝えて何かあればすぐ連絡するよう言っておきます」
「あれはどうなったかしら。もんし⋯⋯」
「しっ! 人が」
ライラが話しかけた言葉を遮ったノアが人差し指を口に当てた。
「あの⋯⋯ライラ・プリンストン様ですよね」
おずおずとした様子で声をかけてきたのは見たことのない女性2人組だった。
(お会いした事はないはず、一年生かしら)
「あの、突然お声をおかけして申し訳ありません。ビクトール様の事でご相談があって、その」
「どんなお話かしら、わたくしでお役に立てるかはわかりませんけれど⋯⋯おかけになって」
ノアが席を立ちテーブルの上を片付け、ライラが2人に席を勧めた。
「あの、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。セシリア・ディステイトと申します。彼女は⋯⋯」
「私はセシリアのクラスメイトで、キャサリン・サルーンと申します」
(このタイミングで向こうからやって来るなんて驚いた)
ビクトールの次の婚約者探しで浮上していたキャサリン・サルーン男爵令嬢。報告書によると大人しく真面目な性格だったのであのビクトールと関わりを作るのは可哀想だからと対象から外していた。
「ライラ・プリンストンですわ。で、どのようなお話かお聞きしてもよろしいかしら?」
「私の父は王都でディステイト商会を経営しておりまして⋯⋯」
ディステイト商会はライラも名前を聞いたことのある中堅どころの商会で、主に貴金属やアクセサリーを扱っている。幅広い価格帯の商品を扱い平民層から高位貴族まで取引があり、数年前には支店も出したはず。
(なんだかもう話が見えたわ)
「ビクトール様のような高位貴族の方にご利用いただけるのはとても嬉しいのですが、その⋯⋯支払いが」
(はぁ、やっぱりだわ)
1ヶ月くらい前から取り巻きや恋人を連れて訪れるようになったビクトールは、自分と彼等のアクセサリーやカフスなどをツケで購入していくと言う。
「貴族の方のほとんどはそのようにされますからうちも同じようにサインだけいただいて、ターンブリー侯爵家に支払いのお願いに上がっていました」
今まで取引がなかったので毎回請求書を作成して屋敷を訪れていたと言う。
「執事さんが対応して下さって、今まではお支払いいただけていたのですが今回断られてしまったんです。うちの商会で扱っているものの中でもかなり高価なネックレスとイヤリングのセットだったので、お支払い頂かないと困りますし。今後同じようなことがあっても低位貴族の商会では強くお断りすることも難しく。
このままではうちの商会は立ち行かなくなりそうなんです」
「ビクトールはそれを知っているのかしら?」
「どうでしょうか。よくわかりません」
「そのお話を態々わたくしに聞かせにこられたのはどうしてですの?」
狙いは分かっているがライラは態と素知らぬふりで問いかけた。
「あの、このままでは本当に困るんです。立て替えをお願いするのは間違っているかもしれませんが、せめてビクトール様やターンブリー侯爵家にお話ししていただけませんでしょうか?」
「仰るとおり婚約者のわたくしが立て替えるというのはおかしな話ですものね」
セシリアの顔が青褪めた横で心配そうに友達の顔色を窺っていたキャサリンがライラをチラリと睨んできた。
(正義感かしら、それとも払うのが当然だと思ってる?)
「サルーン嬢はどう思われます?」
「え?」
突然話を振られたキャサリンがセシリアの背から手を離して目を泳がせた。
「ディステイト嬢の状況はよくわかりましたし、本当に大変だと思います。ただ、どのような方法が一番良いのか悩んでしまいましたの。ですからご意見をお聞かせくださらないかしら?」
「わた、私の意見ですか?」
「ええ、ご友人の窮地をお聞きになってどうして欲しいと思われたのか教えていただけると助かりますわ」
(試すような行為はあまり褒められないけれど、さっき確実に睨んでいたのが気になるのよね。報告書通りの真面目な方なら公正な意見が出てくるはず)
「私は⋯⋯失礼を承知で申し上げるなら、立て替えとビクトール様やターンブリー侯爵家への抗議をお願いしたいと思います」
「それをわたくしが?」
「はい、婚約者ということはいずれご結婚なさるわけですし。ビクトール様の行動に意見してくださるのが当然だと思います」
「そう、そういう考えも確かにあるわね。ターンブリー侯爵家は何故支払いを拒否したのかしら。ディステイト嬢は聞いていらっしゃる?」
「いえ、何も⋯⋯次は売らないでくれと言われて困っていたことしか」
「そう言われてもお困りになられるだけよねえ」
ライラがセシリアに同情的で自分の意見を重要視しているに違いないと思ったキャサリンは身を乗り出した。
「ライラ様ならあの程度の立て替えなど造作もないことだと思いますし、その間にビクトール様に今回の状況をお話いただいて支払いの確約をしていただけば問題はなくなると思います」
「そうねぇ⋯⋯」
「順調な経営をしている貿易会社の社長が商会の支払いを踏み倒したなんて外聞が悪すぎます。そんな事が公になれば会社の評価にも影響してしまうかもしれません」
「⋯⋯では、わたくしからひとつ提案させていただいても宜しいかしら?」
セシリアとキャサリンの目が輝いた。
3
あなたにおすすめの小説
とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、
屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。
そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。
母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。
そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。
しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。
メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、
財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼!
学んだことを生かし、商会を設立。
孤児院から人材を引き取り育成もスタート。
出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。
そこに隣国の王子も参戦してきて?!
本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る
とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。
さこの
恋愛
ある日婚約者の伯爵令息に王宮に呼び出されました。そのあと婚約破棄をされてその立会人はなんと第二王子殿下でした。婚約破棄の理由は性格の不一致と言うことです。
その後なぜが第二王子殿下によく話しかけられるようになりました。え?殿下と私に婚約の話が?
婚約破棄をされた時に立会いをされていた第二王子と婚約なんて無理です。婚約破棄の責任なんてとっていただかなくて結構ですから!
最後はハッピーエンドです。10万文字ちょっとの話になります(ご都合主義な所もあります)
田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました
さこの
恋愛
田舎の子爵家の令嬢セイラと男爵家のレオは幼馴染。両家とも仲が良く、領地が隣り合わせで小さい頃から結婚の約束をしていた。
時が経ちセイラより一つ上のレオが王立学園に入学することになった。
手紙のやり取りが少なくなってきて不安になるセイラ。
ようやく学園に入学することになるのだが、そこには変わり果てたレオの姿が……
「田舎の色気のない女より、都会の洗練された女はいい」と友人に吹聴していた
ホットランキング入りありがとうございます
2021/06/17
捨てられた私は遠くで幸せになります
高坂ナツキ
恋愛
ペルヴィス子爵家の娘であるマリー・ド・ペルヴィスは来る日も来る日もポーションづくりに明け暮れている。
父親であるペルヴィス子爵はマリーの作ったポーションや美容品を王都の貴族に売りつけて大金を稼いでいるからだ。
そんな苦しい生活をしていたマリーは、義家族の企みによって家から追い出されることに。
本当に家から出られるの? だったら、この機会を逃すわけにはいかない!
これは強制的にポーションを作らせられていた少女が、家族から逃げて幸せを探す物語。
8/9~11は7:00と17:00の2回投稿。8/12~26は毎日7:00に投稿。全21話予約投稿済みです。
【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。
朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。
ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる